ラーメンどんぶりと言えば、ぐるぐる巻きの模様…
あの模様は「雷紋」(または「稲妻紋」)といい、ウィキペディアによれば「万物、田畑を潤す雷雨を表す紋様のため、豊作、吉祥の象徴と考えられている」そうだ。
なんでラーメンと言えばぐるぐる模様のどんぶりなの?
7月18日「チコちゃんに叱られる!」のゲストは「この番組にすごい出たい!」と思っていた夏木マリと体操のお兄さんを14年間務めた11代目小林よしひささん。
チコちゃんが「この中で一番、どんぶりが似合う素敵な大人ってだあれ?」と聞くと夏木が手をあげる。
「ラーメンどんぶりと言えば、淵にぐるぐる模様が付いている。なんでラーメンと言えばぐるぐる模様のどんぶりなの?」と聞くと考え込む夏木。
そして「今はラーメンは日本の食べ物になっているが昔は中国から来ました。中国から来た時の器がたまたまあれだった」と答える。
が「それは見たの?」と聞かれ「…先祖が見て、代々言い伝えらえているの」というものの「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と言われてしまう。
〇チコちゃんの答え
⇒ラーメンと言えばぐるぐる模様のどんぶりなのは九谷焼やさんが作ったから
詳しく教えてくれるのは…
かっぱ橋道具街で111年の歴史を持つ、かっぱ橋陶磁器専門店4代目社長、本 健太郎さん。
あの模様(雷紋)は九谷焼を参考にした
本さんは「ラーメンどんぶりにぐるぐるした模様が入ったのは九谷焼を参考にして作ったんです」という。
九谷焼とは石川県九谷村(現在は九谷町)発祥とする磁器のこと。
鮮やかな色彩と細かく美しい絵付けが特徴。
ウィーン万博がきっかけで大人気に
九谷焼の歴史は江戸時代初期から始まり、明治6年に開催されたウィーン万博がきっかけで世界中で大人気になった。
開国直後の日本が初めて公式参加したウィーン万博で上質な物産を世界にアピールしようと九谷焼を出品したところ色鮮やかな絵付けが大ヒットし海外からの注文が殺到した。
本さんは「当店の初代本清太郎が九谷焼は海外だけでなく、絶対に東京で売れると思って出てきた、という事を聞いている」という。
九谷焼を販売するために上京した本清太郎。彼がラーメンのどんぶりを作ることになったきっかけとは?…という事で「NHKたぶんこうだったんじゃないかリモート劇場」が始まった。
ラーメン、つけ麺、本イケメン
明治42年かっぱ橋…
初代店主の本清太郎(役:山西惇)は“こんなにきれいな皿なのになんで売れない?”と困っていた。
(本さんは「九谷焼は生活の器というよりも装飾品として扱われていたので当時の庶民が買うには豪華すぎるという事で、需要も少なく販売に苦戦していたと思う」という)
そんな彼に、妻 さを(役:松永玲子)は「元気出して」と励まし、気晴らしに浅草へと誘う。
かっぱ橋からほど近い浅草は、当時から一大観光スポットで多くの劇場や飲食店が立ち並び日頃から人々でにぎわっていた。
お腹が空いたというので、当時評判だった中華そば(当時はまだ日本ではなじみのなかった中華そば…後のラーメン)を食べようという事に…
明治43年に開業した浅草の中華料理店が中華そばの販売を始めた所、これが大変美味しいと浅草では評判になっていた。
「こんなに美味しいお店なら、これからももっと繁盛するでしょうね」という妻の言葉に中華そばの流行を確信した清太郎は「そうや!九谷焼にこだわらんとどんぶりを中華そばのお店に売ったらどやろ!」と九谷焼を諦め、どんぶりを売ることを決意した。
やがて中華そば(今でいうラーメン)は大人気になり、浅草以外の街でもラーメンを扱うお店が増えていった。するとそれらのお店からラーメンのどんぶりの注文が殺到。いつしか清太郎の店はラーメンどんぶりの店として有名になっていた。
どんぶりに雷紋を取り入れ大好評に…
そんなある日…
清太郎は、ラーメン店の店主から「それ、もっと中華そばに合う中国っぽいどんぶりにならないかね?」と言われる。
“中国っぽい?どういう事?”と悩んでいた清太郎に、妻が九谷焼の皿を拭きながら「中華そばのどんぶりも大事だが九谷焼きを忘れていないか」という。
その九谷焼の皿を見た清太郎は、模様の中にもともと中国の模様を見つける。
その模様は雷紋という九谷焼ではなじみ深い模様。これは中国の伝統的な模様で建築物や磁器などに古くから描かれていた。日本に持ち込まれた中国の磁器から九谷焼の職人たちは雷紋を取り入れ以降九谷焼でもおなじみの柄となった。
「この中華そばのどんぶりにその雷紋を入れたら中国っぽくなるんじゃないか」と清太郎。
(本さんは、一つのどんぶりを見せて「これは当店にある一番古いどんぶりで大正時代のもの。清太郎が最初にデザインしたラーメンどんぶりに近いデザインと聞いている。清太郎は九谷焼でも馴染みの深かった雷紋とか模様を入れることで九谷焼きの製品を残したかったのではないかと思っている」という)
雷紋を入れたどんぶりをラーメン店に売り込んだところ、中国らしい雰囲気が出る、と大好評。その後、屋台ブームと共に雷紋入りどんぶりも瞬く間に広がり、いつしかラーメンのどんぶりと言えばぐるぐる模様というイメージが定着した。
…VTRが終わって「こんな感じでしょうか」とスタッフが本さんに聞く。本さんは「まぁ、そんな感じじゃないですかね」と笑顔だった。
ラーメンどんぶりの紹介
最後は、ラーメンどんぶりを売って40年の本さんから、皆さんにぜひ知ってもらいたいラーメンどんぶりの紹介があった。
切立高台6.5丼(きりたちこうだい)
特徴:切り立った側面。一般的などんぶりよりもスープが少なくて済む。
解説:ラーメン屋さんにとってみればスープは原価率が高いものなのでラーメンのスープをある程度節約しながら美味しいラーメンを安く売るにはこういう形が喜ばれる。
7寸玉丼
特徴:どんぶりの口が大きいので具材の多いラーメンや背脂系のラーメンにおススメ。
解説:たくさんの背脂をどんぶりいっぱいに乗せることによってスープが冷めにくくなる。
富士型丼
特徴:富士山のような形と底の面積が小さく淵の白い部分が広い。
解説:濃い色のスープ、特に赤い色が映えることで人気。
タンタンメン、フレンチ系のラーメンのお店とかでこういう形が好評。
※7月18日「チコちゃんに叱られる!」参照・抜粋
まとめ
普段何気なく見ているラーメンどんぶりだが、ラーメンどんぶりにもいろいろ形があって、それぞれ特徴もあって…なるほどな、と感心した。
今回は、ゲストもリモートではなくスタジオに登場。若干のソーシャルディスタンスの距離もあったが…少しずつ日常が戻りつつあるのかなと感じた。
その他の問題
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