磁石は、特別なもの、というイメージがあったが、何のことはない、この世界のものは、人間も含めすべて磁石から作られていると言っても過言ではないらしい…
5月17日「チコちゃんに叱られる!」
最後の質問は「磁石」についてだった。
なんで磁石はくっつくの?
チコちゃんが「この中(岡村隆史・瀬戸康史・高橋みなみ)で一番、みんなを惹きつける素敵な大人ってだあれ?」と聞くと岡村は「惹きつける…いいすか?俺」と外の二人の確認を取ってから、岡村が手を挙げる。
チコちゃんに「磁石って知ってる?」と聞かれ、岡村は「知ってますよ…鉄を引きつけるというか…N極とS極で…くっつきますよ」と答える。
すると「なんで磁石はくっつくの?」と聞かれる。
岡村は「シンプルに来たね…ずっとくっついてきたもんやから、ね…」という。瀬戸が「地球、関係あるんですかね?」というと「引力か!」というが「引力ではない」と言われる。
結局「…摩擦力!」と答えるが「ぼーっと生きてんじゃねーよ!」と言われてしまう。
◯チコちゃんの答え
⇒磁石がくっつくのは原子の向きをきれいに揃えるから
磁石は何千年も研究されている
詳しく教えてくれるのは、磁石の仕組みに詳しい東京大学の齋藤英治教授。
教授は「実は磁石はかなり昔に発見されていて何千年も研究されている」という。人類と磁石の出会いは紀元前の事。古代ギリシャのマグネシア地方で天然の磁石が見つかったことから「マグネット」と呼ばれたとも言われている。
その時見つかったのは、今も磁石の原料である「磁鉄鉱」という石。なぜくっつくのかは数千年もわからないままだった。しかし20世紀になると研究は急速に進み、磁石がくっつく驚くべき事実が分かった。
磁石がくっつく理由とは
教授は「基本的にこの世界のものは、すべて微小な粒子が集まってつくられていて、この一個一個の粒子が磁石としての性質を持っている」という。
あらゆる物体を小さくしていくと、原子や分子と呼ばれるとてもちいさな粒子が集まってできていることがわかる。実はこの粒子一つ一つがS極とN極のある磁石の力を持っている。
「この世界のものは、我々人間も含めすべて磁石から作られていると言ってもいい。なぜ原子は磁石の力を持っているのか…それは難しいですね。原子自体が回っている。回っていると磁力が生まれる、という性質がある。物体が回るとそこには磁力が生まれる…」と教授。
(なぜ磁力が生まれるか、説明しようとするととても難しい話になり、95%の人がチャンネルを変える結果となるので興味のある方はご自身で調べて下さい、というナレーションが入る)
なぜ人間はくっつかないのか?
人間も原子や分子の集まりなのに、くっつかないのは、磁石と違って人間の原子の向きがバラバラだからだという。(人間の中の原子はN極とS極がバラバラの向きで、磁力が打ち消し合っているためくっつかない)
磁石の中の原子は、S極とN極が同じ向きに揃っていることで、磁力が強まりくっついたり反発したりするほどの強い力を生み出している。
鉄はなぜくっつく?
一方、磁石にくっつく鉄の中の原子もバラバラの向きなのだが…磁石をくっつけると…鉄の中の原子の向きが揃ってしまう。
普段は原子の向きがバラバラになっている鉄だが、そこに磁石を近づけると原子の向きがきれいに揃って磁石がくっつく。つまり鉄は磁石をくっつけると原子が同じ向きに揃う性質があり鉄も磁石になるのでくっつく。
MRIは磁石で体を見る
実は人間の体も磁石に全く反応しないわけではないそうだ.
例えば、病院の検査で使うMRI(磁気共鳴画像装置)は強い磁力を当て、人間の中の水分を反応させることで体の中を見ている。
スタッフが教授に「人間どうしが回ったら引き寄せられるのか?」と人差し指を並べて回る様子をしてみせる。
それを見た教授は「引き寄せ合いますがその方向ではない、逆ですね」と言う。どうやら体どうしではなく、頭や足先を向かい合わせて回転すると磁力が起き、引き寄せられるらしい。
強い磁石は物を浮かせる
磁石の研究は時代とともに進み、現代文明を支えていて、磁石の研究そのものは、日本が最先端にいて、世界を引っ張っている、と教授はいう。
そこで強力な磁石を使った世界初の実験を見せてもらえることになった。
無冷媒型超電導マグネットを使ってものを浮かす
スタッフが、磁石の開発や性質を研究する東北大学の「強磁場超電動材料研究センター」研究員の髙橋弘紀助教(授?)さんに、案内され「この装置」と言って見せてもらったのは「無冷媒型超電導マグネット」という装置。
この種の磁石では世界一の磁力を生み出し、その足場は、強い磁力の影響を受けないように木で作られていた。(ちなみに値段はセレブの豪邸が2、3軒建つくらいだそうだ。)
この装置を使うと鉄でもなんでもないものを浮かすことができるという。
磁石の同じ極を近づけると反発するように、この装置の強力な磁力で普通は動かないものまで浮かせられるらしい。
強力な磁力でカメラが壊れないように、鏡に反射させて離れた場所から望遠レンズで撮影。今回浮かせようと挑戦するのは…小さな「ちくわ」だった。
成功させれば高橋さんは“世界初磁石でちくわを浮かせた男”になる。その快挙を見守るため、関係者が集まってきた。
およそ一時間かけて磁力をあげていく…が、ちくわは動かない。
焦る高橋さん。
さらに磁力を強めていくと…
とうとうちくわが浮いた。
(ここに世界初、磁石でちくわを浮かせた男が誕生した)
ちくわで勢いを得た高橋さんは、次に挑戦したのは「かっぱ巻き」。
これも、浮いた。
高橋さん「浮くんですね」と嬉しそうだった。
最後にチコちゃんが「実験材料として選ばれたちくわとカッパ巻き。装置の直系5センチの穴に入るサイズで水分が多い物体の方が反発が大きいという条件から研究員の高橋さんが3日間悩みに悩んで選んだのがちくわと河童巻きだった」と説明した。
※5月17日「チコちゃんに叱られる!」より参照・抜粋
追記:2020年 4月17日 再放送
まとめ
実験に使われたのがちくわと河童巻きだった。
最初はなぜ、こんな高価な機器で大事な実験にこれ何だろう?と思ったが…鉄でもないちくわが磁石の力で浮いたのだ。(目に見えない小さな原子に磁力があるということにも驚くが)考えてみたらこれもかなりすごいことだ。