「シルエット」とは輪郭線の中を黒く塗りつぶした影絵の事。
今回は「漫画フランス昔ばなし」(ナレーション:清水ミチコ)でこの語源を説明してくれた。
相変わらず清水ミチコのナレーションは面白い!
シルエットはなんでシルエットっていうの?
「この中(岡村隆史・長谷川博己・門脇麦・堺正章)で芸術がわかる素敵な大人」という事で回答者に堺が指名される。
チコちゃんが堺に「シルエットはなんでシルエットっていうの?」と聞く。
堺が答えると…チコちゃんが「つまんねー奴だな―」(正解!)という。
さらに、紙を切っておよそ50年、切った枚数は8万枚以上の紙切りの第一人者、林家正楽にも聞いてみると…さすが!正解だった。
〇チコちゃんの答え
⇒シルエットはシルエットさん
シルエット(影絵)を考えた人がシルエットさん
詳しく教えてくれるのは、西洋美術史に詳しい日本大学芸術学部講師木村三郎さん。
先生は「シルエットというのは輪郭線の中を黒く塗りつぶした影絵の事を意味している。18世紀のフランスの政治家エティエンヌ・シルエットという人物の名前から生まれた言葉」だという。
「シルエット」誕生物語
ここで「漫画フランス昔ばなし」が始まる。
(「日本昔ばなし」演奏:シャンソンバンド、ナレーション:清水ミチコ、作画:遊佐かずしげ)
『シルエット物語』
昔々(18世紀)フランスが長い戦争をしていた頃、国王ルイ15世は、戦争にお金をたくさん使ってしまい財政難に苦しんでおったそうじゃ。
さらに悩みの種だったのが国王の愛人ポンパドール婦人。贅沢好きの彼女はいくら国王が頼んでも無駄遣いをやめんかった。「何であたくしが節約しなければいけないのかしら?だったら国の財政を立て直すべきですね」(デヴィ婦人の真似で)
そこでポンパドール婦人は大のお気に入りだったシルエットという男を財務大臣にするよう国王に頼んだ。「かしこまりました。私が何とかしてみせましょう」このシルエット、かなりの切れ者として有名だった。
さっそくシルエットは、好き放題お金を使っていた貴族たちにこう言った。「これからは貴族のみなさんにも税金を払ってもらいます」というと「黙れ小僧!そんなことを誰が許すものか!」(美輪明宏の物まねで)。
「それからボンパドール夫人、あなたの贅沢も許しません」というと「あーた、本気でおっしゃってるの?話が違いますね。頭おかしいんじゃないの?」言われる。
「お断りだ!」とポンパドール婦人と貴族たちが猛反対。
そこでシルエットは国民からもっと税金を取ろうと考えた。とは言え既に国民から税金を取っていたため、なんという名目で取っていいものかシルエットは悩んだ。
「困った、困った…空気はみんな吸っている。これで税金を取ればいいのか!」。
なんとシルエットは空気税なるものを提案。しかし…「ふざけるな!そんなの絶対反対だ!」(えなりかずきの物まねで)と国民たちにも反対され、またもや失敗。
それも国から支払われたお金で書いてもらっていたのじゃ。
「あんなカラフルで豪華な絵はお金がかかって当然。そうだ貴族たちの肖像画は高価な絵の具を使わず、黒一色で塗りつぶしたものにしなさい」。シルエットは黒一色ならお金がかからないと考えた。その時描かれたのが影みたいな絵じゃった。しかし…「こんなの美しくない私たちが求めているのは美しさ、反対。絶対反対!あなたは今すぐおやめになるべきね、ごきげんよう」と言われ…こうしてシルエットは何もできないまま(約9ヶ月で)首になってしまったそうな。この時宮廷を去る彼の疲れ果てた姿が正に影絵の様だったことから、いつしか黒一色で描かれた絵の事を「シルエット」と呼ぶようになったのじゃった。
シルエットさんは首になったが、黒く塗りつぶされた絵は残り…
4年後には「シルエット(影絵)」という言葉は、はっきりと誕生することになった。
その後18世紀後半には、このシルエットと呼ばれる肖像がフランスの庶民の間にも浸透し、やがてヨーロッパ中に広がった。
※黒く塗りつぶした絵や影・輪郭などシルエットと呼ぶ由来には諸説ある
まとめ
堺に正解を言われてちょっと悔しいチコちゃんから漢字問題が出された。
問題は「もち」。
長谷川だけが「餅」と書いて正解だった。
それにしても、シルエットが名前だとは思いもよらなかった。
そして、相変わらず清水ミチコさんのナレーションは面白い。モノマネのバリエーションが多いため今回も「ポンパドール婦人」をデヴィ婦人、「貴族」を美輪明宏、「国民」をえなりかずきの声でやるので、わかりやすい。
さらに、バックバンドの一人が突然こっちに向かって「あなた切れ者と言われている男がほんとに切れているところを見たことがありますか?私はありません」と、言われれば「確かに…」とうなずいてしまう一言もいい。
※1月3日「チコちゃんに叱られる!」より参照・抜粋