壁のシミが人の顔に見えてしまうのも、人面魚も心霊写真も、ほとんどが一つの現象で説明できるらしい。
なんでこの世には人顔が現れるの?
5月22日の「チコちゃんに叱られる!」3つ目の問題の回答者は「表情豊かな素敵な大人」、岡村が立候補した。
「これを見て!」とチコちゃんが言うと昔流行った「人面魚」の写真やカーテンの向こうに浮かび上がる顔の写真、月面にある顔などの写真が出てくる。
そして「いろんな所に人の顔って浮かび上がるんじゃない?なんで?」と岡村に聞く。
岡村は「たぶん全部錯覚だと思うんですね。ああいうのってなんでも…なんでも顔に当てはめてしまうんですよ。で錯覚なんですが顔として見えてしまっているだけなんです」と答える。
「それはなんのため?」と聞かれ「安心感!」と言うが叱られれる。
○チコちゃんの答え
⇒この世に次々と人の顔が現れるのは「∴」(三つの点)が人の顔に見えた方がたぶん生き残れるから
逆三角形の3つの点によって、顔に見える
詳しく教えてくれるのは、人の顔に見えてしまう現象について詳しい立命館大学綜合心理学部の高橋康介教授。
先生は「壁のシミが人の顔に見えてしまうのも、人面魚も心霊写真も、ほとんどが一つの現象で説明できます」という。
「この画を見てください」と出された絵はモナリザの絵。
「みんながよく知っているモナリザの絵。ま、こう見ると誰でも顔に見えるわけですが…」
先生によると、この画から様々な情報を消してしまっても実は人の顔に見えてしまうのだという。
「例えば顔の中から輪郭を無くしていっても顔に見える。目と口に点を置く、さらに元々の顔を無くしてしまいましょう。こうすると点が3つあるだけ、たったこれだけの情報なのに顔に見えますよね」と先生が言うと「はい、確かに」とスタッフ。
上に二つ、下に一つ、逆三角形の3つの点によって、(多くの人が)人の顔に見えてしまうという事。
顔じゃないようなものが顔に見えてしまう、というような現象を「パレイドリア現象と呼ばれている。
パレイドリア現象
目で見たものに対して自分が知っている別のものを当てはめてしまう現象の事。
多くの場合、目と目と口、人間の顔を見るうえで重要なパーツだと考えられているので目目口に対応するような三つの点があれば顔じゃないとわかっているけど、顔だという風に見えてしまう。
さらにパレイドリア現象が起きている時、脳の反応を調べたところ、実際に人の顔を見た時に反応する脳の部位と同じ部位が反応していることも研究で分かっている。
人の顔ではないものが人の顔に見えるのはなぜか
脳はなぜ、パレイドリア現象を起こして人の顔ではないものが人の顔に見えるのか。
一つの説としては、あいまいな情報やよくわからないものに対してパターンがある。例えば人の顔があるという風に見なした方が、人間は生き残るうえで有利だった、という話を検証している人もいる。
例えば森の中でなんだかよくわからないものを見た時、それが動物や人の顔に見えた方が生き残る確率が高いのだという。
点三つが敵だった。近づいたら襲われてしまうような状況だすると、本当は点が○○だけど、顔だと思って逃げておけば、実際に顔(=敵)だった場合、敵から逃げることができ生き残れたのかもしれない。
我々人間は、見知らぬものを何かに見立てることで生き延びてきたかもしれません。
ちなみに、人の顔だけに限らず、月で餅つきをしているウサギや手足の生えた野菜に見えてしまうのもパレイドリア現象にあたる。
※5月22日放送NHK「チコちゃんに叱られる!」参照・抜粋
まとめ
確かに点3つがあれば、顔に見える。
幽霊じゃない限り、おもしろがってわざと顔に見ようとすることの方が多い。
しかも顔らしく見えるほど、うける。
…これが「パレイドリア現象」か。