スーパーで売っている鮭とサーモンの違い?
個人的には、鮭の種類の違いだと思っていたが、実は同じものらしい。
スーパーで売っている鮭とサーモンって何が違うの?
1月23日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」のゲストはEXILEの岩田 剛典(初登場)とアンミカ(2回目の登場で準レギュラー)。
最初の質問の回答者は「魚に目がない素敵な大人」という事で「私、魚釣りもやりますので」…と岡村が手を挙げた。(最初に岡村が回答者になるのは珍しい!)
そこでチコちゃんから出された問題は「スーパーで売っている鮭とサーモンって何が違うの?」だった。
岡村は「切り方!」と答えて(思い付きで答えたとチコちゃんにバレ…)「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と叱られる。
⇒チコちゃんの答え
スーパーで売っている鮭とサーモンの違いは…
・生で食べられるのがサーモン
・生で食べられないのが鮭
鮭が生で食べられない理由
詳しく教えてくれるのは、鮭やサーモンについて研究している鹿児島大学水産学部の佐野雅昭教授。
先生によれば…
鮭やサーモンに生物学的には区別がない(同じ魚である)。
・鮭=銀鮭、白鮭、紅鮭
・サーモン=あとレンティックサーモン、トラウトサーモン
全て同じサケ科(国産や輸入物と使い分けているわけではない)。
サーモンは養殖物で生で食べられるが、鮭と呼ばれる魚は天然物で生では食べられない、という。
その理由というのが…
天然物の鮭にはアニサキスなどの寄生虫がいる可能性がある
アニサキスとは…
魚介類を介して人に感染する寄生虫のこと。
人に感染すると胃や腸を噛み、早ければ数時間で腹痛、嘔吐の症状が出る。
熱処理をすれば死滅焼いたり、煮たりすれば問題はない。
天然の鮭の餌のプランクトンからアニサキスが寄生している可能性があるので、生のまま食べると人にも感染する可能性がある。
養殖のサーモンは…
養殖のサーモンは人工飼料の餌を食べるため、アニサキスに感染する可能性は、ほぼないので生で食べても問題はない。
ただ、この分類は日本だけのもので(日本のすし文化が影響していると思われる)、海外では特に区別はしていないのでどちらもサーモンと呼んでいる。
江戸時代は「鮭の塩焼き」が朝の定番だった
おもに北海道や東北地方で取られていた鮭が、江戸時代に海から故郷の川へ帰る習性を発見される。
江戸時代中期からは、その習性を利用して戻ってきた鮭を囲い、産卵期には漁を禁止して保護。
全国に出荷できる量の鮭を確保できるようになった。
そして生のままでは痛むので、保存がきく「塩漬けにした鮭」が全国に広まる。
江戸時代は食事が朝夕の2回。
朝食に量を多く食べる習慣があり、お米によく合う塩気のある食べ物が好まれ「鮭の塩焼き」が朝の定番となっていった。
だが昔、鮭は焼いて食べるもの生では食べないイメージが強かったため、長らくお寿司屋さんで扱われることはなかった。
生の鮭が食べられるようになったのは最近になってから
驚き!「スシくいねェ!」の歌詞には28種類のネタが出てくるが鮭は入っていない!?
あの有名なシブがき隊の歌「スシくいねェ!」には、何と28種類もの寿司ネタが歌詞に入っている。
が、なんとその中に鮭が(サーモンも)入っていない。(歌と歌詞が流れたが、確かに入っていなかった)
回転ずしの一番人気ネタであるサーモン(鮭)が入っていない…と今改めて聞くとちょっと驚きである。
※ちなみに、この曲は1986年(昭和61年)2月1日にレコード発売されている。
「サーモン」を日本に持ち込んだのは…
先生は「生の鮭が食べられるようになったのは、わりと最近」だという。
生で食べられる鮭を日本に持ち込んだのは、トロムソ大学経済学部研究員のビョーン・エイリック・オルセンさんというノルウェー人。
35年前、ノルウェーはサケが育ちやすい環境で、世界に先駆けて鮭の養殖に成功した。
そして1980年代、各国が養殖業に参加したため、市場の取り合いになり、新たな輸出先が必要となった。
ノルウェー政府は養殖鮭を日本に売るためオルセンさんを派遣した。
※スタッフが本人にコンタクトを取り、話を聞いた。
最初はなかなか売れなかった
オルセンさんによれば…
最初、高級寿司店に話を持って行った。
日本は寿司大国(生で魚が食べられる珍しい文化を持つ)ではあるものの
・天然の鮭は身の色が白っぽい
・生は食べられないという固定観念がある
という事で、なかなか受け入れられなかった。
だが、それから4年後、回転寿司店が普及し始める。
高級寿司店から回転ずし店に
オルセンさんは、その後…
身の色を改良し(エビやカニの含まれているアスタキサンチンを含んだ餌に変更して天然の鮭に近い色にする)、名前をサーモン(養殖と天然の区別をつけるため、生で食べられる鮭をサーモン)と名付けた。
そして、新しいメニュー開発に取り組んでいた回転すし店が養殖の鮭を受け入れた。
今ではトロサーモンサーモン漬けサーモンなど回転ずしには欠かせない定番目メニューになった。
法律で定められているわけではない
先生によれば「あくまでスーパーなどで売られている際の一般的な呼び名で法律で定められているわけではない」ので、購入時は生食用なのか加熱用なのかラベルを確認してほしいそうだ。
スタッフがオルセンさんに日本の人気寿司ランキング(回転ずし)でサーモンが9年連続1位だと伝えると「知らなかった、嬉しい。教えてくれてありがとう」と喜んでいた。
愛ちゃん情報
鮭として売っていても生で食べられる鮭もある。
それは、養殖物を鮭という名前で売っている。
これは、天然物を冷凍処理して(寄生虫を死滅させて)いるので、生で食べても問題はない。
(例えば)北海道のルイベは、生の鮭を冷凍(寄生虫を死滅させるほどの低温)処理している。
凍ったままあるいは、軽くあぶって食べる。
まとめ
ちなみに…ノルウェーから養殖の鮭(サーモン)を売りに来たオルセンさんの一番好きな寿司ネタはウニ、だそうだ(笑)。
1月23日NHK「チコちゃんに叱られる!」より参照・抜粋