なんで山芋を食べると口のあたりがかゆくなるの
1月22日のNHK「チコちゃんに叱られる!」のゲストは、欅坂46の長濱ねるとカニング竹山。
「この中で一番食べ方が綺麗な大人」という事で長濱が指名される。
チコちゃんに「なんで山芋を食べると口のあたりがかゆくなるの?」と聞かれた長濱は「ネバネバが何らかの影響をおよぼしている」と答える。
するとチコちゃんに「それを教えろちゅーの」と言われ「山芋の特別が成分が…」というので、「それを言えちゅうの。…ボーっと生きてんじゃねーよ!」とチコちゃんに叱られる。
◯チコちゃんの答え
⇒山芋を食べると口のあたりがかゆくなるのは、無数の小さな針が刺さっているから
無数の小さな針が刺さっているから
詳しく教えてくれるのは長芋や自然薯などを研究し山いも類を愛してやまない摂南大学農学部川崎通夫教授。
先生は「山芋は『ヤムイモ』と植物学術的にはと呼ばれることがある。なぜ山芋を食べると口の周りがかゆくなるのかというと無数の小さな針が刺さっているから」という。
すりおろした山芋を顕微鏡で見るとトゲトゲしているものが見える。
さらに電子顕微鏡で拡大すると、怖いほど先がとがった針状のものが束になっている。
これが山芋にある針だという。
トゲトゲしているのがシュウ酸カルシウムの物質でできた針状の結晶。
長いものになると0.2mmぐらい。
この針のようなものが長芋の中に無数にあると言う。
太さは1㎜の1千分の1以下ととても小さいため、すりおろしても針の束やとがった先端も壊れず、じゅるじゅると、大量の針と一緒に食べていることになる。
そしてこの山いもが口のあたりにつくと針状の結晶が皮膚に刺さるので痛痒くなると考えられている。
この針状の結晶は特に皮の部分に多いので、触っただけでかゆいという人もいる。
なぜ山芋には針があるのか?
しかしなぜ山芋には針があるのか?
先生は「昆虫などに食べられないように、針状の結晶があると考えられる」という。
実際、シュウ酸カルシウムを含んだ部分と含まない部分がある葉っぱを虫に与えると、含まない部分しか食べなかったという監察結果が報告されている。
山芋は自ら針を持つことで虫に食べられることを防ぎ、生存競争で生き残ったと考えられている。
ちなみにこのシュウ酸カルシウム、パイナップルやキウイにもふくまれていて、食べる時にチクチクするのはこのため。
「こんな山芋を食べれる人間は幸せ者ですね」と先生。
かゆくならない山芋の食べ方
先生に聞いたかゆくならない山芋の食べ方を教えてもらった。
結晶は芋の皮の付近に多くある。
山芋の断面図を見てみると、シュウ酸カルシウムの結晶が皮から離れるほど数が少なくなっているのがわかる。
先生は「皮を5㎜程度厚めに切れば、結晶を多く取り除くことができる」という。
ディレクターが実際、皮を厚めに切った山芋で山掛けご飯を食べると「ほんとだ、かゆくね」という。
最高の山芋を堀った
ディレクターは、(動画のために)さんざんかゆい思いをさせてしまったスタッフに最高の山芋を食べさせたい、という事で、茨城県の自然薯農家の荒井さんに協力してもらい、自生している「自然薯」を探すことにした。
自然薯は一年で数センチしか伸びない、とても貴重なモノ、だそうだ。
枯れた葉っぱが木の上についているのが自然薯の目印で、その根元には、芋の元があるという。1m以上は掘らないといけないという。
スタッフが掘り始めてから30分。
(まだ芋らしきものは見えない)
荒井さんが「丁寧にやらないと折れちゃうからね」という。
さらに慎重に掘り始めて50分後…遂にその姿を現す。
自然薯は縦に長く伸び(役1m50㎝)引っ張ると切れてしまうので深く掘る必要があった。
素人では取り出すのが難しいというのでプロの荒井さんに引っ張ってもらう事に…だが、切れてしまった。
掘れたのは1m30㎝の立派な自然薯。
このサイズだと10年もの。
店で売ってたら(天然なので)5,000円ぐらいだという。
ディレクターは、スタッフに自然薯のとろろご飯をごちそうする。
「どう?うまいでしょ、すげー頑張って取った」という。
スタッフが「うまいです」と答えると「だろー」とどや顔になるディレクター。
だが「終電あるから帰っていいですか」と言われ、無言になる。
愛ちゃん情報
山芋にはシュウ酸カルシウムの他にも、「アセチルコリン」という物質が入っていて、人によってはアレルギーのような症状を起こして、痛痒くなったり赤くなったりすることがある。
※1月22日のNHK「チコちゃんに叱られる!」より参照・参考
まとめ その他の疑問
最後に番組の最後に出ていた3人の山芋の食べ方を…。
・先生は「山芋のにんにくバター焼きにちょっと醤油をたらして食べる」のが好きだそう。
・チコちゃんは「青のりたっぷりの磯部揚げ」が好きだと言っていた。
・ディレクターは荒井さん宅で「自然薯汁」をごちそうになったそうだ。