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なんでお玉をお玉っていうの?カエルの子が「オタマジャクシ」になった理由とは?

チコちゃんに叱られる

スープなどをすくう道具を「お玉」と呼ぶ。
あれは形がカエルの子供オタマジャクシに似ているからついたのだろう、と安易に思ってしまうのだが、実は逆だった…というのが今回のチコちゃんでわかった。

4月17日放送のNHK「チコちゃんに叱られる」のゲストは2回目の登場の松坂桃李と初出場、森三中の大島。

なんでお玉をお玉っていうの?

「料理が得意な素敵な大人」で松坂が指名される。
チコちゃんに「汁ものをすくうお玉、なんでお玉をお玉っていうの?」と聞かれた松坂の答えは「元々は汁物をすくうものではなかった。『たま』は卵をすくうところから」と答えたが、チコちゃんに叱られた。

◯チコちゃんの答え
⇒お玉をお玉っていうのは「お多賀」がブームになったから。

お玉の玉は魂

國學院大學大学院の新谷尚紀客員教授(9回目の出演、民俗学の権威)によれば「お玉はおたまじゃくしとなんとなく呼ばれていたが『お多賀』がブームになったため、その名前が定着した」とのこと。

今回のこの問題の解説は、NHKの教養講座バージョン、お馴染の音楽と共にNHKの中山果奈アナウンサーと新谷先生の~NHコ教養講座お玉はなぜ「お玉」というのか~が始まった。

食べ物をすくう道具「杓子(しゃくし)」

ひょうたんを半分に切ったり、木を削って作ったくぼんだ部分で食べ物をすくう道具「杓子(しゃくし)」は古代から日常的に使われていた。

弥生時代、稲作が始まって以降、収穫に先立って稲を神仏へお供え(初穂)していたことで、米の事を「稲魂(いなだま)」と言っていた

当時は強飯(米を蒸したもの)や茹でたおかゆのようなものをくぼみのある杓子ですくって食べていた。
その米をすくうためための杓子は魂(稲玉)を入れるものとされていた。

魂を入れる杓子⇒魂杓子(たまじゃくし)⇒お魂杓子(おたまじゃくし)
※杓子はくぼみに魂が宿っていると言われ神聖な存在だった。

杓子は、それぞれの場所でなんとなく「おたまじゃくし」と呼ばれるようになった。

厳島神社

厳島神社で有名な「しゃもじ」、元は杓子(しゃくし)と呼ばれていた。
※他にも奈良県の夫婦大国(社春日大社末社)なども有名

この杓子の呼び方ははっきりと決まっていなかったので地域ごとに呼び方は様々だった(へら、さじ、たま、かい、おたまじゃくし、など)。

名前を統一した多賀神社

このまちまちな名前を統一したのが滋賀県の多賀大社だ、と先生は言う。

滋賀県の多賀大社におたまじゃくしにまつわる伝説

滋賀県にある多賀神社の境内には、この杓子の原型「お多賀杓子(おたがじゃくし)」がまつってあった。

…奈良時代、第44代天皇の元正天皇(奈良時代在位715年~724年)が病の伏せた。
そのおり、多賀の神職たちが強飯を炊き、杓子を添えて献上したところ、病がたちどころに治った…という言い伝えがある。

それ以来、杓子は「縁起がいい」ということで「お多賀さん」という愛称で親しまれた。そして多賀大社にちなんで「お多賀杓子」の名が付けられ、神様からの印として参拝者に渡されるようになった。

縁起がいい「お多賀杓子」が広まったわけ

多賀大社にはお寺があり「坊人」と呼ばれる人たちがいて、全国を行脚していた。その時、多賀の神様のお印として「お多賀杓子」を配って多賀信仰を広めていった。

その活動が実を結んだのが江戸時代の参拝ブームだった。
お伊勢参りがブームになり伊勢神社には年間何百人という人々が訪れていた。

多賀大社にも人を呼ぶため、多賀神社の坊人たちは「お伊勢に参らば、お多賀に参れ。お伊勢お多賀の子でござる」とCMソングのように宣伝した
すると多賀大社にも参拝客が訪れ「お多賀杓子」を持ち帰り、故郷でも配るなど、日本全国に広がった。

やがて江戸にも届き、食べものをすくう杓子は「おたがじゃくし」と呼ばれ、のちに「おたまじゃくし」とよばれるようになった。

「確かなことはわかっていないが結局は『お玉』の方が言いやすかったのではないか」と先生は言う。

カエルの子の「オタマジャクシ」に似ているから「おたまじゃくし」…ではない

カエルの子の「オタマジャクシ」に似ているから「おたまじゃくし」と呼ばれるようになった…と思っている人も多いと思うが、、先生によればその逆だという。
「道具の『おたまじゃくし』に似ているから、カエルの子は「オタマジャクシ」になった」そうだ。

まとめると…

お魂杓子⇒お多賀じゃくし⇒おたまじゃくし

…と、変わっていった、ということらしい。

まとめ

今回この解説はNHKの教養講座バージョン?で、行われた。
新谷先生は解説中、時々冗談を言うのだが、MC役のNHKの中山果奈アナウンサーは、それに決して乗らず、表情も変えず、クールに進行した。
その様子はチコちゃんたちにかなりうけていた。

最後のチコちゃんの解説によれば「…新谷先生は民俗学の権威ですっごく偉い先生なんだけど中山アナの冷たい感じ、いいですね~と楽しんでいた」とのこと…

確かに見た目も、いつもにこにこしていい人って感じだ。

※4月17日 NHK「チコちゃんに叱られる!」参考・参照

その他の質問

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