頭でも、足でも、どこかにぶつけた時、ついその部分に手をあててしまう。
無意識にすることなのだが、実は手をあてるのとあてないのでは、約4倍も痛さに違いがあるという。
だから「痛いの痛いの飛んでいけ~」は、科学的に正しいのだそうだ。
なぜ、痛いところに手を当てるのか
11月30日の「チコちゃんに叱られる!」のゲストは、榊原郁恵とよゐこの濱口優。
チコちゃんが聞く。「ねぇねぇ岡村、この中で一番リアクションが大きくて素敵な大人ってだあれ?」ということで、選ばれたのは濱口。
チコ「よゐこはさ、サバイバル番組してるじゃない?あれって怪我したことも多かったんじゃない?」
濱口「いや、僕お腹こわしたこともないですし、ケガしたことも無いです。」と答えてしまい、チコちゃんに「じゃぁ、今日は帰って!…もうね、全く使えないから、そんな人は」と言われる。
岡村が「何か関係してんねん」と濱口に教える。すると濱口「結構、怪我しました」と言い直す。
仕切り直したチコちゃんは、濱口に「その(痛い時)状況やってくれる?」とリクエスト。濱口が前に出て、歩いていて、足をどこかにぶつけて「痛い、痛たた」と足を押さえる動作をするとチコちゃんが「ストップ」と声をかける。そして「その手、何?何で痛い所に手を当てちゃうの?」と聞く。
聞かれた濱口「え?何で?かばおうとしたのかもしれない」と答えるが…「ぼーっと生きてんじゃねーよ!」と言われる。
○チコちゃんの答え
⇒痛い所に手を当てるのは、痛みより触覚の方が優先されるから
触ると痛みが和らぐ理由
痛みなど体のメカニズムを長年研究している生理学研究所の医学博士によれば…
「痛い所に手を当てて、触ることによって、痛いという感覚を和らげるため」だという。
脳は意外と単純で、複数の感覚が一緒に来ると(何が一番重要か、ということで)優先順位をつけるらしいのだ。
人間の感覚の優先順位とは…
人間の感覚には「痛い」という感覚の他に「触れる」感覚、「冷たい」という感覚、「痒い」という感覚など、様々な感覚がある。
同時に複数の刺激を受けた時、それを受け取った脳は優先順位をつける。
その順番は…
1位 一番重要なのは運動(身体を動かす)
2位 触覚(触る感覚)
3位 痛覚
4位 冷覚
5位 痒み
脳は「痛み」よりも「触覚(何かに触っているという感覚」)の方を、優先的に感じるらしい。
例えば…腕の毛を引っ張られた場合、
「痛て!」と言い、無意識にその部分に手をあてる。
↓
この時「痛い」という感覚と、手が「触った」という感覚が脳に同時に届く。
↓
「触った感覚」が「痛みの感覚」より大切だと脳が認識する。
触られたという感覚はよくわかるのだが、痛みをあまり感じなくなる=「痛みが和らぐ」という事らしい。
手をあてるとどれぐらい痛みが和らぐのか
手をあてるとどれくらい痛みが和らぐのか…番組では、痛みを数値化できる「ペインビジョン」という機械を使って検証してみた。
・腕に電気を流して痛みを与える
・痛みの度合いが数値化される
・手をあてない場合…33.5
・手をあてた場合…9.2
およそ1/4にまで減少した。
結果:手をあてることで痛みの度合いが和らぐ
他人が手をあてた場合は?
自分ではなく、例えば母親が子供の痛い所に手をあてた場合はどうか?
これも実験で(先生が手をあてて)やってみた。
結果は…9.5(自分で手をあてた時とほぼ同じ)だった。
結論:自分でやっても他人がやっても同じ効果が出ることが分かった。
…という事は、あの「痛いの痛いの飛んでいけ~は、科学的に正しい」ということになる。
最後にチコちゃんが言う。「手当(てあて)とはよく言ったものね!」
…だな。
まとめ
「痛い!」と思ったら、そこに手をあてる…教えられたわけでもないので、本能的に手が動いているのだろうとは思っていたが、それで痛みが和らいでいたなんて…
人間の体は、本当に良くできているものだ、とつくづく感心する。
※11月30日 NHK「チコちゃんに叱られる」より 参照・抜粋