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なんで虫は小さいの?人間は一軒家、虫は犬小屋…この違いがヒント!

チコちゃんに叱られる

9月5日放送の「チコちゃんに叱られる!」の2つ目の問題は「虫」について。

例えば「虫」か「虫でない」かの違いを聞かれたら、あなたは何と答えるだろうか…

今回の先生は「…建物に置きかえて考えてみると、人間は一軒家、虫は犬小屋…」と教えてくれた。
なるほど…と思った。

なんで虫は小さいの?

チコちゃんが「この中(岡村隆史とゲストの藤田二コルと伊沢拓司)で、一番自然が大好きな素敵な大人」と聞くと岡村が立候補。

チコちゃんが「…なんで虫は小さいの?」と聞く。

岡村は「虫が巨大やったらそんな気持ち悪いことないから。逆に小さくなったんやん。昔は大きかったかもしれん。住居やら建ってきて、食べるもんが少なくなって、人間が小さくしていった」と答える。

だが「歴史上、そういう資料見たことある?」と聞かれ「無いです」というと「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と言われてしまう。

さらにチコちゃんは、伊沢にも聞いてみる。
伊沢は「…昔々、メガネウラというメチャクチャでかいトンボがいた。つまり、昔は地球の酸素が濃くて…だから血管の構造が単純な昆虫でも大きくなりやすかったのか…今はそれを得られないから、ちっちゃくならざるをえなかった…」と答えたが…

〇チコちゃんの答え
⇒虫が小さいのは骨も肺もないから

(伊沢の答え、違ってた…)

虫が小さい2つの理由

詳しく教えてくれるのは、昆虫の進化や生活を研究している千葉大学大学院園芸学研究科応用昆虫学研究室の野村昌史教授。

先生は「私たちが普段目にする虫は、大きくてもせいぜい10㎝程度のものがほとんど。哺乳類など、他の動物と比べてこんなにも虫が小さいのは、大きく分けて2つの理由があると考えられる」という。

虫が小さい理由1「外骨格」

体の中に骨がないこと。

実は虫の体内には人間のように体を支える骨がない。
その代わりに虫の体を支えているのが、体を覆う硬い皮。
この硬い皮の事を「外骨格」という。

先生は、この外骨格が骨の代わりに身体を支えているが、同時に虫が大きくなれない原因でもある、という。

体内に骨を持つ人間と外骨格しか持たない虫を、建物に置きかえて考えてみると…

人間は内部に骨という柱を持つ一軒家。
逆に虫は、内部に柱を持たない壁だけの犬小屋のようなもの。

小さい犬小屋なら柱はいらないが、大きな家を作る時には支えとなる柱が必要。

逆に柱を持たない犬小屋が大きくなってしまうと、その重さに耐えられず、犬小屋はつぶれてしまう。

つまり…内部に柱を持たない虫は、あまりに体が大きくなると外骨格だけでその重さを支えきれなくなる。

このように、虫が小さい一つ目の理由は、体を支える骨がない事。

虫が小さい理由2「肺がない」

もう一つの理由が「虫には肺がない」ということ。

人間の体内には、口や鼻から吸い込んだ酸素を、肺の中で血液に取り込み全身に送る、という肺呼吸が行われている。

虫の身体には肺がなく、全く別の呼吸方法で、全身に酸素を供給している。
それが「気管呼吸」という方法。

気管呼吸

多くの虫の身体には、気門という呼吸の為の穴がいくつも開いている。

そして、この気門とつながっている気管が(※画面にカブトムシのさなぎのCT画像が出る)体中をめぐる管を通して、体内に酸素をとりこんでいる。

しかしこの気管呼吸では、気門から徐々に酸素が入っていくだけで、人間のように酸素を強く吸い込んでいるわけではない。

小さい虫だったらそれでも大丈夫だが、体が大きくなると内部まで十分に酸素が届かない。

つまり、肺を持たない虫の呼吸方法では、体が大きくなった場合、十分な酸素を身体全体に行き渡らせることが出来なくなってしまう。

逆に今よりも酸素濃度が高い環境であれば、身体に入ってくる酸素が多くなり、虫の呼吸方法でも今より大きな身体を維持できる可能性がある。

酸素濃度1.5倍でトンボが15%大きくなった

実際にアリゾナ州立大学の研究室で酸素濃度を通常の1.5倍に設定した室内で、トンボを飼育したところなんと通常よりも15%大きく成長したトンボが誕生。

この結果を見ても、呼吸の仕組みが虫の身体が小さいことに大きく影響していることがわかる。
先生は「…酸素濃度が1.5倍というのは今からおよそ3億年前の地球とほぼ同じ環境で、この時代には、やはり今より巨大な虫が生息していた」という。

3億年前の昆虫「メガネウラ」

※そこで3億年前に生息していた巨大な昆虫「メガネウラ」の化石の写真が出る。
見た目がトンボそっくりのこの昆虫、現代のトンボと比較すると規格外の大きさ。
(並べて置いたシオカラトンボと比べてもかなり大きい)

羽を広げた横幅は、実に約70㎝にもおよび、史上最大の昆虫とも言われている。

そこで、番組では岡村と実際寸のメガネウラを合成してみた。
岡村のひとさし指の上に大きな「メガネウラ」が止まっている図。
(「…こんな感じ、やっぱりちょっと怖いですね」というナレーションが入る)。

「虫は小さいのに限りますね」とスタッフが言うと、先生は「本当にそれはそうなんですよ。小ささの原因になっている外骨格は、同時に身を守る硬い盾にもなっている。気管呼吸も体が小さい虫に限って言えば、体を動かすのに欠かせない酸素を全身から吸収できるっていう優れたしくみなんですよね。これによって虫のパワフルな動きが生まれている」という。

愛ちゃん情報

エビやカニなどの身体を覆っているのも外骨格。
先生によれば「イセエビやズワイガニなど体が大きいのは、水の中で生活しているために浮力によって外骨格で支える重さが軽減されるから」と考えられているそうだ。

ちなみに「メガネウラ」はトンボじゃないらしい。

※9月5日の「チコちゃんに叱られる!」参考・参照

まとめ

スタッフが「先生が一番好きな虫って何なんですか?」と聞く。

「僕が一番好きなのはカマキリなんですけど、特に捕食シーンがカッコよくて好き。小学校の時30匹飼っていて、餌となるバッタを探しに毎日野原を駆け回っていたが、母に『カマキリは10匹までにしなさい』と怒られた。子供ながらに10匹ならいいんだという風にすごく驚いた」と言っていた。

…虫が嫌いな母親なら、カマキリが一匹いても嫌がりそうなものだが、10匹と言ってくれたからこそ、今の先生があるんだなと、つくづく思った。親の育て方(考え方)は、子供にとってかなり重要かもしれない。

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