「…首相を見ていると本当は行きたくないと感じる。インフルエンザも、はやっているので罹患(りかん)するという手もある」
これは、首相が韓国で行われる平昌(ピョンチャン)冬季五輪の開会式に出席することについて、国会で自民党の宇都隆史氏(うとたかし、43歳)が、言った言葉らしい。
「罹患」とは、病気になること。
これはまるで「出たくないなら、ずる休みしてはどうか」と言っているようなものだ。
2018年平昌オリンピックが、いよいよ2月9日から始まる。
この開会式に安倍首相は最初「出ない」と言っていたが、結局「出る」と表明したのが1月24日の事だった。
その経緯は、ともかく、その後、自民党内では「出なくていい」という首相の五輪出席に反対する意見が大勢を占めていた。そんな中での、宇都隆史参院議員の今回の発言、というわけだ。
罹患(りかん)するという手もある
1月31日の参院予算委員会で、質問に立った自民党の宇都隆史氏は
「本当は行きたくないとも感じる。最後は行くのをやめようと思ったら、インフルエンザに罹患(りかん)する手もある」さらに「ある意味危険な地域に行くので、身辺警護なども含めて万全を期しながら無事に帰ってきていただくことを望む」
と言ったらしい。
罹患とは
病気になる、または病気にかかる事。
あまり聞きなれない言葉だが、細菌や病気について調べていると結構出てくる言葉だ。
宇都隆史氏は、首相に「インフルエンザにかかってしまったので、行けなくなった」と韓国側に伝えればいい、と国会で言った、ことになる。
これは、学校に行きたがらないと子供がだたをこねたため、お母さんが学校に「インフルエンザなので、学校休みます」と連絡する、というレベルだ。
にしても、ニュースやメディアが注目している国会でわざわざこんなことを言うなんて…本気で言ったのだろうか?そして、首相が「うん、そうだね」と言って、欠席すると思ったのだろうか?
オリンピックは、国家レベルのイベント。韓国側が、聞いたらなんと感じるだろう?しかも国会で話すことではないだろう。
呆れてしまう。
もし、これが本当のことなら日本人として、恥ずかしくないか?
野党の反応
希望の党の泉健太国会対策委員長は「首相にずる休みを提案する与党のレベルに呆れる」と記者団に答えたらしい。
さらにこの「質問の時間」は、与党と野党が質問時間の割合でこじれた結果「与党の勝ち取った質問時間」でもあるのだ。
だから「与党に(多く)配分されても、本当に意味がないと実感した」と記者団にも言っている。
たとえ、これが自民党の「時間稼ぎ」だとしても、言っていい事と悪いことがある。
宇都隆史氏は首相に答弁を求めなかったため、首相は考えを述べなかった、とある。
これを聞いた時の首相の気持ちを是非聞きたいものだ。