「そんなバナナ」とか「猫が風邪ひいて…ねこんじゃった」とか…
なんでおやじ(中高年)は「おやじギャグ」を言うのか…
それは「おやじの脳の暴走」だという。
脳科学で説明ができるおやじギャグのメカニズムに、ちょっと感動した。
11月2日の「チコちゃんに叱られる!」最初の問題は「おやじギャグ」についてだった。
ゲストは「梨乃ねえ」ことかたせ梨乃。
岡村やチコちゃんが彼女の衣装を見て「アニマルプリント」「スカーフに穴開けた」などと勝手なことを言う。
もう一人は「おぎやはぎ」の小木博明。
チコちゃんに「おぎやはぎ…おぎやはぎというコンビの先頭の方」と紹介されると小木は「縦に並んだことはないからわかんないけど…」と、もっともな事を言っていた。
なんでおやじは「おやじギャグ」を言うの?
「この中(岡村隆史・かたせ梨乃・小木博明)で、一番ユーモアのある素敵なおじさんて、だあれ?」ということで、おじさんは2人いたが、おじさん色のセーターを着た小木が指名される。
小木はチコちゃんに「おやじから『おやじギャグ』聞いたことある?」と聞かれ「ある!」と答えるが「どんなの?」と聞かれると考え込んでしまう。
待ちきれないチコちゃんが「猫がかぜひいて?…」と水を向けると小木は「ねころんじゃった?」と、やっと答える。
「じゃあさ、なんでおやじはさ、『おやじギャグ』を言うの?」
おぎは「え?」というものの「ダジャレ以外出てこないんだよね、おじさんてね」と言いながら、何か答えた。
すると…なんと「もうもう、ほぼほぼ、詰まんねー奴だわ」とチコちゃんが言う。
チコちゃんが「つまんねー奴」と言う時は、正解という事…小木は、ほぼ正解を言ってしまったようだ。なので(正解を出されて悔しい)チコちゃんから、漢字問題を出される。(漢字の話は後半で。)
「おやじギャグ」とは?…辞典(広辞苑)で調べると、「年配の男性が口にする、時代感覚からずれた冗談や洒落」と書いてあった。
新橋で聞いた「おやじギャグ」
スタッフが(おやじの聖地)新橋の居酒屋に行き、中高年3人と若者3人が同席しているところで話を聞く。
「年齢を当てたら1杯ごちそうしてくれるって…」とママがいうと…
中高年のおやじたちからギャグが次々と出てくる。
「1杯じゃダメだな、いっぱいじゃないと」
「座布団1枚!」
「あと3枚頂ければそれでしまい(4枚)にします」
「今、ぶっとんじゃったね。ざ ぶとん(座布団)!」
さらに「剣道やってるんですか? 面銅くさい」
…など。
スタッフが、中高年の1人に、なぜおやじギャグを言うのか?を聞くと「楽しい、ウケてもらえると」答えていた。
○チコちゃんの答え
⇒おじさんがおやじギャグをいうのは「脳のブレーキがきかなくなっている」から
おやじギャグは中高年男性の脳の働きから生み出される
脳科学者の茂木健一郎氏によれば…
「おやじギャグは、実は中高年男性の脳の働きの特徴。僕も中高年男性なので、おやじギャグ言っちゃうことがあります。…『チコちゃん、ちこう寄れ!』とか…」と、言いながら照れる茂木氏。
「NHチコスペシャル」
番組では「おやじギャグが生まれる脳のメカニズム」についてNHKで放送されていた「NHKスペシャル 人体 神秘の巨大ネットワーク」のような贅沢な構成で、紹介した。
(女性スタッフたっての要望で)ストーリーテラーは俳優の大谷亮平。(※AbemaTVでストーリーテラーをやっているから、か?)
【NHチコスペシャル】
シリーズ「人体」第1集「脳とおやじギャグ」
~バナナから「そんなバナナ」が生まれるメカニズム~
中高年の夫婦…
お昼ご飯に「バナナを食べればいい!」と妻から言われた夫が、その瞬間「そんなバナナ」とおやじギャグを言う…
その時、夫の脳ではこんな事が起きていた…
おやじギャグを生み出す脳の力とは
おやじギャグが生まれるのは左脳にある「側頭連合野」というところ。
ここは、言葉について記憶や情報が蓄えられているいわば「脳の国語辞典」のようなものだ。
ここに「バナナ」と言う言葉が伝わると、側頭連合野の中にある網の目のような細胞に「バナナに似た響きの言葉がないか?」と言うメッセージが送られる。
すると「側頭連合野」蓄えられたバナナに似た言葉が次々と浮かび上がる(オバマ、吉本ばなな、バハマ、それな、環七、パナマ…など)
「バカな」という言葉を見つける!
「バカな」…お昼ご飯にバナナと言われた状況にも合い、おやじギャグにふさわしい言葉を発見した時、「バナナ」と「バカな」、二つの神経細胞の繫がりが強まり「そんなバナナ」と言うおやじギャグが誕生する。
「おやじギャグ」は1000憶もの神経細胞から生まれているそうだ。
「おやじギャグ」と中高年男性
茂木氏はさらに「おやじギャグ」は中高年男性だからこそ得た能力だという。
一つの記憶から他の記憶を思い出すことを「連想記憶」という。
焼酎=しょっちゅう
菊名=聞くな
酸っぱい=失敗
袋=ふくろう
素敵=ステッキ
年齢を重ねることで、ボキャブラリーが増えるため、連想記憶の能力が上がっている。
中高年男性は、実は連想記憶の達人!
おやじギャグを生み出す側頭連合野の発達は、30代から上昇して50代でピークを迎える(という事を示唆するデータがあるそうだ)。
だが、30代で能力は上がり始めているのに(30代で)おやじギャグを言ってる人が少ない、という。大谷自身も38才だが、まだおやじギャグを言うのに、ためらいがあると言っていた。
それは、なぜか…
年齢を重ねるほどおやじギャグを言ってしまう理由
連想記憶の能力が上がる一方で…
脳の前頭葉(理性をつかさどり感情をコントロールする部分)は20代で発達のピークを迎える、と言われている。
例えば、会議などで休憩に入った時、女性が「トイレ行ってきます」と言うと…
○若い(30代)男性の場合
頭の中で“トイレ…行っトイレ!”というおやじギャグを思い浮かべるが、くだらないと思われたくない、恥をかきたくないと前頭葉がブレーキをかける。
前頭葉は加齢とともにだんだんと委縮し機能が低下する。
(60才では12歳の子どもと同じくらいになる)
機能が低下するとブレーキが利かなくなるのでおやじギャグが我慢できなくなる。
したがって…
○中高年(50代男性)の場合
女性が「トイレ行ってきます」と言うとすんなり「トイレ…行っトイレ!」と言ってしまう。
50代後半になってしまうと前頭葉の働きが弱くなってしまうので、思いついたらどうしても抑えられなくて言ってしまうらしい。
結論:側頭連合野の発達は非常に強くなってる一方で前頭葉は衰えてしまってる。側頭連合野の暴走を前頭葉が抑えることが出来ない。
「これが中高年が『おやじギャグ』を言う、という現象の脳科学的な説明になる」と茂木氏は言う。
VTRが終わると、答えを当てた小木に拍手がおこる。小木は「ああいう風に見るとなんか許せる、というか、この人はもう我慢できない、理性が抑えられない人なんだな、っていうのがわかった」と感想を言う。
「おばさんギャグ」がない理由
そう言えば…「おやじギャグ」はあるのに、「おばさんギャグ」がない。
実は、おばさんは、(ギャグを)思いつかない、らしい。
アシスタントの愛ちゃんによれば…
女性は「バナナ」と聞くと“バナナを買って帰ろうかな”、“バナナのクレープ食べたいな”と思うそうだ。「布団」という言葉を聞くと“明日、布団干さなきゃ”とか“そろそろ掛布団が必要だな”というふうに連想の仕方が男性と違うらしい。
男性が主に言語をつかさどる左脳で考えるのに対し、女性は記憶やイメージをつかさどる右脳、左脳の両方を使う傾向があるそうだ。
まとめ
今回も最初から答えを当てられたチコちゃん、すかさず「全員ペンを持って!…『あいさつ』漢字でお書きください!」と言う。※これは、正解を言われた時、チコちゃんから漢字問題が出る、この番組ならではのシステムだ。(前回は、ゲストだった中尾彬に2問も正解され、漢字問題も2回出た)
「挨拶」は…矢沢が「ム」と言う・タモリがクククと笑う
3人とも正しく書けず、不正解。でチコちゃんに「君たち、ぼーっと生きてんじゃねーよ!」と言われる。
そしてチコちゃんから「挨拶」の覚え方を伝授される。
➀両方 「てへん」と言うのを覚える
➁あい 矢沢永吉が「ム」と言う(矢沢の矢の上にムとつける)
➂さつ タモリが「くくく」と笑う(タの上にくくく)
「ム」と「く」は上ね!とチコちゃん。
なるほど…勉強になった。
※11月2日 NHK「チコちゃんに叱られる」より 参照・抜粋