さようなら…
いつも「挨拶の言葉」として使っているので…(挨拶言葉の品詞が何なのかわからないが)接続詞と言われてもピンとこなかった。でも確かに「さよう」「なら(ば)」と分ければ、なんとなくわかる言葉に変わる…。
3月8日の「チコちゃんに叱られる!」。
ゲストは、初登場「まおまお」と呼ばれた優木まおみと、もはや誰もが認める?「オリジナルメンバー」のシティボーイズ、大竹まこと。
何で別れる時『さようなら』って言うの?
「お別れの時にしっかり挨拶ができる礼儀正しい大人ってだあれ?」と聞かれ、岡村が選んだのは大竹まこと。
チコちゃんに「サヨウナラの意味を教えて」と言われ考え込む大竹。岡村が「もしかして文章的に分けるかもわかりませんよ」と言うと、チコちゃんがちょっと反応する。
が、大竹「奈良(なら)から、さようなら」とギャグを言ってしまい、チコちゃんに「ぼーっと生きてんじゃねーよ!」と叱られる。
◯チコちゃんの答え
→別れる時にさようならって言うのは「これまではこうだったんだからそうであるならば、この後は…ね!」という意味が込められているから
思いがけない長い答えで、戸惑う三人。「もう一回言って」と優木が言う。
「さようなら」は世界でも珍しい言葉遣い
日本人の思想と日本語の研究をしている大学教授によれば…
そもそも日本語の「さようなら」と言う別れ言葉は、世界でも非常に珍しい言葉遣いだという。
世界の別れ言葉は大きく3つに分けられる
英語の場合…
◯good bye(god be with youの短縮形)
直訳:「神は貴方と共に」神に相手の無事を願う別れ言葉
しばらく会えなくなる場面で使う
◯See you later
直訳:また会いましょう
再会を願う別れ言葉
◯Farewell
直訳:うまくやっていってください
卒業などで使われる
相手の健康を気遣う別れ言葉
このように、英語以外でもスペイン語・フランス語・ドイツ語・中国語など「神に願う」「再会を願う」「健康を願う」のいずれかに当てはまる別れ言葉が多い。
先生は、日本語の「さようなら」は、このどれにも属さない、独自の別れ言葉だというのだ。
さらば=さようであるならば
もともと「さようなら」と言う言葉は「さようであるならば」という意味の「さらば」「さようならば」という接続詞。
先生によれば…
平安時代初期の物語「竹取物語」に
さらば…「そういう事であるならば」
いかがせむ…「しかたありません」
困難なものであっても…「難しい事であっても」
仰せに言に従ひて…「ご命令に従って」
という文章があり、この場合の「さらば」は、前を受けて後ろの文章につなげるための純粋な接続詞。この接続詞が別れを多く含んだシーンに多く使われていた。
「さらば」「さようならば」=「さようなら」(別れ)になった理由
同じ時代の「源氏物語」にも
など、言ひおどして…「と言われ」
『さらば…「そういう事であるならば」
今日こそはかぎりなめれ』…「今日でお別れです」
とあり、この接続詞の「さらば」は、別れを意味する文章の前で使われている。
このように別れを含んだ表現の中でも多く使われるようになってきて「さらば」「さようならば」=別れ、というイメージが出来上がってきた。
さらに、接続詞「さらば」「さようならば」の後ろにある別れの意味を含む文章「今日でお別れです」が省略され、後に続く言葉がなくなり「ば」も省略され→「さようなら」となった。
日本人は「別れ」をいったん立ち止まり、確認して、そしてその次に進む節目と考えていた。「さようなら」という接続詞そのものが、いろんな意味を含む「別れ言葉」になった。
「さようなら」の意味は使う場面で変化する
さようならは使う場面でいろんな意味に変化する、という。
番組では、その例を3つ、先生の解説付きであげた。
~校長先生の「さようなら」~「今日も一緒に楽しく過ごせましたよね。そうであるならば明日も元気に来るんだよ。」
~熟年離婚の「さようなら」~「いやいや何とかやってきたけれどもあなたは全く変わろうとしなかった。そうであるならば明日からはそれぞれに人生を楽しんでいきましょう。」
~ホステスの「(お身体気を付けてください。)さようなら」~「今日もいっぱいお金を使ってくれて、ありがとう。そうであるならばまた一杯稼いで遊びに来てくださいね」
このように「さようなら」には、多様性がある。
なぜ日本人は意味のない接続詞を別れ言葉として使っているのか
「それは、日本の忖度文化ということ。日本人ははっきりとしないで状況を察しあう。そうした了解の仕方を良しとする傾向がある」と先生は言う。
ホステスさんの「さようなら」の場合「お金を使ってくれてありがとう。そうであるならば…ね!」というように、全てを言葉に出さなない、はっきり言わないことを良しとする文化が日本にある。
「さようなら」という言葉の大事な意味は、これまでを確認してさようであるならば、この先も大丈夫、という祈りや願いに繋がっているという。
ゲスト紹介とからみ
チコちゃんが「お別れの時にしっかり挨拶ができる礼儀正しい大人ってだあれ?」と岡村に聞く。
岡村が、ゲスト二人に目をやると、自分ではないと思った大竹がイスに座る。すると岡村「指示があるまで座らないでください」と注意する。大竹は「今のは俺じゃないだろう」と言うが、岡村はそれを聞いて「じゃぁ大竹さんで行きましょう」わざと大竹を指名した。
チコちゃんが「人と別れる時なんていうの?」と大竹に聞く。大竹は「さようなら、だろ、普通」と答えるが、さらに「何で別れる時『さようなら』って言うの?」と聞かれ…大竹はちょっと間をおいて「なんだと!?」とつぶやいた。
まとめ
大竹がこの番組に出ると、チコちゃんとの絡みが面白いので楽しくなる。
今回も大竹の第一声が「おまえ、この間天ぷら屋で会ったな」だった。
チコちゃんは、それに対抗し「知り合いのおじさんが言ってた。大竹まことが来て、天ぷら屋なのに肉食べて帰っちゃったの、この人変な人」と誤魔化す。
すると大竹は「お前奥さん連れてたじゃないか」と暴露。
優木が笑いながら「え~?」という。
さすがにチコちゃん怒った顔で「何言ってんのあんた。それはおじさんなの!」と言い、岡村も笑顔で「裏、言わないでください!」と大竹にくぎを刺した。
※3月8日放送「チコちゃんに叱られる!」参考・参照
大竹の、時には半ギレし、忖度なく、正直なコメントが、この番組に合ってると思う。出演回数も多いし、この番組が毎週放送することになって最初のゲストでもある。ゆえに「オリジナルメンバー」(笑)か。納得だ。