確かに、子供は縁石を見つけたら必ずと言っていいほど渡りたがる。
でもそれには理由があって、しかも子供たちにしてみれば、限界に挑戦して能力を高めている最中だという。
よっぽど危なくなければ、なんなら大人も一緒に縁石を歩いてみることも悪くないかもしれない。
なんで子供は縁石の上を歩きたがるの?
今日の「チコちゃんに叱られる!」は放送100回記念で久々の拡大版。
ゲストは笑福亭鶴瓶と天海祐希…
チコちゃんが「この中で一番、子供心をいつまでも忘れない素敵な大人ってだあれ?」と聞く。
これには岡村が立候補。
チコちゃんが縁石の上を歩いている女の子の写真を数枚を見せる。
そして「なんで子供は縁石の上を歩きたがるの?」と聞く。
岡村は「あの~、真っすぐになっているから自分が生まれてくる産道、その感覚がずーっと、ある程度まであって…だからああいうのがあったら無意識のうちにそこを歩いてしまっている」と答えるもののチコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と言われてしまう。
〇チコちゃんの答え
⇒子供が縁石の上を歩きたがるのは、限界に挑戦して己の能力を高めるため
限界に挑戦しておのれの能力を高めようとしている
詳しく教えてくれるのは…子供の行動と環境を研究している聖隷クリストファー大学細田直哉准教授。
「子供が縁石の上を歩きたがるのは、限界に挑戦しておのれの能力を高めようとするから」と言う。
子供に起こる2つの現象とは
先生によると、縁石の上を歩く子どもには2つの現象が起こっているという。
一つは「新たなアフォーダンス」の発見。
アフォーダンス
アフォーダンスとは、過去の放送「ボタンを見れば押すものだと思うのはなぜ」でもお伝えした概念のこと。
・ボタンは押す
・出ているティッシュはつまんで取る
・ドアノブは握って開ける。しかも形によって握り方が変わる
このように私たちが普段行っている動作の手がかりを与えてくれる環境や特徴の事を言う。
(他には、コーヒーカップの取っ手、」水道の蛇口、ガスコンロのつまみ、傘の握りなど)
https://www.takumi-inv.com/tiko-botan-ose
赤ちゃんは、このアフォーダンスを発見することによって新たな動作をどんどん学習していく。
そして子供にとって縁石はアフォーダンスの対象になっている、という。
先生は「例えば地球の平らな道には歩きのアフォーダンスがある。そこにちょっと高いブロックを並べてみたら…子供はちょっと高い所をバランスをとって歩く。そういうアフォーダンスがあることを発見して、その上を歩いていく」と言う。
子供が道でブロックの存在を認識すると、平らな道を歩くよりは少し難しそうなブロックの上を歩くという新しいアフォーダンスを発見する。すると自然とブロックの上を歩くようになる。
先生は「より挑戦的な新しいアフォーダンスを発見してそれに挑戦することで自分の能力を高めようとしている。自分の限界を超えて能力を高めたい気持ちがあるんですね」と言う。
常に新しいアフォーダンスを発見し行動する、
これを積みかさねることで子供は自分の能力を高めていく。
フロー体験
さらに縁石の上を歩きたがる子供の中でアフォーダンス以外にもう一つ起こっていることがある。
それがフロー体験。
フロー体験とはスポーツでよく耳にするいわゆるゾーンのこと。
人は限界に挑戦することで集中力が高まって時が止まったように感じたり、通常では出せないような力が発揮できることがある。
しかし自分の能力と比べて簡単すぎる挑戦は退屈になり、難しすぎる挑戦は不安になる。
この「できる」「出来ない」がちょうどよいバランスの限界ギリギリの挑戦をすることをフロー体験といい、楽しさや充実感を得ることができる。
楽しさや充実感を求めて繰り返しフロー体験に入ることで、人は結果として自分の限界を超え成長できる。歩き始めた子供は歩くことでフローを感じ自分の限界を超えて成長できる。
しかし、もう少し大きな子供になると、平らな道をただ歩いていると成長できず退屈になる。
そこで子供は、歩く以外の事に挑戦してフロー体験を感じようとしている。
さらに…
いわゆるごっこ遊びのような想像を加えることで効果的にフロー体験に入り込むことができる。
・ここを踏み外したらワニに食べられるぞ!
・踏み外したらマグマに落ちちゃうぞ!
…なんて想像してわくわくした経験はないだろうか?
子供があえて自分を追い込むような想像をするのは、フロー体験の入り込もうとする行動だという。
大人は?
大人になると縁石の上を歩いたりしなくなる。
先生は「大人は歩くことは単なる移動手段になってしまう。人に見られると恥ずかしい気持ちもあって自分を抑えてしまうんですよね。でも大人も意識の底の方では本当は自分の限界を超えて行きたいと睨んでいる(?)はずですから」という。
そこでスタッフは、横断歩道の白線の上だけを歩いている人がいたらバランスをとることを楽しんでフロー体験に入っているに違いないと考え…横断歩道でフロー体験をして自分の限界に挑戦している大人を捜索してみた。
横断歩道を歩く人を撮影しながら探す
スタッフは、横断歩道にカメラをむける。
1日目、2日目…だが、自分の限界を超えたいと思っている人は、なかなか現れない。
諦めかけていた12日目、向こうから歩いてくる1人の男性の足元を見ると…足が白線の上に(確かに白線だけを選んで歩いている)。
スタッフはその男性にインタビューした。
「横断歩道の白線を歩いていましたね?」と聞くと男性は「はい。歩いてました」と答える。
“いた!きっとこの方は自分の限界をこえようとしていたに違いない”
スタッフが「今、限界とかに挑戦していることってあったりしていますか?」と聞いてみる。
すると少し考えてから「…マンションの高い階層に住んでいて窓の外から家の中を見られることがない。基本、家では裸なんですよ。ちょっとカーテン開けたりしますね(裸を見られない限界ギリギリに挑戦している)」と答えていた。
※8月22日「チコちゃんに叱られる!」参考・参照
まとめ 先生から親御さんに向けて…
最後に先生から親御さんに向けてこんな言葉があった。
「子供たちは無我夢中で縁石に上がったりすると危ないからやめさせたいという親御さんは多いと思う。子供たちにしてみれば、限界に挑戦して能力を高めている最中ですので安全には十分に気を付けて見守ってあげてください」
これからは縁石を歩いている子供を見たら怒るのではなく、見守ろう、と思った。
その他の質問
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