小学校の卒業式の「呼びかけ」…そういえば、やったなぁ。
たしか「6年生のお兄さん、お姉さん、卒業おめでとうございます」から始まったなぁ。
内容はほとんど覚えてない。練習も結構した。が、大勢(親や生徒たち)の前で、一人でしゃべらなければならない、失敗しないように、という緊張感はなんとなく覚えている。
その「呼びかけ」…始まりは、昭和30年だったそうだ。
3月14日の「チコちゃんに叱られる!」
二つ目の問題は「卒業式の呼びかけ」についてだ。
卒業式でされる「呼びかけ」…なんでするの?
「この中(岡村隆史とゲストの持田香織、山崎弘也)で一番、感情豊かで涙もろいピュアな大人ってだあれ?」と聞かれ、岡村は「余り見せない、もしかしたらザキヤマさんはそういうタイプじゃないですか?」といい、山崎を指名。
チコちゃんに「卒業式でされる呼びかけ…なんでするの?」と聞かれたザキヤマ、「卒業式に黙っていると、いい思い出が出づらいみたいなところがあるんじゃないかな、という事でみんなに声を出させる」と答えるとチコちゃんに「その超まともな答えでいい?」と言われる。
芸人ともあろうと人が…といいザキヤマは改めて「文章(台本)を誰かが書く…組織と教育委員会の癒着」と言い直し「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と言われる。
〇チコちゃんの答え
⇒卒業式で呼びかけをするのは、カリスマ校長の学校改革
「呼びかけ」はカリスマ校長の学校改革の一つだった
詳しく教えてくれるのは卒業式の歴史に詳しい、立教大学文学部の有本真紀教授。
先生は「(呼びかけは)昭和30年、ある小学校のカリスマ校長が学校改革の一つとして行った。それまでと違う革新的な卒業式を始めたことがきっかけで今の卒業式の形が出来た」という。
斎藤喜博
その校長の名前は「斎藤喜博」。
昭和を代表する教育者とも呼ばれ、彼が行った様々な学校改革が、後の教育界に多大な影響を与えた。
学校改革のきっかけ
斎藤校長の学校改革がスタートしたのは、昭和29年群馬県の島小学校に就任したことがきっかけだった。それまでに見てきた学校に比べると島小学校は自主性のない子供たちや疲れ切った教師たちが多いと感じ、学校の状況を変えるべく様々な学校改革を始める。
改革の内容
例えば…
生徒には
・通信簿の5段階評価を止める
・運動会は子供たちが計画・進行をする
・合唱を多く取り入れ、大きく元気な声を出す習慣をつける、など…
すると、明るい子供たちが増えた。
教師には
・教師の休みを取りやすくする
・無駄な仕事をさせない
・教員会議の終了時間を決め、絶対にオーバーしない、など
働き方を見直した。
すると、生き生きと授業を行うようになった。
学校改革の集大成「卒業式」
そして斎藤校長が行った学校改革の集大成が卒業式だった。
今では、卒業式と言えば感動的な物、と思っている人が多いと思うが、卒業式の歴史を振り返ってみると、昔の卒業式は決して感動的な物ではなかった。
改革以前の卒業式
当時行われていた一般的な卒業式の内容
1 一同着席
2 敬礼
3 唱歌(君が代)
4 勅語奉読
5 唱歌(奉答歌)
6 証書授与
7 褒状賞品授与
8 校長誨(かい)告
9 町長祝辞
10 生徒総代答辞
11 来賓祝辞
12 唱歌(仰げば尊し・蛍の光)
13 敬礼
14 退場
15 茶話会
勅語奉読、町長祝辞など…があり、これでは子供たちが形式的に行事を行うだけになってしまうと考えた校長は、本当の感動が得られるイベントにしようと、あることを始める。
呼びかけ
それが「呼びかけ」。
校長自身が台本を書いて、子供たちが演じていくという形だった。
卒業式の呼びかけは子供たち一人ひとりが作り上げるイベントにして欲しいと考えられたもので、昭和30年日本で初めて島小学校の卒業式で行われた。
当時の呼びかけの再現
そこで番組では「呼びかけ」を始めた当時の卒業生に集まってもらい、卒業式を再現してもらった。
卒業生:10人(昭和30・31・33年度島小学校卒業生)
在校生:7人
保護者:1人 当時の卒業生の「母」100才
教師:3人(スタッフ))
それぞれの位置は、卒業生の左側に在校生が座り、ほぼ真向かいに保護者。
真向かいに教師が座る、という形。
〇「6年生入場」
ピアノ(「春が来た」)
教師「さぁこれから卒業式を始めましょう」
在校生「今年の卒業生は何人ですか?」
教師「卒業生はね、10人ですよ」
教師「みんな揃って卒業できて本当に良かったね」
教師「さぁ、これから卒業証書を頂きましょう」
〇卒業証書授与
斎藤校長が考えた卒業式は、演劇のような動きになるように片手で証書を受け取ったあと腕を大きく外側に回す、というもの。
〇「呼び掛け」
ピアノ(明るい曲)
在校生「6年生の皆さん」
在校生「今日はおめでとう」
在校生全員「おめでとう」
卒業生「ありがとう」
卒業生「先生方」
卒業生「来賓の皆さん」
卒業生「お父さん、お母さん」
卒業生「そして在校生の皆さん」
卒業生「私たちは、みんな揃って卒業出来ました」
卒業生「皆さん、ありがとう」
卒業生全員「ありがとう」
卒業生全員「先生」
卒業生「お世話になりました」
教師「今日はおめでとう」
教師全員「おめでとう」
教師「みんなの切り開いた新しい道」
教師全員「新しい道」
教師「この島小にいつまでも残るでしょう」
母親「私たちにも言わせてください。一年生に入った時はこんな小さな子供だったのに。元気で明るくぐんぐん育って…。今日はもう卒業。お母さんはホッとしたよ。これからもしっかりやっておくれ」
在校生「では最後にみんなして『蛍の光』を歌いましょう」
(「蛍の光」合唱)
こうして昭和30年3月、から64人の卒業生が旅立っていった。
全国に広まる
その後(カリスマ)斎藤校長は教育者に向けた勉強会を開いた。ここで学んだ先生たちが自分の学校に持ち帰ったことで呼びかけは全国に広まった。
64年前、群馬県の小さな小学校で始まった呼びかけは今でも日本人の卒業式の思い出として生き続けている。
愛ちゃん情報
斎藤校長の熱心な教育で有名になった島小学校、生徒たちのドキュメンタリー映画「芽をふく子ども」が作成され、モスクワ国際映画祭審査委員特別賞を受賞した。
斎藤校長の教育は日本だけではなく海外でも話題になった。
まとめ
この後、チコちゃんから「みんなの卒業式」についてのお知らせがあった。
3月14日「チコちゃんに叱られる!」より参照・抜粋
新型コロナの影響で、これまでのような卒業式ができない子供たちが多い中、こういうイベントを企画するというのは、いいことかもしれない。
MCは田村亮さん、そういえばなんか言ってたな。こういう形にしたんだ。
スタジオ出演:Foorin・RADWIMPS・Little Glee Monster
今年の卒業生たちに向けて「卒業式で歌うはずだったあの歌」を贈るそうだ。
卒業生の皆さん、今までと違った形の「卒業式」になりそうです。
参加してみては?
チコちゃんは出ないのかなぁ…
その他の問題
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