どれだけ長くてもストローでジュースは飲めるのか?
…という疑問を持ったことがあれば、その答え、気になるよね。
水の表面にかかる大気圧は1気圧。
この1気圧で押し上げられる水の高さの限界は物理学的に言うと10mほど、なので…
⇒答え:ジュースの場合は水よりちょっと重いので9m?ぐらい。
なんで、ストローでジュースが飲めるの?
チコちゃんが「この中(岡村隆史、とゲストの夏木マリ、小林よしひさ)で一番、ジュースが好きでたまらない素敵な大人ってだあれ?」と聞く。この問題は岡村が立候補した。
「ジュースを飲む時、なにで飲む?」と聞かれた岡村「ストローを使う」と答える。すると、チコちゃんが「…なんで、ストローでジュースが飲めるの?」と聞く。
岡村は「それは…両方、穴空いてるじゃない…吸うとそのままストローを伝わって、そのまま入ってきますから…ジュースじゃなくても…液体はそうですから…吸う事によって液体が縮まる(チコちゃん「誰によって?」と聞く)私によって…」と勢いで答える。だが「ぼーっと生きてんじゃねーよ!」と言われてしまう。
〇チコちゃんの答え
⇒ストローでジュースが飲めるのはジュースが大気圧で押されているから。
詳しく教えてくれるのは…東京理科大学理学部物理学科の川村康文教授。
大気圧で押されているから…
「ストローでジュースが飲めるのはジュースが大気圧で押されているからなんですね。」と先生。
それを聞いたスタッフが「吸うからじゃないんですか?」と聞くと「もちろん吸わないと話にならないんですけどね。それはあくまでもきっかけ。重要なのは吸引力じゃなくて大気圧の働きなんですね」という。
大気圧とは、空気の重さによって生じる空気の圧力の事。
私たち人間も空気に押されて圧力を受けている。
ストローでジュースが飲めるしくみとは
「大気圧がどうなっているかというと、水面に全て等しくなるようにかかっていて…ストローの中の水面にも同じ大きさの大気圧がかかっている」と先生。
この時、ストローの中と外で水面の高さが同じなのは、かかっている大気圧の大きさが同じだから。
ストローでジュースを吸うという事は…
しかし、ストローでジュースを吸う事によってこのバランスは一気に崩れていく。
ストローでジュースを吸うという事は、ストローの中の空気を吸う事になる。
そうするとストローの中の空気の量が少なくなって結果、圧力は小さくなる。
これに対しジュースの表面を押す大気圧の力は同じ大きさのまま。
こうして生まれた大気圧の力の差によって、ジュースの表面にかかる大気圧がストロー内のジュースを押し上げるという仕組み。
つまり、私たちはジュースそのものを吸っているように感じているが、ストローの中の空気を吸う事でストローの中の圧力の大きさを調節してジュースを飲んでいるという訳だ。
大気圧は上からだけでなくあらゆる方向からかかっている
実は大気圧は上からだけでなくあらゆる方向からかかっている。
例えば、ジュースに差し込んだストローの口を押えたまま引き上げた時、ジュースがストローの中にとどまっている、というもの。
この時、ジュースが落ちてこないのは、大気圧が下からジュースを押しているから。
つまり、ストロー内の気圧と、ジュースの重さの合計が、下からかかる大気圧とちょうど釣り合っている状態だからジュースは落ちてこない。
どれだけ長くてもストローでジュースは飲めるのか?
「吸う力が全てではないという事は、どれだけ長くてもストローでジュースは飲めるのではないですか?」とスタッフが聞くと先生は「やってきたらどうですか?ストローの中の空気をいかに減らすか、これが重要なポイントだと思います」という。
という事で…
スタッフは誰も使わない階段を使って1mずつ高さを変えて下のジュースを飲む実験をした。
高さがわかりやすいように対象になる高さの標準物も表示した。
〇高さ1m…二宮金次郎像とほぼ同じ高さ
⇒難なくクリア
〇2m 渋谷のモヤイ像
⇒クリア 頑張って何度も吸わないとジュースが上がってこない(ストローが長くなれば長くなるほど吸わなければならない空気の量が増えるから)
〇3m 黄金像の織田信長⇒クリア
〇4m 伊達政宗騎馬像⇒クリア
〇5m ねぶた⇒クリア
〇6m モアイ像⇒何とかクリア
〇7m ラムセス2世の立像:エジプト
ここにきて初めてジュースが上がらなくなった
しかし…1分20秒の死闘の末、クリア
〇8m マーライオン:シンガポール
⇒ここでギブアップ(その他のスタッフも挑戦するが誰も吸えなかった)
1気圧で押し上げられる水の高さの限界は10m
この事を先生に報告すると…「水の表面にかかる大気圧は1気圧。この1気圧で押し上げられる水の高さの限界は物理学的に言うと10mほどになる」という。
私たちが地上付近にいる時に受けている圧力は1気圧。
実は1気圧という力でストロー内の水を押し上げられる高さの限界がおよそ10mだという事がわかっている。
どういうことかというと…
ストロー内の空気を吸って気圧を下げることで水が上がっていくが、ストロー内の空気が無くなって0気圧になるとこれ以上、気圧は下がらない。水もこれ以上は上がらない⇒この時の水の高さがおよそ10m(ということになる)。
「ジュースの場合は水よりちょっと重い。なので9mぐらいかなと思うんですけどねでも8mしか上がらなかったという事は人の疲れとかそういう事もあったのではないかなと思う」と話す。
「高さの限界をご存じなら最初に教えて頂けると…」とスタッフが言うと「それはちょっと虫がいい。ストローで吸うだけの実験だったかもしれないけど、自分が汗をかいてやってみないとわからないですね。若いんだからトライしてみて欲しいと思うわけです」と答えた。
愛ちゃん情報
SDGs(国連サミットで採択された目標)は、近年深刻化しているプラスチックごみによる環境問題に取り組んでいる。その一環として木製のストローを開発されて、多くの飲食店で使用されている、ということだった。
※7月18日「チコちゃんに叱られる!」参照・抜粋
まとめ
今回は物理の問題。
ただ単に「ストローで吸ったから、ジュースが飲めている」と思ったら実は気圧が関係していた、ということに、ちょっと不思議な感覚を覚えた。
…ということは無重力の宇宙ではストローを使う意味がない?
…いや難しいことは考えないようにしよう^^;。