紅葉狩りはなんで「狩り」というの?
11月6日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」。
ゲストは山崎育三郎と榊原郁恵。
「花や木を愛する風流な大人」と言う事で山﨑が指名される。
最初の問題は視聴者からの質問だった。
チコちゃんは「春は花見、冬は雪見。秋の紅葉は紅葉見じゃなくて紅葉狩り。…紅葉狩りはなんで『狩り』というの?」と聞く。
山﨑は「紅葉狩りと言うヘアースタイル、刈り上げのこと。(床屋さんに)『今日紅葉狩りにして~』、チコちゃんもちょっと紅葉狩り!」と言うが、叱られた。
◯チコちゃんの答え
⇒紅葉狩りを狩りと言うのは、狩りじゃないとお下品だったから
「紅葉狩り」という言葉が生まれたのは平安時代
詳しく教えてくれるのは、平安時代の生活文化に詳しい京都ノートルダム女子大学鳥居本幸代名誉教授。
「紅葉狩り」と言う言葉が生まれたのは平安時代。その時貴族にとっては『狩り』と言う言葉を付けないと、お下品と考えられていたようだ」と先生は言う。
秋が深まると一斉に色づく山や木々を見て楽しむ紅葉狩りは、古くから日本人に好まれてきた。
平安時代の貴族にとってもそれは同じ。
現在残っている文献で「紅葉狩り」と言う言葉が初めて登場するのは、平安末期の家人、源の俊頼が読んだ和歌、
しぐれゆく かたのの原の もみちかり たのむかけなく ふく嵐哉
(にわか雨が止み、山で紅葉狩りをしようとしたが、強い風が吹いてきてしまった、そんな情景を表わしている。「夫木和歌抄」)
紅葉「狩り」になったわけ
平安時代の貴族たちは自分の大きな家がある。
その庭に季節の植物を植えて家の中から眺めて楽しんでいた。
ただ山一面に広がる紅葉を見る時には外に出かけなければならない。
これを「紅葉狩り」と言った。
「なんで『紅葉見』ではなく『狩り』だったんですか?」とスタッフが聞く。
平安貴族は平安京の外へ自由に出かけることはできないというには独特なルールがあった。
普段は政治などに携わり、都の中で生活していた貴族は平安京の外に出るのは、基本的に特別な目的がある時だけ。
その目的とは例えば
・神社やお寺をお参りする「物詣で」
・お祭りや行列などを見に行く「物見」
・鷹狩りなどの狩りのとき
など。
貴族が移動する時は主に牛車や馬に乗る。
「自分の足で歩く」という事は貴族としてのふるまいを守るためにも、してはいけないという考え方だった。
極端に言えば、それは下品だと考えられていた。
しかしどうしても山一面の紅葉を見たいと願った貴族たち…そこで目をつけたのが狩りだった。
「狩り」は、山の中を獲物を探しながら歩く。
表向きは「狩りに行く」と言っておけば下品だと思われない。
貴族としての体面を保ちながら大手を振って一面の紅葉を観賞できるという事で平安貴族は紅葉鑑賞に行くことを紅葉狩りと言う事にした。
「平安貴族が体裁を保つために使っていた狩りと言う言葉が付けられたまま「紅葉狩り」は、江戸時代には秋の風物詩として庶民にも広まっていき、現在まで残っているのでないかと思う」と先生は言う。
NHKが撮影した美しい紅葉
最後にNHKが撮影した美しい紅葉が紹介された。
みちのくの絶景 神様が楽しむ天空紅葉
※参考写真 栗駒山
その紅葉が見られるのは宮城県・秋田県・岩手県にまたがる栗駒山。
絶景ポイント…登山道からの眺めも十分に美しいが、見てもらいたのは空からの紅葉。
紅葉(もみじ)だけではなく、様々な植物が色づく絵画のようなこの景色は通称「神の絨毯」とも呼ばれている。
まさに神様が空の上から眺めて楽しんでいるかのような絶景。
香川日本庭園の絶景 幻想的な夜の紅葉
※参考写真 栗林公園
その紅葉が見られるのは香川県栗林公園。
江戸時代に完成した日本庭園に広がる。
夜になると水辺の紅葉はライトアップされる。
絶景ポイント…庭園内の池をゆったりとめぐる船からの紅葉
厳かな雰囲気の中幻想的な輝きを放つ木々。
この庭園は船の上からの景色も計算されており、水面は鏡のようになってあでやかな紅葉を映し出す。
まとめ
「美しい紅葉」の最後は京都を代表する紅葉というので期待したら…サスペンスのような紅葉と言う事で俳優の山村紅葉が紹介された。
(紅葉さんを起用するかどうか、会議でだいぶもんだ、とチコちゃんは言っていたが…)面白いジョークだとはわかるが、京都にもたくさんの素敵な紅葉ポイントはある。
なので期待しただけに、ちょっとがっかりした。
※11月6日放送NHK「チコちゃんに叱られる!」参考・参照