トイレットーペーパー、うちは「ダブル派」だ。
でも「なぜシングルとダブルがあるのか」なんて…
もちろん考えたことはない!
12月21日の「チコちゃんに叱られる!」は「年末拡大スペシャル」。ゲストは、陣内孝則、河北麻友子、高橋ひとみの3人。3つ目の問題は「トイレットペーパー」について、だ。
なぜトイレットペーパーにシングルとダブルがあるのか?
「トイレットペーパーはシングル派ダブル派?」とチコちゃんが岡村に唐突に聞く。
岡村はトイレットペーパーを巻き込むしぐさをしながら「シングルかな~」と答える。
するとチコちゃん「じゃあさ、何でトイレットペーパーにダブルとシングルがあるの?」と聞く。
岡村は「…女性と男性で違う。女性はつめが長かったりするのでシングルだとすぐ破けてしまう」と答えるが「ぼーっと生きてんじゃねーよ!」と怒られる。
トイレットペーパーにはシングル(紙が一枚)ダブル(紙が2枚に重なっている)のものがある。
◯チコちゃんの答え
⇒トイレットペーパーにシングルとダブルがあるのは、業者さんは本当はダブルにしたいけど根強いシングルファンがいるから
それを聞いた岡村「NGK(なんばグランド花月)のトイレといっしょだ。和式残ってるのは、師匠(田中ボタン)が洋式ではようしないからでしょ?」と言う。
チコちゃんは笑いながら「それはどうなのかな?私…」と答えをはぐらかした。
そもそもトイレットペーパーはアメリカから入ってきた
紙製品の普及に努める「日本家庭紙工業会の元会長で、トイレットペーパー製造会社の黒崎社長によれば…
「そもそも今私たちが使っているトイレットペーパーは、アメリカから日本に入ってきた」と言う。アメリカから伝わる前、おもに日本で使われていたのは「ちり紙」と言われる長方形の和紙だった。
太平洋戦争のあと、アメリカ軍がトイレットぺ-パーを持ち込み、洋式便器が普及するにつれて、徐々に日本の家庭でも使われるようになった。
60年代頃までシングルしかなかった。
そこへダブルのトイレットペーパーが登場した…。
トイレットペーパーの革命
当時、ダブルのトイレットペーパ―は「トイレットペーパーの革命」とも言われた。
実は、紙には必ず「表と裏」があり、表面はツルツルとして肌触りが良く裏面はザラザラとしている。
◯シングルの場合
表面が肌に触れるとは限らず、必ずしも使い心地は良くない。それを解決したのがダブルのトイレットペーパー。
◯ダブルの場合
・裏面同士を合わせるため、つるつるした表面だけが肌に触れ、とても評判が良かった。
・紙と紙の間に空気が入るのでフワッと柔らかい仕上がりになる。
黒崎社長は「ダブルのトイレットペーパーは非常に革命的だった」と言う。
NHK「たぶんこうだったんじゃないか劇場」
しかし…
ダブルのトイレットペーパーの登場が新たな葛藤を生む…という事で番組ではおなじみの「NHKたぶんこうだったんじゃないか劇場」が始まった。
◯タイトル:シングルとダブルの間
トイレットペーパー製造会社の社長役は、お馴染みの鶴見慎吾。社員にこれまたお馴染のつぶやきシローが扮した。
社長と社員の二人はダブルのトイレットペーパーを顔に当てて、肌触りの良さを喜んでいる。
社員は、ダブルの売り上げがいいので、シングルはやめてダブルだけを作ることを社長に提案する。「確かに…シングルはダブルよりコストもかかるし」と社長も言う。
シングルにかかるコストはダブルよりも高い
現在売られているトイレットペーパーは、(例えば)シングル「60m」とダブル「30m(紙を重ねているので長さは半分)」で、どちらも同じ値段で販売されていることが多い。
ダブルの方が手間がかかってコストもかかる、と思われるが、実はシングルの方が多くかかっているそうだ。
ダブルよりもシングルの方が…
・紙自体が分厚い。
(ダブルより)60mのシングルと30mのダブルでは、シングルの方が材料となる紙の量が多く使われている
・作業時間が長い
紙を多く巻く時間、紙を乾燥させる時間が長くなり、その結果、電気代や製造コストも高くなる
コストが高いシングルを作り続けるべきか、業界関係者は苦悩していた、という。
「シングルを無くしてダブルだけにするべきか…」と悩む社長。「でも社長、シングルの方がいいという客もいる」と社員が言う。
トイレ一回分の平均使用量
ある調査によれば、トイレ一回分の平均使用量(大の場合)は…
・1ロール60m(シングル)の場合…一回の平均使用量は1.77mで「約33回分」
・1ロール30m(ダブル)の場合…一回の平均使用量は1.46mで「約21回分」
⇒シングルの方が12回分多く使える(1.6倍長持ち)。
シングル派とダブル派
シングル派とダブル派の全国アンケートでは…
◯全国では
ダブル派:55.1% シングル派:44.9%
◯関西地方では
・大阪のシングル派:50.2%
・京都はシングル派:57.1%
・奈良県のシングル派:85.7%
…という結果に。
関西の人は、何故シングル方が好きなのか…社員が「ケチなんですかね?」と言うと社長は「…倹約を美徳と考えていらっしゃる、と言いなさい。」と言う。
「関西では長持ちするシングルの方がお得と思っている客が多いと思う」と黒崎社長は言う。
商業施設や学校などのトイレでは「どんな人がどの程度トイレットペーパーを使うか分からないので長持ちしやすいシングルであれば交換する回数が少なくて済む」のでシングルが多く使われている、そうだ。
社員が「シングルはコストがかかるので、止めましょう!」と言うが社長は却下、シングルを愛用している人のために製造を続けることに決めた。
番組ナレーションは「(非常に大胆なことを申し上げれば)奈良県民のためにシングルを作り続けることを決めたのです」と締める。
スタッフが黒崎社長は「どうしてシングルとダブルの値段を同じにしていのるか」と尋ねる「わかりません!」と即答。「お客様の事を思って?」と聞くと「そうだね、今までやっちゃったからね」と答えていた。
ダブルはシングルの半分の量で綺麗に拭き取れるのでシングルを使うような量では、使わないでください。(黒崎社長より)
まとめ
見た目は「ダブルの方がコスト高そう」と思うが、意外なことにシングルの方がコストがかかっているとは…
さらに、全国的には、ダブル派が多いのに関西(大阪や京都や奈良)に限って言えばシングル派が多いというも、ちょっと驚いた。
VTRが終わると、高橋が「見栄でダブルを買っていたがシングルの方が高いとわかったらシングルでもいいなって…」と言うと笑いが起こる。
さらに陣内が「今のVTR見てね、鶴見慎吾が新境地を開いたなって思って…」と言うとチコちゃんが「そうなのよ、すごい協力いただいてるの。あのコンビは色んな役をしてくださるのよ。」と言う。すると陣内は「やっぱり仕事は選んじゃダメだな~」と悔しがった。
俳優は見るとこが違うんだな、と改めて思った。
※12月21日「チコちゃんに叱られる」より参照・抜粋