確かに、電話に出る時、女性に限らずの声の高さが変わる事はよくある。
昔、職場で、電話の場合、高い声の方が相手が聞き取りやすい、と教えられた気もするのだが…
日本では好印象のはずの高い声が実は外国では「何かを隠してる」とか「怒り・悲しみを表現する」と思われているらしい。
外国の人と話す時は、気を付けた方がいいかもしれない。
10月12日の「チコちゃんに叱られる」の最初の問題は「女性は電話で声が高くなる」という話だ。
チコちゃんがゲストの高橋みなみと立川志らくを紹介する。「すっかり秋でございますが、まずはこの番組常連、たかみなちゃんでございます。…そして初登場、今や毒舌コメンテーターとしもお馴染み、立川ボーイズでございます。」(※立川ボーイズ=1990年に立川談志門下の立川談春・立川志らく・朝寝坊のらくで結成されたユニット)
すると志らくが「ずいぶんマニアックな…殆どの人はわかんない。」というと「グループ名で紹介することになってんの。…「志らくちゃん」でいこうか。」とチコちゃんが言う。
なんで女性は電話に出ると声が高くなるの?
「ねぇねぇ岡村。この中(岡村・高橋みなみ・立川志らく)で一番美しい声で、お話しする大人ってだあれ?」と言われ、岡村は、たかみな、志らくと顔を合わせるが…たかみなが選ばれる。
チコちゃんは「電話かけるよね」とたかみなに聞く。「はい」とたかみな。
「偉い人から電話がかかってきた時、どんな感じで電話に出るのか…チコが電話かけるからね」と実際やってみた。
チコちゃん「もしもし秋元だが…くーにーべーたー(焼き肉食べに行く?)行く?」
たかみな「え?なんて」
チコちゃん「し~すー(寿司)でもいいわよ」
たかみな「し~すーいいですね」
するとチコちゃん「ねぇ、ハイ。ちょっと声高くなったわよね?」と聞く。たかみなは「ま、確かに」と答える。
チコちゃんは志らくにも聞く「志らくちゃんもさ、電話だと声が高くなる?」すると志らく「私はね、自分より偉い師匠の談志が死んじゃったから、まず自分よか偉い人からかかってくることないですね。」と答え、笑いが起こる。「そうなってしまいましたか」と岡村。
チコちゃんが「女性はさ、母親とかさ『あんたしっかりやりや~』言いながら『ハイ岡村です(高い声)』って言ってなかった?」というと「言ってた」と岡村。
「声高くなってたでしょ?なんで女性は電話に出ると声が高くなるの?」とチコちゃんが改めてたかみなに聞く。
するとたかみなは「わぉ!」と驚いた?が「赤ちゃんが生まれた時にちょっと高くなりません?あ~、よしよし、みたいな、その波動?」と答える。が「ぼーっと生きてんじゃねーよ!」と言われてしまう。「だめか~。結構きたかと思ったのに」と残念がるたかみな。
実際番組でも、モニターを使って普通に話す時と電話に出た時の声の高さの違いを検証した。やはり、対面でしゃべるより電話の声の方が高くなっていた。
○チコちゃんの答え
⇒ちっちゃいと思われたいから
声の高さは、声帯の太さや長さが関係している
日本語の声の発生について研究している准教授によれば…
声の高さは、声帯の太さや長さが関係している、とのこと。
・子供(体が小さい人)は声帯が細くて短い⇒高い声
・大人(体が大きい人)は声帯が太くて長い⇒低い声
つまり、高い声の人は=体が小さいと推測される。
体が小さい=力が弱く危害を加えない、かわいらしく無害だという事を連想させる
例えば「赤ちゃんをあやす時高い声を出すのは、自分が小さくて無害である事を示すため」。
電話の場合、表情などで自分の態度を相手に伝えることはできないので声の高さ、声質、話し方を演出して、自分の印象を特徴付けている。
結論:電話で高い声を出すことで、自分が無害であることをアピールし相手に安心感を与えようとしている。
アメリカでは女性の電話が高くならない?
これは、先生の見解だが…女性の電話が高くなるのはアメリカでは起こらない現象で日本独特のものだという。
スタッフが実際、渋谷にいるアメリカの女性に、普段の声と電話の声の高さを意識するか聞いてみると意識はしていないという。そして「もし自分が少し高い声で話したら、私はミッキーマウスになっちゃうわ」と答えていた。
さらに別の女性も「電話の時に声は変えない、高い声は一般的に怒り・悲しみを表現するもの」だという。
アメリカ人女性は電話の時に声を高くする習慣があまりないようだ。
外国人と日本人の声の高さに対する印象の違い
「もしもし森田でございます」「ぼーっといきてんじゃねーよ」などの言葉を、日本人と外国人に高い声と低い声で聴いてもらい、どちらの方が印象がいいか、聞いてみた。すると…
日本人は…
「年齢が若くてシャープ」「いい印象、感じがいい」「低い声は怖い」など、25人中23人が「高い声の方がいい印象」と答えた。
一方、同じ内容の言葉を外国人に聞かせてどちらがいい印象だったか聞くと…
「高い声は金属的、機械的の様だった」
「低い方がより丁寧、真面目でプロの印象」
「(低い声は)成熟した女性」という意見が出た。
さらに、あるフランス人女性はお店で「高い声で『いらっしゃいませ~』と言われたんだけどフランス人はそんなことしないからすごい悪い気分になった」と言っていた。
もちろん高い声がいいと答える外国人もいた。「若い」「かわいい」印象だという。ヨーロッパの人にとって高い声は「典型的な日本人の声のイメージ」だという。
外国人25人中、高い声がいい、と答えたのは12人、低い声と言う人は13人と好みが分かれる結果になった。
なぜ声の印象に差があるのか
先生の推測だが…
・アメリカ人などは低い声で話すことでことで大人の成熟性や自立を示した方が良しとされる文化
・日本は小さな子供のような高い音で話すことで相手への従順性を示すことでコミュニケーションの円滑化を図る文化
この文化の違いが電話の声の違いに現れているのかな、と思う、と言っていた。
※これは、諸説あるらしい。
追加情報によれば…
・スペイン人の男性「声を変えるという事は、何かを隠しているみたい」
・アメリカの女性は「談話が苦手なので早く終わらせたい時、あえて高い声を出して、相手を不快な印象を与えて、早く電話を切りたいと思わせる手法をとっている」そうだ。
感想を聞かれたたかみな「ビックリしました」と答える。岡村も「意外やね」という。チコちゃんが「アメリカじゃぁ、なんかね、機械的になるから、ダメなんだってね」と言っていた。
すると志らくが「高い声が外国へ行って悪印象だと、我々海外旅行行く時、これ考え直さなきゃいけないですね。英語なんかしゃべれないけど『エクスキューズミー』ぐらいは言えるから、腰低くなって「(声を高くして)『エクスキューズミー、エクスキューズミー』と(言ってしまう)。」
確かに、これは頭の隅に入れておいた方がいいかも。オリンピックもあるし…
まとめ
チコちゃんが志らくの紹介をする時、談志師匠のところに弟子入りした時のエピソードを紹介した。「…(志らくが談志師匠のところに)弟子入りした時、築地で『修行してこい』と言われたら『いやでございます』って断ったのよ。『じゃぁ、お前は破門だ』と言われたら『破門も嫌でございます』って言ったのよ。恐ろしい人よ、この人」とチコちゃん。
すると志らくは「いやいやそれで師匠にかわいがられた」と答える。チコちゃんが「不思議な人なのよ」と言うと、志らくは「チコちゃんなんでも知ってますね」と笑い「おみとおし!」とたかみなも言う。
毒舌のコメンテーターを簡単に「志らくちゃん」と呼べるチコちゃんも恐ろしいかも…。
10月12日「NHKチコちゃんに叱られる」より 参照・抜粋