足の無い幽霊画を最初に描いたのは江戸時代の人気画家、丸山応挙。
あの画には「会いたくても会えない」亡き妻への思いが込められているらしい。
8月23日の「チコちゃんに叱られる!」は、「拡大版ロストサマー!二度と帰れないあの夏の日は何してたっけ!?スペシャル」。放送時間がいつもより長いスペシャル版だ。
2つ目の問題は「足の無いお化け画」の話。
なんで幽霊には足がないの?
「この中(岡村隆史、指原梨乃、草刈民代、松重豊)で一番怪しい雰囲気を醸し出ている妖艶で素敵な大人ってだあれ?」という事で…岡村は松重を指名する。
夏の夜と言えば?と聞かれ松重は「花火、スイカ、ビール…盆踊り…」と次々と答えるがチコちゃんが聞きたい答えはなかなか出てこない。そこで「丑三つ時、草木も眠る…」とヒントを出すと「お化けが出る…幽霊!」とやっと求める答えが出た。
そして「その幽霊てのはさ、なんかこう描写されているのあるじゃない?」と聞かれ、重松は「足がない!」と答えると「なんで幽霊には足がないの?」と質問される。
松重は「ビックリした瞬間に目を見てしまう…『なんか出た怖い』って逃げるんで…足のイメージがないままどっかに逃げちゃったんじゃないのかな」と答える。が、「ぼーっといきてんじゃねーよ!」と言われる。
その後、岡村が言った答えが正解だったらしく「つまんねー奴だなぁ」が出てしまった。
そこですぐさま漢字の問題が出される。※正解を言われて悔しいチコちゃんからちょっと難しい漢字の問題が出される…これ、久々だ。
お題は「しょうゆ」。これは難しい!みんな「え~」と言うが松重はさすが、正解した。(正解は醤油)
◯チコちゃんの答え
⇒幽霊に足がないのは売れっ子画家が足の無い幽霊を描いたから。
あの画は夢枕に立った亡くなった奥さんを描いたものだった
詳しく教えてくれるのは美術史家の安村敏信さん。
安村さんは「『幽霊に足がない』というのは江戸時代のある画家が描いた絵が作り出したものなんです」と言う。
実は江戸時代以前、怪談噺の挿絵に描かれていた画には足があった。が、江戸時代中期の売れっ子画家、丸山応挙が足の無い幽霊をかけ軸に書いてからは、幽霊画から足がなくなっていったという。
丸山応挙(1733年~1795年)
円山応挙は、国宝「雪松図屏風」などを描いた江戸中期の人気画家。
言い伝えでは…
幽霊画をかけ軸に書いて欲しいという依頼を受け書けずに悩んでいた。その時に夢枕に亡くなった妻が出てきた。その姿をそのまま描いたというのが、応挙の幽霊画。
「会いたくても会えない大切な人への思いが描かれた画といえる」と先生は言う。
丸山応挙の「返魂香之図」
元祖・足の無い幽霊画は青森県弘前市の「久渡寺(くどじ)」にあるらしい。
(このあと、担当スタッフが青森出身だったため幽霊画の取材か帰郷の様子かわからないNHK「プロフェッショナル」風「チコフェッショナル」のVTRが流れる…のでその部分は省略する。)
結局、スタッフは「久渡寺」に行き、住職の須藤光昭さんに幽霊の掛け軸を見せてもらいたいとお願いするが「幽霊の掛け軸は年に一回だけの公開になっているので、普段は見せていない」と言われ、結局そのまま帰ってきてしまう。
“このまま終わるわけにはいかない”と安村さんに相談すると…
幽霊の掛け軸は、1年に1回しか公開されていないことは先生も知っていた。そして以前NHKが取材していたと教えてもらう。
そこでスタッフはNHK「美の壺」のスタッフルームに向かい、2008年放送の「お化けの絵」の映像を借りた。
美の壺~「お化けの絵」
その映像をみると、安村先生が久渡寺で丸山応挙の幽霊画を紹介、解説していた。
そこに映し出されたのは「返魂香之図」という掛け軸。
(以下、番組ナレーション)
ここに伝わる一服の掛け軸。
江戸中期を代表する円山応挙の作品です。
薄紅を塗った流し目の女性
一見美人画のようです。
しかし足は描かれていません。
写生画の大家と呼ばれた応挙。
なぜ幽霊を描いたのでしょう。
こんな言い伝えがあります。
ある時、応挙の夢に亡き妻が現れました。
妻は足がなく宙を漂っていました。
応挙は夢で見たこの妻の姿を忠実に描いたのだと言います。
足がない…
宙に浮いている…
かつて、誰もやらなかったこの表現は「この世のものではないもの」として話題に…
人気画家の応挙が発明したという事もあり、反響は大きかった。
応挙にならい、足の無い幽霊が数多く描かれるようになりました。
なぜ幽霊画は多く描かれたのか…
江戸時代、夏の娯楽として怪談噺(ばなし)を楽しむ風習があった。
「演出として、幽霊画を掛けて、その怪談をさらに怖くするという事は十分ありうる、ということですね」と先生は言う。
こうして足の無い幽霊画は、世の中に知れ渡った。
…以上「美の壺」の映像だった。
※以上8月23日放送「チコちゃんに叱られる!」より参照・抜粋
まとめ
担当スタッフは偶然にも?青森出身者だった?ため、ここでNHK「プロフェッショナル」風にこのスタッフのプロフィールが(ナレーター:橋本さとしによって)紹介され、ドキュメンタリー風にVTRは進む。(帰郷の様子?)※これは「チコフェッショナル」のようだ。
一通りスタッフの帰郷の様子が描かれたあと、スタッフは「弘前市 久渡寺」に向かう。
カメラ撮影をしながら歩くスタッフの目の前に長い石段が現れる(200段あるらしい)。やっとの思いで寺に着いたスタッフは、住職の須藤光昭さんに幽霊の掛け軸を見せてもらいたいとお願いするが、「幽霊の掛け軸は年に一回だけの公開になっているので、普段は見せていない」と言われ、結局そのまま帰ってきてしまった。
最後に、このスタッフは「実家の近くでロケがあったら親に元気な姿を見せる、それがプロフェッショナルだと思います」とコメント。
最後に、ナレーターの橋本さとしから「いや、調べてから行きなさいよ!」と突っ込みが入った。