警察官でなくてもできる逮捕がある、○か✕か…
答えは○。
男子中学生が教員に暴行を加えたため別の教員が現行犯で常任逮捕したというニュースがあった。
警察官でなくても逮捕できる逮捕「常人逮捕(じょうじんたいほ)」。
初めて聞いた言葉だ…
先生が暴行生徒を「常任逮捕」する
その条件は
「現行犯であること」
「犯人が身元不明で逃亡する恐れがあること」。
そして、逮捕したらすぐに警察などに連絡して犯人を引き渡さなければならない。
このニュースは、福岡県福岡市早良区内の中学校でのこと。男子中学生が53歳の男性教員の足を蹴ったり首を絞めるなどの暴行を加えた。
別の教員がこの生徒を「暴行容疑」の現行犯で「常任逮捕」したという。この情報以外の経緯や動機など詳しいことは、今のところ、見つからない。
今まで学校での暴行のニュースはいくつもあったような気がする。が「常任逮捕」として書かれている所をみると意外と珍しいケースなのだろうか?
未成年だからか?
常任逮捕…
耳慣れない言葉だ。
警察官ではない一般人でも逮捕状なしにできる逮捕のことらしい。一般人が逮捕出来る、と聞くといろいろ疑問が出てくる。
少し調べてみた。
常任逮捕(私人逮捕ともいう)とその方法とは?
これは、「刑事訴訟法213条」で決められている法律。
「現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる」
ウィキペディアによれば
現行犯人の逮捕は、司法警察職員に限らず一般人でも誰でも逮捕状がなくても行うことができるとされている。
これは、現行犯人が現に犯行を行っているか行い終わったところであるため、逮捕して身柄を確保する必要が高い上に、誤認逮捕のおそれがないためである。
誰でも、なんでもというわけでなく、条件がある
1、犯人が現行犯人、準現行犯人であること(刑事訴訟法212条)
2、30万円以下の罰金、拘留、科料にあたる罪の場合(刑法では、過失傷害罪・侮辱罪)は、犯人の住居、氏名が明らかでなく、又は犯人が逃亡するおそれがある場合(刑事訴訟法217条)。
簡単に言えば、逮捕には条件が2つあるということだ。
1つ目は…
犯行が
・現行犯人(現に罪を行っている)か
・準現行犯人(罪を行い終わってから間がない)であること
2つ目は…
「30万円以下の罰金、拘留、科料にあたる罪」
※例えば
・過失傷害罪(過失により人を傷害した場合)
・侮辱罪(事実を摘示しないで、公然と人を侮辱する)
の場合、犯人が誰だか分からなかったり、逃げる可能性がある場合は逮捕できるということらしい。
なかなか出来ることではないが、例えば
「通り魔を捕まえる=常人逮捕」
ということか?な?
だからといって、常任逮捕を行使するときの判断は、意外と難しいのではないだろうか?と単純に感じる。
ちなみにこの2つの条件に該当しないのに、逮捕した場合は「逮捕罪」という罪になる。
刑は3月以上5年以下の懲役になるらしい。
他に「常人逮捕例」を調べてみた。
(7月)1日午前9時30分ごろ、住所不定無職の男(73)が福岡市博多区吉塚1丁目のお寺にある納骨堂に侵入。
食料品14点を盗んだところを、副住職の男性(40)が見つけ、男を建造物侵入、窃盗容疑の現行犯で常人逮捕した。
この男の場合「建造物侵入」と「窃盗容疑」なので予想される罪は「住居侵入」と「窃盗罪」。
これぐらいの罪でも現行犯を見つけた時に一般人が捕まえれば「常任逮捕」でもあると言えそうだ。
現行犯といえば痴漢もそうか…。
その他にも
飲食店で女性店員を襲い体を触ったり、暴行を加えた。
それを知った男子学生と男性店員が「強制わいせつ容疑」で常任逮捕した。福岡県で、会社員の男性が電車内で下半身を撮影する目的で、携帯電話を録画状態にして女性のスカート内に差し込もうとしたところを女性が気づき福岡県迷惑行為防止条例違反(盗撮)容疑の現行犯で、常人逮捕した。
万引き、ビラ配り、…もあった。
まとめ
最初、常任逮捕をするときの判断は、意外と難しいのではないか、思っていた。
が、こうしてみると実は「現行犯逮捕」=「常任逮捕」と言えそうだ。
じつは、この呼び方をあまりしないだけだったのか…
何だ、自分が無知だったか…(恥)