ろくでなし！と言われたことはないが…
この「ろく」、「平ら」と言う意味と「石がゴロゴロしている」という真逆の意味があったというから、面白い。
さらに斜めにすることを「八百屋にする」というらしい。
ついでにこの説明も、欲しかった。
2月22日の「チコちゃんに叱られる！」3つめは視聴者数人から頂いた質問。
チコちゃんの「この中（岡村隆史・雛形あきこ・田中要次）で一番、昔はやんちゃしてたけど、今はステキな大人ってだあれ？」と言う質問にしばらく誰も声が出ない。結局「俺が行っていいですか？」と岡村。
岡村は、自分を「すごくまじめ」と言うが「この世界では割とほら、風雲児というか…」とチコちゃんがいう。
ろくでなしの『ろく』ってなあに？
「自分はろくでなしだと思う?」と聞くチコちゃんに岡村は、言葉を重ねるくらいの速さで「僕はろくでなしです！」ときっぱり答える。
そこでチコちゃん「ろくでなしの『ろく』ってなあに？」と聞く。
岡村は「さいころ…の6の目、なかなか出なし、ろくでなし！」と答えるが「ぼーっと生きてんじゃねーよ！」と言われる。「そりゃ、そーやろな」と岡村も納得。
◯チコちゃんの答え
⇒ろくでなしのろくはまっ平
「ろくでなし」とは
教えてくれるのはこの番組ではすっかりおなじみ（5度目の登場）の民俗学の視点から日本の文化を解き明かす研究者新谷教授。
教授は「ろくでなしは、一般的にまともじゃない人や道楽者などに対して使う。ろくを否定して悪い意味で『ろく・では・ない』という言い方をする。」と言う。
ろくを使うシーン
例えば、「ろく」を一般的に使うと…
・ろくに寝てない
・彼女とろくに話せない
・ろくなもんじゃねぇ
など。
「ろくで・なし」なので元々「ろく」には悪い意味がない。
辞書や文書などによれば…
戦国時代末期、ポルトガル人の宣教師がまとめた「日葡辞書」（日本語をポルトガル語に翻訳した辞書）に「ろくな」と言う言葉が出てくるそうだ。
これによれば「ろくな」の意味は「平坦なこと」。
使い方として「ろくな道は平らでなだらかな道」と書かれている。
建築業界では平らな事を「ろく」という
「ろく」を漢字で書くと「陸」になる。
今でも建築業界では水平、まっ平の意味でこの陸は使われている。
例えば、小学校の屋根とかは平ら。なので、平らな屋根を「陸屋根（ろくやね）」と言う。
さらに建築中の壁に横一線につけられた「陸墨（ろくずみ）」＝水平になっているこの線を基準にして建物を作っていくという。
この事からもわかるように、つまり「ろくでなし」は、平らじゃない、が転じて普通じゃない、まともじゃないという事を表わす意味になっていった。
陸（ろく）と碌（ろく）
辞書の「陸（ろく）」には、もう一つ漢字が載っている。
それが「碌（ろく）」。
もともと「ひらがなのろく」に「陸」という漢字をあてたものだが、この漢字の意味が全く逆。
「碌」＝石がごろごろしている
「碌」の意味は「石がごろごろしている」で、「平ら」とは正反対。
江戸時代中期よりも前の文献では、「ろく」を「陸のろく」を使っていたが、江戸中期以降、この「石へんのろく」が使われるようになった、という。
・1684年の書物「浮世好色二代男」では「いえのゆがみをろくに」と、ろくには「陸」が使われているが、
・江戸中期以降の書物「狂言 茸」では「ろくなことではござるまい」などと否定的な表現と共に「石へんの碌」が使われている。
教授は「おそらく『ろくでなし』や『ろくでもない』が流行言葉のように多く使われるようになって『ろくでなし』というの言葉自体の意味に合わせて、石がゴロゴロしている意味の漢字『碌』を当てはめたのではないか、考えられる」と言っていた。
確かに辞書には「碌」は当て字と書いてあった。
VTRを見終わった田中は「ろくと言う言葉を改めて知ったので撮影現場ではやらそうかな」と言った。そして「斜めにすることを八百屋にするというし…」とも言っていた。
「壁の画、ろくじゃねえな！」
「ろくになってねえんだよ！」
と、いつか使おうと思っているのか、田中は楽しそうだった。
※2月22日放送「チコちゃんに叱られる！」参照・参考
まとめ
なるほど…
その他の質問
