「つまようじの溝」は、なぜあるのか?
つまみやすいように?
折って箸置きにする?
と、使い勝手がいいからだ、と思っていた。
しかし…
実際作っていた人は「こけし」をまねたのだという。
この意外な答えに、ちょっとビックリし、ちょっとだけ感動した。
8月24日、「チコちゃんに叱られる」の二つ目の質問は、つまようじにある溝についてだった。
チコちゃんが「この(岡村隆史・長嶋一茂・朝比奈彩)中で食後に、つまようじでシーハーしてそうなワイルドな大人ってだあれ?」と聞くと、岡村が「私しますよ、必ず」と手を挙げた。
どうして、つまようじに溝があるの?
チコちゃんが岡村に聞く。
「…つまようじってどんな形してる?」
(NHKのアナウンサーでアシスタントの)愛ちゃんが、つまようじを皆に配る。
岡村は「先がとがってますよ。(反対側は?)ボコボコしてる。」と答える。
するとチコちゃん「溝があるわよね、なんで?」と聞く。
岡村は「ちょっと待てよ、これ、あのね、聞いたことがあるような気がしてる。ここ折んねん。ここぼこぼこしてるじゃない。」とつまようじの頭の方を指す。
実際、頭の方を折って、折った部分につまようじを置いて箸置きのようにして「ぼこぼこしているのはつまようじ置きです!」と言い切る。
するとチコちゃん「ぼーっと生きてんじゃねーよ」と言う。
「じゃあ、なんで丸いの?コロコロ転がるでしょうに。…カメラがぐっと急に寄ってこないってことは正解じゃないって事よ。」と岡村にダメ押し。岡村も「ほんまや、誰もなんにも来てくれんなと思って…」と間違った答えだったと納得する。
○チコちゃんの答え
→つまようじの溝は「こけし」
「え~、こけし?」と朝比奈が驚く。岡村は「違う違う、…こんなとこにこけしいる?いらんやろ!」と一人ボケツッコミをした。
つまようじのボコボコは「こけし」…の理由とは
大阪府河内長野市、この地域では古くから、つまようじ作りが盛んで、最盛期には日本国内で生産されていた約9割が作られていたらしい。
つまようじを作り続けて51年の稲葉さんによれば…
・元々つまようじには溝が無かった。
先さえとがっていればつまようじの役割を果たすので、後ろは関係なかった。
・溝のあるつまようじが誕生したのは昭和30年代中ごろ
それまでは、両端を尖らせたものをのこぎりで切断して作られていた。
・ノコギリで着ると切断面がささくれる
切断面が汚いのが業界の悩みだった。
・グラインダーと呼ばれる「やすり」が登場
グラインダーを高速回転して使うと、端にできたささくれを削り取り断面をきれいに仕上げることが出来るようになった。
NHK「多分こうだったんじゃないか劇場」
だが、つまようじは、グラインダーで削ったため断面が、摩擦で黒く焦げていた。
番組ではその解決法について、恒例?の「たぶんこうだったんじゃないか劇場」(山西 惇出演)というイメージVTRを久々に流した。
「つまようじの夜明け」
グラインダーで削ったつまようじのささくれが奇麗になったと喜ぶ一方で、その断面が摩擦で焦げて黒くなってしまうことに気付く。
これは一大事!と河内長野にあるつまようじ会社(日本つまようじのの9割を作っている)の代表者が集まり緊急会議を開いた。
こげているところを削ったらどうか、などの意見が出たが…なかなか解決法が見つからない、その時、部屋にあったこけしが目に入る。
「この焦げた黒い部分とこけしの髪の毛、似てへんか?」
「こけしによう似てますね」
「こけしをまねして、ここに溝を入れたら、こけしに見えて、えらいかわいいって、絶対売れるで」
「こけしにしましょう!」「皆でつくらな」という事になった。
結論:つまようじ会社の代表者たちの方針で、こけしを真似たつまようじを作る事になった。
凹凸があるグラインダーで削ると今の形のつまようじになる。
実際こけしの色付けしてみた
本当にこけしに見えるのか、という事で…
模型師:亀田 誠(自分でデザインした世界遺産のミニチュアを作成するなど細かい作業をする)さんに、つまようじの溝に(こけしに見えるように)色を付けてもらった。
幅2ミリのスペースに色を付けてもらい、30分後、完成したつまようじは、確かにこけしに見えた。
これなら売れただろうと稲葉さんに聞いたが…「市販にこぎつけたが、売れなかった。作る側の自己満足なんですね。こけしであろうが先さえ良かったらいい。粘り強く販売を続けているうちに徐々にお客さんがそれを良しとしてくださった。」と言う。
見た目もいい、という風になるには時間がかかったそうだ。最後には「ね、お客さんてそういうものなんでしょうね」と笑う。つまようじは今でもこけしに真似て作られているそうだ。
※以上 8月24日放送「チコちゃんに叱られる」より抜粋、まとめ
まとめ
「チコちゃんの髪型はこけしを真似したのかな?」と聞かれると「チコ5歳、まだ誰の真似でもありません」と答えた。なんとなく聞いたことがあるなと思ったら岡村が「井森美幸」と言う。
井森美幸のキャッチフレーズ「井森美幸16歳、まだ誰のものでもありません」をパクったらしい。「よ~わかったわね」とチコちゃん。
岡村が「でもね(つまようじを)ここ折って乗せて使ってもいいよね?恥ずかしいことじゃないし」と言ったら、チコちゃん「…発祥はちゃんと覚えててね…こけしの首を折ってる」と思ってね」と答えた。
確かに!
たかがつまようじと思っていたが、ささくれに、こだわり、焦げにこだわり、結果こけしに似せたとは、なんとなく日本人らしいなとちょっとだけ感動した。