いきなりエイズとは…
「だるいな、熱も数日続くし…風邪かな?」と思って病院で診察を受けたら「貴方はエイズを発症しているかもしれません」と医者に言われることだ。
これは、かなりショックだろう…
「いきなりエイズ」と「いきなりHIV」
「いきなりエイズ」が40歳以上の中高年に増えているらしい。
「いきなり団子」なら美味しくて、大好きなお菓子だが「エイズ」とは…穏やかではない。
ここで一応おさらいだ。
エイズ(AIDS)とは?
「Acquired Immuno Deficiency Syndrome」の頭文字を取って「AIDS(エイズ)」と呼ぶ。
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染し、抵抗力や免疫力がなくなって病気になってしまった(発症した)状態 。日本名は「後天性免疫不全症候群」。
見るに堪えない皮膚の病気のイメージがある。
一昔前には不治の病と恐れられていた。
実は「いきなりエイズ」の前に「いきなりHIV」という言葉がある。
いきなりHIVとは
HIVとは、あくまでも「ウィルス」のこと。
感染している(ウィルスを持っている)状態のことを言う。
だから「いきなりHIV」は…
病院で何らかの理由(怪我や病気など)で血液検査をした時「貴方はHIV(ウイルス)に感染しています」と医者に言われることだ。
これも、結構ショックだ。
ただ…
HIVに感染しているが、幸運にもいまのところ「エイズではない」または「発症していない」というところが、救いだ。
HIV感染者は40代以上の男性が多い?
2015年の新規HIV感染報告者は1434人。
その中で「いきなりエイズ」患者は428人。
そのうち男性は409人だったそうだ。
いきなりエイズ率を年代別に見ると
・40歳未満が19%。
・40歳以上約40%以上。
・50歳以上では約50%以上。
…という結果になっている。
なぜ40代以上に多いのか。
・「いきなりエイズ」患者は428人のうち男性は409人
・いきなりエイズ率は「40歳以上約40%以上、50歳以上では約50%以上」
これをふまえると、40歳以上のHIV患者の約2人に1人は、発覚した時点でエイズを発症していたということになる。
40歳以上に患者が多い原因の一つに1986年、1987年に起きた「エイズパニック」があるらしい。
エイズパニック
『1986年』…外国の出稼ぎ女性のHIV感染発覚。
『1987年』…日本人初のエイズ患者が出た。
いずれも(感染者が?)売春行為をしていたという噂があり、関係者が社会から拒絶される、という事態が起こった。
「魔女狩り」という名目で顔写真が公開されたり、保健所への相談者が殺到したそうだ。
当時はHIVやエイズの知識も浅く、恐怖が先走ったのだろう。
さらに感染経路とされる行為が、あまりよろしくないイメージがある。
なおさら、そこから秘密がバレたら大変だ!という思い少なからずあるのだろう。
こういう時代背景から「エイズは怖い病気」「検査なんてやりたくない」という思いが強い年代(40歳以上)なので、結果「約半数がいきなりエイズ」だったと予測される。
HIVやエイズは、今は怖い病気ではない
1980年代、エイズは発症したら1~2年で命を落とす「不治の病」と思われていた(私もそう思っていた)。だが今は、薬も進歩し、HIVやエイズは、怖い病気ではない、という。
40年延命したという例もあるそうだ。
だから、正しい知識をもっているに越したことはない。
HIVに感染すると…
HIVに感染すると…
1 最初の症状…感染後2~4週で風邪に似た症状が出る。数日で症状は軽くなる。
2 次の段階…無症候性感染期に入る。5~10年の潜伏。
ここ(エイズ発症前)で発覚した場合、薬でHIVウイルス量をほぼ検出不能にすることができるらしい。
3 さらに進むと⇒エイズ発症となる。
エイズ発症
不幸にもエイズを発症すると、完治は難しいが、現在は抗ウイルス薬治療を続ければ、延命可能
だと言われている。HIV検査で分かれる天国と地獄
HIV検査をして結果が「いきなりHIV」か「いきなりエイズ」かでは、天国と地獄の差がある。
「いきなりHIV」は天国?
検査の結果が陽性「HIV」の場合、薬だけでほぼ普通の生活を送ることができる。
平均寿命まで人生を全うすることができるのだ。
そして、他人に感染させないようにすることも簡単だ。
「いきなりエイズ」は地獄?
エイズを発症してしまったら、いくら薬があるとは言え、身体へのリスクは大きい。
完治もしない。
だからこそ少しでも早めに知り、治療すべきなのだ。
検査は「結婚前のマナー」という声もある
HIVに感染する経路は、何もよろしくない行為だけではない。
輸血感染や、母子感染もある。
もっとも残念なのは、過去の恋人がHIVを持っていたのを知らず、感染していて、今の恋人や伴侶に感染させてしまうことだ。
そうならないためにも、HIVを持っていたとしても「よろしくない行為をした」と決めつけ責めたりしないこと、心当たりがあったらすぐ、医療機関に行って検査をすることだ。
結婚する前に検査結果をお互いに差し出すことが「結婚前のマナー」という声もある。
ちなみに…保健所でHIV検査を受ければ匿名でいいし、無料だ。
郵送で人知れず検査する方法もある
最近では、検査用のチェッカーを自宅などに送ってもらい、自分で採血。それを送り返して検査結果を教えてもらう、という方法もある。
まとめ
高血圧の薬も、ある意味「死ぬまで飲む薬」だ。
それを考えたら、今はHIVも「高血圧症と似たような病気」といえなくもない。
もし、心当たりがあるなら、早い方がいい。
こういう時ぐらい、勇気っていうものを出してみようか…。