人間が料理をするのは、人間の顔が平らだから…
唐突な答えだが、香りが人間の顔(骨格)を変えた?
内容が気になる…。
なぜ人間だけが料理をするの?
今年初めての「チコちゃんに叱られる!」の4つ目の問題は「人間が料理する」ことについて。
「この中(岡村隆史・長谷川博己・門脇麦・堺正章)で、一番料理が上手すぎる素敵な大人」という事で堺が回答者に指名される。
チコちゃんに「なぜ人間だけが料理をするの?」と聞かれた堺、「…人間は火をおこせる。他の動物で火をおこせる動物はいない」と答えるが「火を使う以外の料理法もある」と言われる。
すると「…味覚。(人間は)舌が他の動物より発達しているから」と答えるが「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と言われる。
〇チコちゃんの答え
⇒人間だけが料理するのは顔が平らだから
人間が料理をするのは、人間の顔が平らだから?
詳しく教えてくれるのは、明海大学歯学部の村本和世教授。
先生は「人間が料理をするのは、人間の顔が平らであるという事が関係していると考えられている」という。
平たい顔と料理の関係は?
人間の顔は他の動物と比べると確かに「平たい」が、料理することと、どういう関係があるのだろうか?
約200万年前、人間は火と出会い、食べ物を焼いて食べるようになった。
…これが料理をすることになったきっかけ、と考えられている。
人間は火を使って甘みに出会う
以前の放送でも触れたが…
人間は火と出会う前、硬くて苦い木の実を食べていた。
この木の実に火を通すことで実のデンプンが変化し、唾液の消化酵素によって糖に分解できるようになった。つまり人間は「甘み」に出会った。
焼いた時の香りの虜になる
さらに…
人間は、食材を焼いた時に立ち上る香りの虜になってしまった。
この「香り」にこそ美味しさを感じる秘密が隠されている、と先生は言う。
人間は、料理をすることで「甘み」を知り、さらに「香り」という新たなおいしさを知ることになった。
…という事でここからは、NHKスペシャル「食の起源」の映像をちょっと使わせてもらいながら「香りと美味しさ」についての解説が始まった。
香りと美味しさ
人間が感じる美味しさについて40年以上にわたり研究を続けているシェファード博士は「口から入る食べ物の香りが嗅覚に到達することが美味しさを感じる原動力」だと考えた。
まず博士は、人間の鼻から口にかけての構造を模型で再現し、食時中にたべものの香り成分がどのような動きをするのか調べた。
美味しさを生み出すメカニズムとは
1、口の中で食べ物を噛むと香り成分は、のどの入り口付近に集まる。
(のど周辺の複雑な骨格が壁となり、食べ物のふんだんな香りは下へと流されずとどまることが分かった)
2、食べている間に鼻から息を吐き出すと、たまっていた香り成分がその流れに乗って一気に鼻の内部へと向かう。そして大量の香り成分が嗅覚のセンサー「嗅上皮」(香りを感じるセンサー)に衝突する。
センサーは非常に敏感なため、香りの情報が強烈な刺激として脳へと伝わる。その結果、食べ物の風味こそ美味しさだと感じるようになった。これは人間特有のもの。
人間特有の顔の構造とは
「人間は食べ物を食べた後に感じる香り、すなわち『風味』を感じる嗅覚が、他の動物に比べて突出している。その理由は、人間特有の顔の構造にある」と先生はいう。
臭覚が退化し、鼻が短くなり、顔が平らになる
まだ恐竜がいた時代、私たちの祖先であった原始哺乳類は、恐竜から身を隠せる夜、嗅覚を頼って食糧を探していた。
しかしある時、地球に巨大隕石が衝突し恐竜が絶滅する。
昼間から食料を探せるようになった祖先は視覚が発達する一方で、嗅覚が次第に退化していった。それと共に骨格に変化が起こる。
もともと(恐竜時代)は長かった鼻付近が、(恐竜絶滅後)短くなり顔が平らになった。
長い鼻の時は、骨が隔てていて香りが嗅上皮に届きにくかったのに対し、顔が平らになると骨が無くなり、香りがダイレクトに届く。
二足歩行により喉仏が下がった
さらに…
先生は「人間が二足歩行になったことによって、のどの構造が大きく変わった」という。
四足歩行から二足歩行になり、体が垂直に起き上がると、喉頭(のどぼとけ)が他の動物に比べ下に下がった。すると食べ物の香りが、広がったのどの空間を通して、より嗅上皮に届きやすくなり風味を感じやすくなった。(これも他の動物に無い人間特有のもの)
最後に先生は「もちろん食事を美味しく食べるために進化したわけではない。人間の進化の全くの偶然が食べ物を美味しいと感じられる助けになった」という。
※1月3日「チコちゃんに叱られる!」より参照・抜粋
まとめ
恐竜がいた時代、私たちの祖先である原始哺乳類は動物のように鼻が長かった、ということになるのだが、味や香りなどの美味しさを知ったことで顔の形が変わるなんて…進化ってすごい!と改めて思う。