「…接着剤はみんな液体ですよね」
…と言われてはじめて“あ、そういえば、液体以外って見たことないかも…”と思った。
接着剤はなんでくっつくの?
9月13日の「チコちゃんに叱られる!」3つ目の問題は「接着剤」について。
「この中(岡村隆史・増田明美・Hey! Say! JUMP八乙女 光)で一番手先が器用な素敵な大人ってだあれ?」と聞かれると「俺、行きます!」と岡村。
「プラモデルとか結構作ります」というと「(プラモデルっていう事は接着剤、物と物をくっつける時に使うが)…接着剤はなんでくっつくの?」とチコちゃんに聞かれる。
岡村が「くっつくように作ったからね。これとこれくっつけれたらええのになって思った人が、何とかこういういろんな物質集めて…なんでってチコちゃん言うけど、それを作ったんだもん!」と言い切ると、やっぱり「ぼーっと生きてんじゃねーよ!」と言われてしまう。
◯チコちゃんの答え
⇒接着剤がくっつくのは濡れるから
濡れるからくっつく
詳しく教えてくれるのは日本接着剤工業会の秋本雅人さん。
「皆さん、思い出していただくとわかるんですけど、接着剤ってみんな液体ですよね。…物と物の中(間)に液体を付けることで、液体が濡れてくれて初めて接着するんです」という。
接着剤がくっつく原理とは?
ガラスの板を2枚用意する。
乾いた状態で重ね合わせてもくっつかないが、ガラスに水を1滴たらした後、同じように重ね合わせると…ガラスはくっついて持ち上がった。
水をかけただけでガラスがくっついた。
「これが接着剤がくっつく原理。物がくっつくためには物の隙間を埋めなくてはならない。水がそれを手助けしてくれる」という。
ガラスは一見ツルツルに見えるが、顕微鏡で見てみるとその表面にはたくさんの凹凸があり、この状態のままガラスを合わせるとガラスの間は隙間だらけ。
ところがガラスを水でぬらすと表面の凹凸に水が入りこみ、すきまが埋まる。
「この時、(水とガラスの隙間が埋まった瞬間に)電気の力が働いてくっつく」と秋本さんがいう。
電気の力でくっつくメカニズム
水を垂らしただけなのに、電気の力でくっつく…そのメカニズムとは?
・人間を含め、この世の全てのものは、分子というとても小さな物質からできている。
・そしてすべての分子はプラスとマイナスの電荷(ごくわずかな電気)を持っている。
・分子同士が近づくと+と-の電荷が引き合って、物と物との間に引っ張り合う力が生まれる。
この力を「ファンデルワールス力」という。
ファンデルワールス力を発揮するためには?
ファンデルワールス力を発揮するためには、とにかくすーっごく近づくこと。
分子と分子が髪の毛の10万分の1ぐらい近い所まで近づく(水で隙間を埋める)ことで初めてファンデルワールス力が働いて強い力で引っ張られることになりガラス同士がくっつく。
つまり…
濡れることで液体である接着剤が物と物の隙間を埋め、お互いがすごく近づくことが大切。だから接着剤がくっつくのは濡れたからといえる。
接着剤は時間が経つと個体になる
水だけでも物をくっつけることはできるが(水は)動くので、付いているが滑らせると簡単に取れてしまう。
だから、その後、固まるようにしているのが接着剤。
接着剤は時間が経つと個体になる。
固まることで分子同士が近い状態が固定されるので物をくっつけ続けることができる。
最強の接着剤
接着剤業界で今注目されている最強の接着剤があるという。
最強の接着剤とは、SGA(セカンドジェネレーションアクリリック)という名前の接着剤。
この接着剤こそ現在最強工業用接着剤(特に金属の接着が得意)。
硬く固まる樹脂とゴムの成分の両方を含んでいるので、固まったあと様々な方向の力に耐えられるという。
最強の接着剤の強さを実験してみる
最強の接着剤の強さとはどれほどのものなのか、実験してみた。
実験器具…使用する部品にSGAを付けて(その量、たった2g)接着し、鉄パイプをはめた物
誰かにぶら下がってもらえるとこの強さがわかる…という事で、カメラを持っていたディレクター(コクの取材の時のディレクター、体重は92㎏)に白羽の矢が立った。
たった2gの接着剤で支えられるのか?
…という事で、ぶら下がったがびくともしなかった。
接着剤実験 第2弾
特性ブランコを作る
・0.5gのSGAでプレート同士をしっかりと接着しくっつける。
・そのプレートにブランコを設置。
このブランコに92㎏のスタッフと102㎏の工場スタッフ、2人が乗る(合計200㎏)。
0.5gの接着剤が男性2人200㎏の重さがかかっても、プレートはくっつき続けるか…
ぶらんこを上に上げる(2人の足が浮く)。
プレートもくっつき続けている。
さらにこの状態で10分間キープできた。
…理論上(この接着剤は)推定10分以上もち上げられるそうだ。
愛ちゃん情報
接着剤はくっつけるために、他の部品が必要ないというメリットから様々なものに使われている。
例えば、車・新幹線・飛行機などの内装や外装。
・車(フロントガラスの接合部分)
・新幹線(車両間の接合部分)
・飛行機(旅客機のつばさの接合部分)
交通系ICカードも2枚のプラスチックの板の間にICチップを挟んでてそれぞれ接着剤でくっつけている。
※9月13日の「チコちゃんに叱られる」参考・参照
まとめ
岡村も言っていたが、グラスを持ち上げた時くっついてくるコースターがある。
あれがファンデルワース力か。
でも、すぐ落ちるから、ちょっと恥ずかしいんだよな…。
その他の疑問
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