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路線バスにボタンが付いたのはなぜ?

チコちゃんに叱られる

バスに付いている降車ボタン。
このボタンが付くある社会的なきっかけがあったというのだが…そのきっかけとは?

なんで路線バスにボタンが付いたの?

いよいよ5年目に突入した4月2日「チコちゃんにられる!」。
ゲストは石原さとみ(リモート)、井上祐貴。

「この中で一番バスや電車を上手に乗りこなす素敵な大人」という事で、井上が指名される。

チコちゃんに「なんで路線バスにボタンが付いたの?」と聞かれた井上は「降りたい人がいない時に、かつ、バスに乗りたい人(バス停で待っている人)がいない時に止まらずに通行止めを避けることができるから」と答える
チコちゃんは「止まらないために付いているということね」と確認するが…井上は叱られた。

◯チコちゃんの答え
⇒路線バスにボタンが付いたのは女性が夜、働けなかったから

かつて路線バスには、運転手さんと車掌さんが乗っていた

詳しく教えてくれるのは、公共交通の歴史や商業の歴史を研究する大阪商業大学総合経営学部山内正往教授。

「かつて路線バスには、運転手さんと車掌さんが乗っていて、扉の開け閉め、切符の販売、後者客の確認などは車掌さんの仕事だった」という。

明治36年(1903年)広島と京都で日本初の乗り合いバスが誕生した。
しかし、ライバルの乗り合い馬車からの妨害や、車両の故障も多く、本格的な運行はまだまだだった。

大正時代になると自動車の信頼性が上がり、数人乗り乗り合いバスが増えていく。
そして大正8年には東京市で(現在の東京23区)、東京市街自動車が営業を開始する。

そこで少年車掌と呼ばれる男子の車掌がバスに乗ることになった。
しかし…

バスの評判は上々で、客足は増えているのに、一向に売り上げが伸びない。
実は車掌が運賃の一部をちょろまかしていた(身体検査をしたら、帽子や靴下にお金を隠していた)。

女性バス車掌誕生

そこで目を向けられたのが、職業婦人と呼ばれた働く女性。
大正時代、デパートガールやウエイトレス(またはタイピスト、電話交換手など)といった新たに増えた職業に就く女性が増え、彼女たちは職業婦人と呼ばれた。

当時社会進出した女性は真面目に働く印象が強かったため、女性に任せてみようという事になり、女性車掌を募集すると多くの募集がきた。

こうして大正9年、37名の女性バス車掌が誕生。
当時珍しかった洋装の制服で登場すると瞬く間に大人気。

襟が白かったことから白襟嬢と呼ばれ、彼女たちが乗っているバスを選り好みする乗客もいたという。
実際女性の車掌にしたことで、料金のごまかしが減った。

さらに客も増えてバス会社は大成功。
バスの車掌は女性の花型職業という事が定着した。

その後、戦後の復興と共に人の流れが増えるとバスの需要が高まった。
利用者が増えるとバスの本数を増やして欲しいとか、運航時間を延長して欲しいという要望が出てきた。

だが、そこである問題にぶち当たった。
それが労働基準法。

昭和22年に施行された労働基準法では、一部の業種を除いて女性を夜10時から朝5時まで働かせることを禁止していた。

ワンマンバス登場

夜遅くまでバスを走らせると女性の車掌は乗車できない。
そこで考えられたのがワンマンバスだった。

運転手一人しか乗らないワンマンバスにすると、車掌さんの仕事は全て運転手に引き継がれる。

まずドアの開閉。
元々は、ドアの横にいた車掌さんがドアの開閉を行っていたが運転席にドアの開閉スイッチが付いた。

続いて料金の徴収。
これは運転席の横に料金箱を設置することで運転手ができるようになった。

降車ボタンの設置

そしてもう一つ、車掌さんが大事な仕事は降りる客の確認。
降りたい客は、降りる意思を挙手や声で車掌さんに伝えていた。

しかし車掌さんがいないと運転中の運転手には確認できない。
また走行中の運転手に話しかけるのは、運転の妨げになるので原則禁止されていた。

そこで誕生したのが、降車ボタンだった。

こうして昭和26年大阪で車掌さん無しでも運航できるワンマンバスが誕生。
合理化が出来た、という事で人員削減が始まり、女性の花型の一つだったバスの車掌さんという仕事が徐々に姿を消すことになってしまった。

女性車掌さんの代わりに生まれた降車ボタン、当初はボタンを押すとブザーが鳴り、運転席の停車表示灯(ランプ)が光って知らせていた。

昭和30年代になるとボタン自体が光って次のバス停に泊まることを知らせるタイプが登場した。

すると、突然先生から問題が出される。

Q…「岡山県の路線バス『たまバス』の降車ボタンの音はどんな音?」
A…猫の鳴き声。「つぎ・とまるニャ~」というお知らせも付いている。

和歌山の系列鉄道に岡山出身の猫の駅長「二タマ」がいることにちなんで、バスのデザインと降車ボタンの音を猫にした。(和歌山県・貴志駅駅長「二タマ」)

Q…「現在高速道路を使わない日本一距離の長い路線バスの所要時間はどれくらい?」
A…およそ6時間30分

奈良県の大和八木駅から和歌山県の新宮駅までを結ぶバスで距離は169.8km。
停留所の数は168。

十津川温泉や世界遺産熊野古道をめぐる路線。
(バスに)トイレは付いていないが、停車時間の長い停留所が3ヵ所ある。
(運転手さんは交代なし)

※以上4月2日NHK「チコちゃんにられる!」より抜粋・参照

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