なんで「おにぎりは三角」なのか…
昔は母が握ってくれたおにぎりは、饅頭のような形だった。
だが、確かに今、おにぎり、と言えば「三角」というイメージが強い。
「三角のおにぎりが握れない」という人もいるのもちょっと気になるが、確かに、何故三角なのだろう?
5月11日の「チコちゃんに叱られる!」。
今回のゲストは千葉雄大と若村麻由美、どちらも初登場だ。
チコちゃんが「この中(岡村隆史・若村麻由美・千葉雄大)で、一番天気のいい日にピクニックに行きそうな素敵な大人ってだあれ?」というと若村と岡村が千葉を見る。
その視線に答えるように千葉も「僕でしょうかね」という。
なんでおにぎりは三角なの?
チコちゃん「ピクニックにはどんな弁当を持っていく?」
千葉「おにぎりとか?」
チコちゃん「あれってどんな形してる?
千葉「三角形です。」
チコちゃん「なんでおにぎりは三角なの?」
千葉は、おにぎりを握る手ぶりをしながらいくつか答を出す。岡村のツッコミも入り、結局は「最初に作った人が、私は三角じゃなきゃ嫌だ、というちょっと頑固な人だった」と答えたが、とうとうチコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と言われてしまった。
◯チコちゃんの答え
⇒おにぎりが三角なのは、神様が宿りやすいから
それを聞いた岡村「いや~もう絶対、無理なやつね」という。(考えても絶対出てこない難しい答えだった、ということらしい)
古代は今以上に「形」を重要視していた
詳しく教えてくれるのは、お馴染み(この番組で日本の食、と言えばこの方)食文化史研究家の永山久夫さん。
先生によれば「日本のおにぎりの文化はふるく、古代は今以上に形を重要視していた」という。
日本最古のおにぎり
昭和62年、石川県杉谷チャノバタケ遺跡で弥生時代中期のおにぎりが発見された。
原型を保って発見された現存する日本最古(約2000年前)のそのおにぎりは、現在のものよりもさらに鋭い三角形をしていた。
「先端を尖らせて三角形にしたのはおにぎりが神様へのお供えものだったから」と先生。
まだ薬の無かった時代、人々はおにぎりなどを神に供え、それを口にすることで神の力を宿し、健康を保とうとしていた。
三角形にする必要があったのはなぜか
先生は「古代、神は雲の上にいて高いところに宿る、と考えられていた。しかし、高い所というのは山だった。つまりおにぎりを三角形にしたのは神が宿るとされる山の形を真似したから」という。
この習慣は現代にも受け継がれ、仏壇に供えるご飯やお正月の鏡餅なども山の形をイメージしていると言われている。
神様は三角、一般の人たちは丸
だが、三角形だったのは神様にお供えするおにぎりだけで、人々が日常的に食べていたのは、より簡単に作れる丸いものが多かった。
平安時代の書物「源氏物語」の一説には「屯食」という現代のおにぎりを指す言葉が出てくるという。この屯食の形は三角ではなく丸い卵型で、主に貴族の召使いが食べていた。
先生の推測によれば、丸い卵型にしたのは、神様と同じように三角形にしては申し訳ない、畏れ多いという気持ちがあったから。「神様は三角、一般の人たちは丸、という意識があった」という。
江戸時代には、限られた人しか自由に食べられなかったお米が庶民も食べられるようになり、次第に形に対するこだわりも薄れ、三角おにぎりも日常的に食べるようになっていった。
現代はなぜ三角が主流なのか
先生は「その背景にはコンビニの存在が大きかったと思う。コンビニが三角形のおにぎりを販売するようになって、全国的に一斉におにぎりは三角形になってしまうんですよね」
「コンビニが三角形を選んだのは、運搬や陳列の際に三角の方が安定するから。(丸だと転がってしまう)」という。
こうして、コンビニの普及に伴い、おにぎりの形も三角が主流になっていった。
先生の思い出のおにぎり
先生は現在85才。「子供の頃はコンビニも無く母親が作ってくれるおにぎりは三角ではなかった。丸くて真ん中にくぼみがあってそこに焼き味噌をのっけてくれた。学校から帰ってくると裏の畑から飛んできて握りたてを食べさせてくれた。しわだらけの手で握ってくれるおにぎりは温かみががあって深いうま味があった…美味かった」と懐かしそうに話す。
「焼き味噌」とは
「味噌焼き」をネットで調べたら「ネギをごま油で炒め、味噌を加えた」ものらしい。
確かに、田舎の母も作っていた。(VTRで見た焼き味噌は、ネギ入ってたかな?)
分量を聞いたら「適当」だそうだ。それでも無理やり聞いたら、こんな感じらしいことがわかった。
味噌と具材を練り合わせてから(へらにくっつけて)直火であぶる、という作り方もある(やってみたら焦げやすいので注意)。
まとめ
最初の問題が千葉に振られた。千葉は手ぶりをしながら一生懸命考える。最初に「どっからでも食べていい、みたいな…」と答えると、チコちゃんが「お、なるほどそれでいい?」と聞く。すると岡村が「雄大君、それ別に俵おむすびでもどっから食べてもいいんじゃない?」と突っ込んだ。
「ナイス!岡村」とチコちゃん。千葉はおにぎりを結ぶ手つきをしながら今度は「転がっていく歌あるじゃないですか。三角形の方が転がりやすい」と答える。チコちゃんは「三角形の方が転がりやすいかしら?」と聞くと、また岡村が「雄大君、俵おむすびも転がりやすいと思う」という。
結局千葉は3つ目の答えで叱られてしまったのだが、そのあとチコちゃんは岡村にも聞いた。
岡村は「…時間が経っても大丈夫なようになっているんですよ」と答えるが、チコちゃんに「岡村、それは俵型でもそうよ」と、言われてしまい…千葉に謝っていた(笑)。
※5月11日「チコちゃんに叱られる!」より抜粋・参照