今年は新型コロナの影響で本来行われていた花火大会が中止されている。
もともと、死者の供養と疫病を追い払うための花火大会が疫病のために開催できない…なんと皮肉なことだろう。
でも花火師の天野さんは言う「花火が夜空に打ちあがるのは平和の象徴だと思っています。皆さんとご一緒に花火を楽しめる日を心待ちにしています」。
本当にその通りだ。
花火が打ちあがる時なんでヒュ~って音が鳴るの?
「この中で一番花火が似合う素敵な大人ってだあれ?」という事で岡村はゲストのヒロミを指名する。
(もう一人のゲストはフワちゃん)
チコちゃんに「花火と言えば思い出すのは?」と聞かれたヒロミ「思い出すのはロケット花火だけど、バァ~ンと…そういうのですけど」と手ぶりをする。
するとチコちゃんは「今年はいろんな所で(中止)残念よね。…花火の音真似(おとまね)してもらっていい?」と言う。ヒロミは若干躊躇するものの「ヒュ~…ドーン!」とやる。
それを聞いたチコちゃん「ヒューの音、なんで?…花火が打ちあがる時なんでヒュ~って音が鳴るの?」と聞く。
ヒロミは「ちょっと笛みたいのを付けてるんだと思うんですよ…」と言いさらに続けて話した答えがチコッたらしく「つまんねーヤツだな」と言われる。
そして「初登場で正解しちゃってんじゃん!」というチコちゃんに、ヒロミは「だてにたまにNHKに来ないんですよ」と誇らしげだ。
〇チコちゃんの答え
⇒花火が上がる時にヒュ~と音が鳴るのはちゃんと花火を見てもらうため
あの音はちゃんと花火を見てもらうためにわざと出している音
詳しく教えてくれるのは、花火を研究する事30年、東京大学の新井充名誉教授。
専門書も出す花火研究のプロフェッショナル。
「あの音はちゃんと花火を見てもらうためにわざと出している音なんです。実はヒュ~と音が鳴る花火には先生は笛が付いている」という。
花火を最初に見たのは徳川家康だった
日本で最初に花火を見たのは(諸説あるが)江戸幕府初代将軍徳川家康だという。
江戸時代に書かれた書物(※「駿府政治碌(江戸初期)」=駿府城における政治の記録・日記)によると1613年に中国の花火師が家康のもとを訪れ、花火を披露したという記録がある。
音が付いたのは花火大会が始まってから
「この時から笛は付いていたんですか?」とスタッフが聞くと「ついていなかったと思う。この時には、打ち上げではなくて手持ちのような花火と考えられているので音を鳴らす必要はなかったと思う」と言う。
ヒュ~という音が付いたのは花火大会が始まってからだという風に言われている。
花火大会の始まりは、徳川八代将軍吉宗の時代。
(コレラとも言われてるが)疫病が流行し、多くの死者が出た。
1733年、死者の供養と疫病を追い払うため隅田川で行われた「水神祭り」で花火が打ち上げられた。
※過去の放送でもあったがこの「水神祭り」が現在の隅田川花火大会のルーツとされている。
音が付いた理由
そしてこの祭りで花火を打ち上げるという行為が、花火に「ヒュ~」という音が付くきっかけとなった、という。
「花火大会と言えば屋台がありますよね、皆さん夢中で並びますよね。人もごった返しています。そんな中、ヒュ~という音がなく花火が打ちあがったと考えてください。花火は開いてから少し遅れて音がします」と先生。
実際の花火を見てみると、確かに少し遅れて音が鳴っている。
さらに先生は「いきなり音が“ドン!”となったのを聞いてから、振り返っても、もう遅いんです。せっかくの綺麗な花火を見逃してしまいますよね。そこで職人さんたちはちゃんと花火を見てもらうため『今からこっちで花火が上がりますよ』という、いわばウリとしてヒュ~という音を付けたんです」という。
花火職人のこだわり
「あの音の正体はこの笛です。ヒュ~の音はこれが鳴らしているんです」と小さな筒のようなものを手にして現れたのは「かぎや~」の掛け声でおなじみ宗家花火鍵屋15代目天野安喜子さん。
「これは口で吹くと音が鳴るんですか?」とスタッフが聞くと「これは口で吹いても音はなりません。これは普通の笛とはちょっと違って、これ自体も花火です」という。
笛花火
笛花火の筒の中には、燃焼した時に気体を発生させる火薬が詰まっている。
火薬が燃えて筒の中に大量の気体が充満すると勢いよく気体が勢いよく外に飛び出す。
するとヒュ~という音が発生する。
この笛には職人のこだわりが詰まっている、という。
笛の音がする花火は全体の2~3割。
「なぜ笛が鳴る花火と鳴らない花火があるのか?」…とフワチャンに質問がくる。
フワチャンは「派手な時になる、地味な時にならない」と答える。
正解は…
天野さんは「笛が鳴る花火の方がダイナミックなんです」という。
笛が鳴る花火はクライマックスや、その日のメインとなる、私たちが特に注目して欲しいここぞという時に使うアイテム。
「間(ま)」
ちなみに…
花火が打ちあがってヒュ~となった後に、バン!と花火が開くまで実は少しだけ間がある。
花火が打ちあがると…バンと開くまで少し間隔がある。
この「間」にも花火職人のこだわりがある。
この意図としてはいわば「じらし」だという。
「例えばジェットコースターって、カタカタカタって上がってすぐに落ちるわけじゃなくて上がった後に少し平坦な道がありますよね。あのドキドキ感と同じように花火にもあの間にはこれからどんな花火が見られるのか、観客に期待を持たせる私たちの演出なんです」と天野さん。
職人さんの観客を喜ばせるためのなんとも粋な計らい。
そして花火にはこれ以外にも様々な演出が施されている。
登朴付(のぼりぼくつき)
花火が打ちあがる時、光の線が真っすぐスーッと伸びていく花火、あれが登朴付。
花火に線が付くと、思わず目で追ってしまう。
そうすると、この花火はどの辺りで開くのか、方角と高さの目安がわかって、さらにどんな風に開くのか、などの期待感をあおる効果がある。
残念ながら今年は花火大会も中止や延期が多数。
そこで絢爛豪華な花火の映像をご覧ください、と言って流れた映像は…
・長岡祭り大花火大会(新潟)
・隅田川花火大会(東京)
・諏訪湖祭湖上花火大会(長野)
・江戸川区花火大会(東京)※ここでキョエちゃんの「かぎや~!」の声が入る。
(いずれも全国でも超有名な花火大会のもの、綺麗だった)
かつては疫病を払うために打ち上げられた花火来年は見事な花火がうちがりますように…というナレーションが入った。
そして天野さんも「花火が夜空に打ちあがるのは平和の象徴だと思っています。皆さんとご一緒に花火を楽しめる日を心待ちにしています」と言っていた。
※8月8日「チコちゃんに叱られる!」参照・抜粋
まとめ
花火で思い出したが昨日放送されたアニメ映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』。途中で寝てしまって「花火は実際に横から見るとどう見えるのか?」の答えがわからずじまい…
調べてみると…答えは「360℃どこから見ても丸」らしい。
あースッキリした。
花火は、やはり日本の粋が随所に込められている素晴らしい文化だ。
疫病払いのための花火なのに、その疫病のために打ち上げることができないという今…
なんともつらい時代だが、乗り越えたらまたあの素晴らしい花火が見られると信じようと思う。
そうだな、YouTubeで全国の花火の動画を見るのもいいかもしれない…