1月5日(囲碁の日)、政府は将棋の羽生善治永世七冠と囲碁の井山裕太七冠の国民栄誉賞が決定した、と発表した。
将棋の羽生さんは永世7冠になったことが最近の大きなニュースになったので知っている人は多いと思うが、囲碁の井山さんは、28歳という若さで囲碁の七大タイトルを持っている。実はこれもかなりすごい事なのだ。
残念ながら私は囲碁はほとんど詳しくないが、そのすごさを少しだけ調べてみたら…
半端なかった!
昨年は、将棋で盛り上がった年だった。
中学生棋士藤井聡太四段が、デビュー戦から無敗のまま歴代最多連勝記録を更新し29連勝を果たしたこと、羽生善治棋聖が史上初の「永世七冠」を獲得したこと、78歳の加藤一二三九段が現役を引退し「ひふみん」として、バラエティで大活躍したこと…
一方、囲碁も将棋と並ぶ、日本人にはなじみの深いボードゲームだ。将棋に比べると、白と黒の石を交互に碁盤に置いていくだけ?と、一見簡単そうに見えるが、実は「将棋より難しい」という人もいる。
囲碁とは
囲碁の発祥は中国。7世紀ごろ日本に入ってきて、平安時代には紫式部もこの囲碁をたしなんだという話もある。日常的に使われている「駄目」や「おかめはちもく」などの語源は、この囲碁からきている。
プロとアマチュアに分かれていてアマチュアは50級から最高位8段まで、プロは初段から最高位9段まで。
もちろん、プロになると数多くの対戦があり、賞金がある。その中でも特に大きなタイトル戦(七大タイトル)があって、もちろん優勝すると高額な賞金が貰え、さらに栄誉も得ることができる。プロたちはそれを目標に闘うわけだが…現在その七大タイトル全て持っているのが井山裕太七冠(本因坊文裕)だ。
井山 裕太(いやま ゆうた)
囲碁棋士、9段 28歳、プロ入りは中学1年。…と、ここまでは普通?だが、ウィキペディアの彼の最初の紹介が凄い。
・名誉棋聖・二十六世本因坊・名誉碁聖の名誉称号資格保持者。
・号は本因坊文裕(もんゆう)
・囲碁界、将棋界通して史上初の年間グランドスラム(その年の七大タイトルをすべて独占)達成者。
・史上初の2度の七冠達成者(棋聖・名人・本因坊・王座・天元・碁聖・十段)
・囲碁界史上初の七冠達成者・六冠達成者。
・七大タイトル・三大タイトル獲得数歴代2位。
・タイトル総獲得数歴代4位タイ記録。
・史上2人目の大三冠達成者。
・史上3人目のグランドスラム達成者。
・七大タイトルの数々の最年少記録を保持。
・2013年から5年連続棋道賞最優秀棋士賞を受賞。
・2011年から6年連続賞金ランキング1位。
・2012年7月24日から現在まで5年と165日間、七大タイトルのうち四冠以上を保持し続けている。
ここまで来ると、よくわからないが、28歳にして、この記録を持っているらしい…。
まじ、すげ~
ちなみに、棋風は「力戦型」「長考派」で、中盤以降の粘り強さは「井山マジック」と讃えられている。
※以上、ウィキペディアより抜粋
囲碁の7大タイトルとは
(以前羽生善治の永世7冠の記事を書いたが)囲碁にも1年に大きなタイトル戦が7つがある。
「棋聖」「名人」「本因坊」←三大タイトルと「碁聖」「十段」「王座」「天元」だ。
1~3月 棋聖戦
3~4月 十段戦
5~7月 本因坊戦
6~8月 碁聖戦
9~11月 名人戦
10~12月 王座戦
10~12月 天元戦
井山裕太七冠は、昨年、少なくともこれらのタイトル戦全て勝ったのだ。
(そのうち、5タイトルは3年連続勝ち続けている)
半端ない!
三大タイトルの優勝賞金
・棋聖戦 4500万円
・名人戦 3300万円
・本因坊戦 3000万円
三大タイトルだけで1億以上の賞金が出る。他4タイトルを合わせたら1億5千万だ。
羽生善治も天才だ、という事はよくわかる。だが、井山裕太も、かつては「天才少年」と呼ばれた。言っちゃなんだが、まだ28歳だぞ。でも囲碁界を背負って立っている。「棋界を極めた男」と呼ばれている…この若さで…すごい男だ。
独身?かな。
将棋と囲碁の違いとは
(正直、将棋の方がなじみが深いのでどうしても比べてしまうのだが)将棋と囲碁の違いはなんだろう、と思うことは無いだろうか。
よく聞くのが、将棋は主に左脳使うゲーム、碁は主に右脳を使うゲーム、ということだ。(左脳は、思考や論理、、右脳は知覚や感性)…簡単に言えば使う脳が違う、ということらしい。
いずれにしても、トップ棋士たちは勝負がつくまでの自分の手を再現できるという(自分には想像もつかない)すごい記憶力を持っているということ…半端な頭脳ではない事だけは確かだ。
国民栄誉賞にふさわしい、納得した。