鶏肉は特にフライドチキン、竜田揚げチキン南蛮など、揚げる料理が多いが、牛カツ、豚カツなど他のお肉でも揚げる料理はある。
なのに、どうして唐揚げと言えば鶏肉ばかり、なのだろうか?
なんで唐揚げと言えば鶏肉ばっかりなの?
12月18日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」のゲストは杉本哲太と川田裕美。
「熱々の唐揚げを一番美味しそうに食べる素敵な大人」という事で、岡村は杉本を指名する。
チコちゃんに「なんで唐揚げと言えば鶏肉ばっかりなの?」と聞かれた杉本は、あっさり、潔く?「わかりません!」と答えて「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と叱られた。
◯チコちゃんの答え
⇒唐揚げと言えば鶏肉ばかりなのは、鶏肉は3つの理由で奇跡の肉だから
美味しくなる要素が奇跡的に3つ揃っているから
詳しく教えてくれるのは、北里大学獣医学部の有原圭三教授。
先生は「実は唐揚げに鶏肉ばかり使うのは、、揚げると美味しくなる要素が奇跡的に3つ揃っているから」という。
鶏肉を揚げると美味しくなる奇跡の要素①
鶏肉を揚げると美味しくなる奇跡の要素の一つは、コラーゲンの量。
コラーゲンとは皮膚や骨を作るたんぱく質の一つ。
お肌のハリを連想する方も多いと思うが、唐揚げが美味しくなることとどう関係があるのか?。
コラーゲンの量が少ない=柔らかい
実は鶏肉は豚肉や牛肉に比べるとコラーゲンの量が少ない。
唐揚げによく使われるもも肉の赤身で比べてみると、
鶏肉:5.2㎎/g
豚肉:9.3㎎/g
牛肉:22.4㎎/g
鶏肉は豚肉の半分、牛肉に比べると1/4しかコラーゲンが含まれていない。
コラーゲンは、筋肉を取り囲んでいる、膜のようなもの。
このコラーゲンは65℃以上で短時間加熱されると縮んでしまう性質がある。
これによって筋肉が圧迫され、そうなったお肉を私たちが食べると硬いと感じる。
つまり鳥肉はコラーゲンの量が少ないので一番柔らかい。
唐揚げ肉別に硬さを計測してみる
肉を貫通する際にかかる圧力の数値が、小さいほど柔らかい。
鶏肉:3.97
豚の唐揚げ:10.02
牛の唐揚げ:11.33
結果は、鶏の唐揚げの数値がダントツで低く、一番柔らかいということがわかる。
鶏肉を揚げると美味しくなる奇跡の要素②
唐揚げに鶏肉を使うと美味しくなる二つ目の要素は、水分量。
各正肉100gに含まれる水分量は…
鶏肉:81.7g
豚肉:75.6g
牛肉:70.8g
鶏肉の水分量が一番多い。
水分が多いと美味しくなる理由
1,鶏肉を高温の油の中に入れると、まず表面の水分が蒸発。
2,するとその隙間に油が入り込む。
3,表面だけが一瞬で加熱され、壁になり、中に水分が閉じ込められる。
つまり鶏肉は、油で揚げても水分が逃げないため、一番、ジューシー。
鶏肉を揚げると美味しくなる奇跡の要素③
鶏肉を唐揚げに使うと美味しくなる三つ目の要素は、脂が溶ける温度。
我々日本人の平熱は36℃から37℃くらい。
・豚肉:35℃~40℃
・牛肉:45℃~50℃
豚肉や牛肉の脂の溶ける温度は、私たちの一般的な平熱よりも高いため、口の中では溶けにくい。
冷めても美味しい
しかし鶏肉の脂は平熱よりも低い30℃~32℃で溶ける。
なので、冷めてしまった唐揚げでも脂が口の中でも溶ける。
脂は口に入れると唾液によって脂肪酸に分解され、舌がその脂肪酸を感知すると脳に味を伝える能力が格段にアップし、よりおいしいと感じる。
つまり…
鳥の唐揚げは柔らかく、ジューシーで、冷めても脂が溶けて旨味が増す、というまさに3拍子揃った最強の料理である。
※以上12月18日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」より抜粋・参照
まとめ
家内が、鶏肉が食べれないのに、たまに鶏肉の唐揚げは作ってくれる。
味見はせずに調味料の分量も適当らしいが、意外とうまい。
で、一度、自分も「唐揚げ」を味わいたいといって、牛肉で唐揚げを作ってみたことがある。
しかし、美味しくなかった。(その理由が今分かった)
家内も美味しくなかったらしく、それ以来作ったことはない。