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おみくじ(の上の方など)に和歌が書いてあるのはなぜ?

チコちゃんに叱られる

おみくじの上の方に書いてあるのが、実は「和歌」だという。
…ちゃんと読んだことがないが、そう言われれば確かに和歌っぽかったかも。

おみくじに和歌が書いてあるのは「意味があるから」だが、さて、その意味とは?

なんでおみくじには和歌が書いてあるの?

3月12日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」のゲストは森泉と東京スカパラダイスオーケストラの谷中敦。

「神社にお参りに行く姿がステキな大人」という事で森泉が選ばれる。

チコちゃんが「(おみくじには大吉とか吉とか運勢が書いてあるが、その上の方にあるのが和歌)なんでおみくじには和歌が書いてあるの?」と聞く。

森は「…ないと寂しいから?」と答え、チコちゃんに叱られる。

◯チコちゃんの答え
⇒おみくじに和歌が書いてあるのは、そもそもそれがおみくじだから

そもそも和歌の部分がおみくじ

詳しく教えてくれるのはおみくじの文化について詳しい、成蹊大学文学部 平野多恵教授。

先生は「おみくじっていうと吉や凶などの運勢が注目されることが多い。が、そもそも和歌の部分がおみくじなんですよ」という。

おみくじというのは、本来神様からのお告げが書いてあるもの。
そのお告げが、たびたび和歌で人々に伝えられていた。

平安時代に天皇の命令で作られた古今和歌集には、ヤマタノオロチを退治したことで有名な神様「スサノオノミコト」がこの世で初めて、31文字の和歌を詠んだと書かれている。

この事から人々の間では「神様は和歌で思いを伝える、お告げをする」と考えられるようになっていった。

おみくじのルーツ「歌占(うたうら)」

昔の人も悩みや願いがあると神様からのメッセージを求めた。

しかし、神様の声は普通、直接聞くことができない。
それで巫女を通じて神様からの和歌、つまりお告げを聞いていた。

これがいわばおみくじのルーツの一つ。

・平安時代、これは歌占(うたうら)と呼ばれ、出世や恋愛など悩みを持った貴族を中心に広がっていった。

・室町時代には、弓に結びつけられた短冊を、占いたい人が一枚選び、そこに書かれた和歌を神様のメッセージとして受け取るという現在のおみくじに近いものが登場する。

・江戸時代になると、歌占は和歌を一冊にまとめた本として出版され、多くの人が目にすることとなった。

歌占本の使い方

歌占本の使い方…「天」「地」「人」と表に書かれた、木札3枚づつ(計9枚)を振り、出た目の組み合わせのページに書かれている和歌がメッセージとなる。

最初に(これから占う)スタッフに先生が「願いや悩みはあるか?」と聞く。

スタッフの悩みは「この間、彼女と思っていた人と水族館にデートに行った。4ヶ月経っても2回目がない」だった。

先生は「なるほど…。じゃぁ占ってみましょうか」と言う。

そのスタッフが木札を振ってみると、天が3つ、地が2つ、人がゼロという結果に。

「それと同じその組み合わせ(出た目のページ)の和歌が、今あなたに必要なメッセージという事になる」と先生。

そのページに書かれていたのは
「沖津かぜ 吹きにけらしな 浜松の 波すみのぼる あきのよのつき」という、うただった。

このうたは「沖で風が吹き、海辺の松に波が寄せている。空には秋の夜の月が冴え渡っている」という意味。

先生は「非常に美しい秋のうたなんですけれども…えっとですね…言いにくいんですけど、今のお悩みに合わせて読み解くと、沖で風が吹いているというのは、遠いところで何かが、新しい動きが起こっている、という事ですね。浜辺の松は彼女で、その彼女に波のように言い寄っている男がいる、という事だと思います。そして二人の関係が明るく輝いているという事で、もう彼女は新しい人と、いい仲になっているじゃないんですかね」と言う。

大吉や、凶などは、あくまでも一つの目安

スタッフは「きついな、それって」という。
そして「これって、和歌の意味をちゃんと理解してないと、何がメッセージなのか分からなくないですか?」と聞く。

先生は「だから和歌の意味が分からなくても楽しめるように、吉や凶などの運勢の目安が書かれるようになっていくんです」という。

実際、江戸時代中期に作られた「天満宮六十四首歌占御鬮抄」には、和歌に加えて、吉や凶などの運勢、さらに歌の解説や待ち人、病といった項目も追加され、現在のおみくじに近い形になっていった。

おみくじの結果の大本は和歌にあり、大吉だとか、凶だとかは、あくまでも一つの目安。
だから運勢だけ見て一喜一憂するのは、おみくじの見方としてはちょっと違う。

和歌を自分の願いや悩みと重ね合わせて、アドバイスとして受け止めることが大事、と先生は言う。

実践

正しいおみくじの見方がわかった所で…
悩みを抱えるスタッフが神社でおみくじを引き、先生と共に和歌を悩みに当てはめて解釈してみた。

◯1人目の悩み:痩せてイメチェンをしたいのに食欲が抑えられないという女性スタッフ。
彼女が引いたのは大吉…だったが大事なのは、和歌。

わがおもう
港も近くなりにけり
ふくや
追手のかぜのまにまに

(意味:追い風が吹いている。自分の目指す目的地が近づいている)

・スタッフの解釈…目的地が近づいているという事は、もう別に食べていってもいいんじゃないか。(イメチェン成功は近い、食べてもいい)

・先生の解釈…追い風が吹いている、という事でどんどん増す食欲。痩せるのはやめて食べ続けてイメチェンをする。

ちなみに…
スタッフが引いたおみくじにはさらに「恋愛…この人となら幸福あり」と書いてあったが、先生に「今は食欲について聞いたので恋愛のところは関係ない」と言われてしまう。

◯2人目 AD1年目のスタッフの悩み:仕事でミスが多い

ふる雨は
あとなく晴れて
のどかにも
日かげさしそう
山ざくらばな

(意味:降っていた雨はすっかり晴れて、山桜の花に日の光がのどかにさしている)

・スタッフの解釈…このまま何もしなくてもいつかは晴れてうまくいく。

・先生の解釈…「日かげさしそう」は、上司やチームからの助けや恵みみたいなものを表わしている。(光がさすには)周りの人から助けてもらえるように、やっぱり自分なりに努力する必要がある。

◯3人目 愛ちゃん(アナウンサー)の悩み:優柔不断が直らない

ひとかたに
なびくと見せて青柳の
ゆくえさだめぬ
人心かな

(意味:一つの方向に揺れると見せかけて、どうゆれるかわからない柳の葉のように、人の心もどう変わるか分からない…つまり行くべく方向が定まらない人の心模様を表わしたうた)

・愛ちゃんの解釈:まさに今の私の悩みにぴったりじゃないですか。…なびくと見せて、という所が定まらなくてもしかたがないよね、人はそんなもの。

・先生の解釈:柳は軸がない、決めかねる、と言うことかもしれないので、決める軸を意識するといい。幹がしっかりしたどっしりした木をイメージして…。

と言われ「クリスマスツリーみたいな?」と返す愛ちゃん、だったが…。

※以上3月12日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」より参照・抜粋

まとめ

なんか過去に聞いた悩みだなと思ったら「奈良の大仏様が手をあげているのはなぜ?」の時と同じスタッフの同じ悩みだった。

あの時は悩み事にぴったりの印相を教えてもらう、というものだったが…まだ解決してなかったようだ。

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