鉛筆で書いた文字は消しゴムで消せるのに、色鉛筆で書いたものは消しにくいのはなぜなのか、考えたことは、あるだろうか?
…という事で、今回は色鉛筆で書いたものが消しゴムでは消えにくい理由に迫った。
色鉛筆が消しゴムで消しにくいのはなぜ?
「この中で一番絵心がありそうな素敵な大人」と聞かれ、岡村が立候補。
チコちゃんに、色鉛筆で、何かを書いてと言われ、魚を書く岡村。
書き上げると、今度は消しゴムで消して、といわれる。
岡村は、え?という顔になるが、しょうがなく、消す。
が…きれいに消えない。
そこでチコちゃんが「色鉛筆って消しゴムで消しにくい。…なんで?鉛筆も色鉛筆も同じ鉛筆なののに、なんで消しゴムで綺麗に消せないの?」と聞く。
岡村の答えは「色鉛筆の色が〇〇」と答えるとチコちゃんは「つまんね~やつだなぁ」という。
(おまけで)正解だったようだ。
◯チコちゃんの答え
⇒色鉛筆が消しゴムで消しにくいのは、ロウが溶けて固まっているから
鉛筆と色鉛筆は全くの別物
詳しく教えてくれるのは東京色鉛筆組合昭午会杉谷龍一理事。
「そもそも鉛筆と色鉛筆は全くの別物だから消しゴムで消せるが色鉛筆は消しにくい」という。
鉛筆なぜ鉛筆で字が書けるのか…のおさらい
鉛筆は黒い色を付ける黒鉛と、それを固める粘土でできている。
鉛筆で書くと紙の表面の凸凹に、黒鉛の層が引っかかってトランプのように剥がれていくため文字が書けている。
拡大してみると、大きさは様々だが平べったいシートのような形の黒鉛の結晶が紙に付着している。
この紙の凸凹に引っかかった黒鉛の結晶を消しゴムでこすると、紙に引っかかっている平べったい黒鉛がはがされるため、鉛筆は消しゴムで綺麗に消せる。
鉛筆に付いての前記事↓
色鉛筆の原料
鉛筆の芯は、粘土が原料だが鉛筆の芯は全く別の原料から造られている。
この芯の原料の違いが色鉛筆が消しゴムで消せない理由。
色鉛筆の芯と鉛筆の芯を専門に作っている山梨の工場に行き、製造部鈴木和也主任に特別に見せてもらった。
色鉛筆の芯の原料
黄色い粉(顔料)を袋からひしゃくですくい上げている。
◯原料1…顔料=色鉛筆の色の元になるもの。
色はこの顔料で決まる
次に白い粉(タルク)。
◯原料2…タルク タルクとは「滑石」という石を細かく砕いたもの。
ボディパウダーやファンデーションにも使われていて、このタルクによって色鉛筆の描き味が滑らかになる
◯原料3…ロウ。ワックスとも呼んでいる。
このロウは、書いた時に紙に定着しやすくなる。
…これらを決められた配合にし、最後に「のり」でつなぎ合わせて色鉛筆の芯を作っていく。
繋ぎ合わせた原料を芯の形にした後、1週間ほど乾燥させると(色鉛筆の)芯が完成する。
この芯が別の工場で加工されて、色鉛筆の出来上がりだ。
消しゴムで消せなくさせているのはロウ
ではこれらの原料(顔料・タルク・ロウ・のり)のうち、消しゴムで消せなくさせているのは主にロウが原因。
ロウは、色鉛筆の色を紙に定着させるために必要。
ロウは過熱するとおよそ60℃で溶け、冷えると固まる。
紙に書いている時の摩擦熱が60℃以上。摩擦熱によってロウが溶け紙に入り込みすぐに固まると考えられており、それを消しゴムで消そうとしても表面しか剥がせず、消えにくい。
光学顕微鏡で紙の表面を拡大してみると…
色鉛筆で書いた画用紙を顕微鏡(200倍)で見てみると…
紙の繊維が白い網目のように見え、所々色みの濃い部分(色鉛筆の成分が入りこんだ部分)がある。
さらに拡大(1000倍)すると…
紙の繊維の間に色が付いているのがよくわかる。
これを消しゴムで消してみると紙の繊維に入り込んだ部分は消えていない。
色鉛筆は消すことより色を付けることを優先したため、紙の繊維に色が入り込み固まるので消しゴムで消しにくくなっている。
色鉛筆の進化
そんな色鉛筆が誕生して250年以上。
今、色々な進化を遂げている。
どこにでも書ける色鉛筆
ロウをたっぷり含んだ特殊な芯で、ガラスがキャンバスの大変身。
他にも金属やプラスチックにも紙以外の物にも自由に描ける。
500色入りの絵色鉛筆
色鉛筆と言えば大体12色か24色が定番だが、なんと500色入りの絵色鉛筆。
赤色だけでも15色のバリエーション。
普通の24色の色鉛筆なら、「あか」「べにいろ」「しゅいろ」のような色の名前だが、500色もあると名前を考えるのも一苦労。
◯500色の色鉛筆、同じものかどうかわからないが探したら、神戸のふるさと納税の返礼品で200,000円(一括届)で見つけた。まぁまあの値段…
◯Amazonでも一応見つた。
結構いい値段…
どんな名前か
例えばどんな色の名前かというと…
「あなたのことが好きでたまらない色」(ピンクっぽい色)
「子どものように泣きじゃくりたいほどに晴れた空の色」(青っぽい色)
「おばあちゃんのお気に入りの羽織ものの色」(?)
「夏の思い出ビーチサンダル型に残る日焼け色」(?)
「すらりと伸びたビーチのヤシの木色」(?)
…これらの色の名前は世界中の幸せな情景のインスピレーションを得て、名づけられている、そうだ。
そこで、チコちゃんは、500色の色鉛筆名前当てクイズというのを3人に出したのだが…(わかりずらいので、正解を書いておく)。
・ピンクっぽい色⇒○○○○○そんな顔しちゃ断れないの色=正解「キスする?」
・黄緑っぽい色⇒私たち、○○○○が得意技♪の色=正解「光合成」
・オレンジっぽい色⇒私に夢中になって!魔法の言葉は○○○○○○○色=正解「メロメロメロン」
ここで、メロメロメロン色は果肉の色なのか?聞く◯。
岡村も「これはちょっと異議あり!どこのメロン?」と聞く。
チコちゃんは「夕張メロン」と答えたが…実はオーストラリア産メロンから名付けた名前らしい。
※以上3月26日NHK「チコちゃんに叱られる!」より抜粋・参照
まとめ
それにしても500色の色鉛筆。
色の名前は、結構長すぎる。
実際欲しい色を取って欲しいと誰かに頼む時は長々と言わなければならないのか…。
が、逆にゲームにしたら結構面白いかもしれない。
名前を聞いてインスピレーションでその色鉛筆を先に見つけた方が勝ち、というゲームだ。
もちろん飾っても綺麗だろう。