高校野球部の女子マネージャーがランニング後倒れ、意識不明状態に…。
約2週間後、死亡したという。
死因は「低酸素脳症」。
痛ましい話だが「低酸素脳症」とはいったいどういうものなのか調べてみた。
低酸素脳症…脳に酸素が行かなくなって起こる障害
「低酸素脳症」は、知っているか知っていないかで、その後に与える影響が大きい病気と言える。
事故の概要
学校によれば…
7月21日、女子マネージャーは、午後5時半過ぎ野球部の町営野球場での練習に参加。
練習は午後7時半ごろ終わった。
この女子マネージャー、いつもは用具などを詰み込むマイクロバスに乗って行き来していたが、怪我をした部員がバスに乗ったので、監督は「自分のペースで走ってこい」と指示したらしい。
それでこの時は、学校まで男子部員と一緒に走って帰ってきた。
その距離は約3.5㌔、25分ぐらいかかったらしい。
そして、学校についた直後、玄関で倒れた。
その後病院に運ばれ意識不明の状態が続いていたが、今月5日、亡くなったらしい。
死因は「低酸素脳症」
低酸素脳症とは、簡単に言えば「脳に酸素が行かなくなって起こる障害」だ。
おもに循環器不全や呼吸器不全から生じるらしい。
呼吸器不全とは何かの原因で呼吸がうまく出来ないことをいう。
その為「酸素を十分取り入れられず、脳に酸素がいかなくなる」のだ。
重度の貧血、一酸化炭素中毒も、ある意味(貧血性の)この障害の原因になるそうだ。
なので、あくまでもニュースが伝える概要から読み取るとすれば、もしかしたら「(普段走り慣れていない?)彼女が(運動慣れしている他の部員と?)3㌔以上走ったことで、呼吸不全を起こした可能性」が出てくるかもしれない。
低酸素脳症の症状
意識不明になる。
が、すぐ(5分以内)酸素供給が出来れば、一時的な判断力低下などで済んだり、軽い障害が出ても回復の可能性はあるらしい。
酸素供給ができず5分以上経つと…
脳の弱い部分からダメージを受けていく、らしい。
最悪、昏睡状態に陥ることもあるという。
低酸素脳症の対処法
対処法としては、一刻も早く脳に酸素を送ることなので心肺蘇生法(一次救命手当て)をする。
人工呼吸
人間が吐き出す空気に含まれる酸素濃度は16%。
(大気中の酸素 濃度が20%)大気よりも少ないが、生命を維持するには 十分な酸素濃度なのだそうだ。
今回の場合
今回の場合、駆けつけた監督は「(弱いが)呼吸がある」と判断したため、AEDは使用しなかったらしい。「低酸素脳症」を疑っていれば、人工呼吸ぐらいはできたかもしれないが…
実際、意識を失った人を目の前にしても「低酸素脳症」か、どうかなんて、素人はわからないだろう。
今時期なら脱水症状や熱射病の可能性も十分ある。
呼吸をしている、と思えば心肺蘇生(AED)をやったらいいのかやらなくてもいいのか、判断に苦しむ。結局プロに任せるべきだ、ということになってしまう。
彼女をバスに乗せていれば、と…
監督はもちろん、その時いた部員も後悔しているかもしれない。
本当にかわいそうだ。
業務上過失致死か?
警察は「業務上過失致死の疑い」も視野に入れているという。
監督が「低酸素脳症」を知っていたか?
監督は「低酸素脳症」知っていなければならないのか?否か?。
監督は、対処できたか?判断は間違っていたのか?
と、あらゆることが今回の事故で注目されるだろう。
まとめ
かけがえのない娘だったはずだ。
過失かもしれないとはいえ、なんとかならなかったのか、と思うだろう。
亡くなった女子マネの家族のことを思えば、またそれも悲しい。
学校のクラブ活動、特に運動クラブは、必ずしもプロの監督がいるわけでもない。
素人の先生がやっている場合も多いはずだ。
監督や顧問の先生は「低酸素脳症」に限らず、生徒の怪我でもなんでも、こういう時の対処法を、ちゃんと知っているのだろうか?
私なら怖くて、顧問や監督はできないな。