温めるための「はー」と冷ますための「ふー」。
…そう言えば、この違いって、何だろう?
12月21日の「チコちゃんに叱られる!」は「年末拡大スペシャル」。4つ目の問題は「はー」と「ふー」についてだ。
「この中(岡村隆史・陣内孝則・河北麻友子・高橋ひとみ)で、寒い冬にたたずむ姿が似合う素敵な大人ってだあれ?」という事で、岡村は高橋を指名する。
「ふー」と「はー」で温度差があるのはなぜ?
手が冷たい時は「はー」、熱い料理を冷ます時は「ふー」とする、という高橋に「どうして?」と聞くチコちゃん。
高橋は「『はー』は温かい息が出て、『ふー』は冷たい息が出る」と答える。
するとチコちゃん「なんで『ふー』と『はー』で、温度差があるの?」と聞く。
「そういうものだから」と簡単に答える高橋だったが、チコちゃんに「ぼーっと生きてんじゃねーよ!」と怒られる。
◯チコちゃんの答え
⇒「ふー」と「はー」で温度が違うのは、「ふー」は「はー」より空気を巻き込んでいるから
正解を聞いても、みな、ピンとこない…
「ふー」と「はー」は、温度が違う
「室内における熱と空気の流れ」について研究している大学教授によれば…
「熱い時に『ふー』、寒い時に『はー』は、気のせいではなく確かに温度が違う」そうだ。実際に(計器)を使って学生にやってもらいそれぞれの温度を測定してみると…
温める時の「はー」32~33℃
冷ます時の「ふー」約27℃
だった。
だが、口から出る時(口元)の温度を測ってみるとどちらも33~34℃だった。
口元では同じ温度だが手のひらに届いた時の温度は違う
そこで今度は赤外線で物の温度を測ることが出来る装置「サーモトレーサ」を準備。
息を紙に当てて温度を測定する。
⇒温度別に色が出るので息の温度の広がりが一目瞭然になる。
ポテンシャルコア
教授によれば、「ふー」と「はー」で温度が違うのは「ポテンシャルコアのまま届いているか、が違うから」だそうだ。
◯ポテンシャルコア=自分の吐き出した空気が周りの空気(青領域 約25℃=温度が低い)とまじりあわずそのまま届く領域のことで「サーモトレーサ」で表示される白領域(34℃=温度が高い)。
実際、見てみると、
口を大きくして吐き出す(温める)「はー」と、
口をすぼめて吐き出す「ふー」とでは
ポテンシャルコアの長さに大きな違いがあった。
「はー」のポテンシャルコアの方が「ふー」より太くて長かった。
「ふー」のポテンシャルコアが短い理由
温かい息が、すぐに周りの空気に削られるため、暖かい空気が届く距離が極端に短い。
周りの空気の温度(約25℃)は息の温度より低いので、周りの空気を巻き込めば巻き込むほど、空気の温度に近づいて下がる。
「ふー」は本当に空気を巻き込んでいるのか
スタッフが実験してみた。
教授が、スタッフに普通のゴミ袋を渡し「できるだけ早く膨らましてください」と指示。
方法1…空気を巻き込まないように袋の口をすぼめて膨らます
スタッフは、周りの空気を巻き込まないように自分の息だけで膨らませる。
⇒22秒かかった。「まぁま、きついっす」とスタッフ。
方法2…袋の口を広げ、口から30㎝離し、周りの空気を巻き込ませる「ふー」の体制で膨らませる。
⇒2秒で膨らんだ。(予想以上に速いのでビックリした)
その理由は
「ふー」の息は強い。空気は流れが速いと周りの空気を巻き込んで一緒に流れていく性質がある。空気が早く流れると周りの空気がそこに引っ張られ一緒に流れていく。
「ふー」と吐いた息は、「はー」より勢いが強いため、どんどん周りの空気を巻き込んで、温度が下がり冷たく感じる。
結論
「はー」は、ポテンシャルコアの息
「ふー」は、周りの空気を巻き込んだ後の息
これが温度差の正体だ。
※ふーの空気の巻き込みについて
ポテンシャルコア内でも空気の巻きこみは行われていますが温度への影響はほとんどありません。
まとめ 「巻き込まれチャーハン」の話
「ふー」と「はー」に温度差があるとかないとか考えたこともなかった。が、人間はこういう物理学的な理由も知らずに、この温度差を無意識に使い分けていたということになる。なんだか不思議だ。
最後に教授から「チコちゃんが、巻き込まれたことって何かな?」と質問。
するとチコちゃんは「チャーハンの巻き込まれっていうのがあるわね」と言う。
中華屋さんでチャーハンを頼んだ時、他のグループが「こっちもこっちも」という。
すると3人前になる。
「私一人のために作った時のチャーハン」と「他の客と一緒に3人分に作った時のチャーハン」のポテンシャルが違う。
証明するすべがない…それを「巻き込まれチャーハンっていうの」
…と言っていた。
※12月21日「チコちゃんに叱られる」より参照・抜粋