半月の間に5人の老人が、相次いで亡くなったり怪我をした、とされる岐阜県高山市の介護老人保健施設「それいゆ」。
NNNニュースは(施設側がこの5人全員の介護に関わっていた、とする)元職員に取材をした。その取材に応じた元職員は、この問題について「100%やってない」と話しているという。
施設側は、この30代男性職員が(唯一)5人全員の介護に関わったと指摘。報道で業務に支障が出るなどとして、問題発覚前に退職させていた。前にもこの問題を取り上げたが、
⇒岐阜介護施設「それいゆ」5人死傷で職員退職?深まる幾つかの謎とは?
時間が経つにつれて、少しづつ詳しいことがわかってきた。
100%やってない、元職員は完全否定!
元職員によれば…
今回の問題について
・死傷した5人の介護は、複数の職員で当たっていた。
・(5人の?)中には、直接触るような介助をしていない入所者もいた。
退職について
・納得できなかったが、他の選択肢は与えられなかった。
別記事によれば、この男性は「本当は辞めたくないけれど、辞めます。」などと申し出て、17日付で自己都合退職したことになっている。(※19日、読売新聞)
8月12日 中江幸子さん(87歳)外傷性血気胸で死亡
・12日午前、職員2人の介助で入浴
・昼食後、夕方部屋で体調急変
・翌日搬送先の病院で死亡
・死因は折れたあばら骨が胸に刺さる「外傷性気胸」
・施設側…入浴時、胸部圧迫の事故と指摘
※今まで入浴中にヒビが入ったことはないとしながらも、意図的人為的可能性も認めたらしい
岐阜新聞webの記事によれば、中江さんの場合、この男性職員が関わったとされるのは午前9時30分ごろの入浴時。男性職員が上半身を抱え、浴槽、ベッド、車椅子などに移動させたという。
7月31日 門谷富雄さん(80歳)窒息
デイルームで食事、途中から介助を受けた。
その後門、谷さんは顔を上に向けて意識がない状態となる。搬送先の病院で死亡。
施設側の見解=自然発生的な病気
8月6日 石本きん子さん(93歳)脳挫傷
部屋で倒れていた。翌日病院で死亡。
・8月15日 91歳女性 肋骨が折れ、入院。
・8月16日 93歳女性 肺挫傷が見つかり入院。
遺族側の言い分
遺族の言い分もいくつかの記事に載っていたのでまとめてみた。
中江幸子さんの孫、亡くなる前の様子語る
12日午後2時ごろ、息子夫婦が施設を訪れた際、女性は遠くを見つめた様子で、元気がなく「いつもは『気を付けて』とか『ありがとう』とか話すのに、この日はしゃべらなかった」と普段との様子の違いに気付いた。「首の点々は風呂で洗ったときに付いたのかなぐらいで、当時は不審には思わなかったし、施設から特に説明はなかった」という。※岐阜新聞web抜粋
石本きん子さん、転倒とは思えない
8月1日、足腰がよわいのでリハビリを兼ねて、この施設に入所した。その後、病院搬送直前に「ころんだので病院に運ぶ」との報告を受けたが詳しい説明はなかった。
門谷富雄さんの奥さん
「早く見つけて、(機械で)口から吸って出してくれたら、命は助かったんじゃないかな」と話していたそうだ。
介護老人保健施設「ソレイユ」同仁会 とは
・1997年に開設
・入所者の定員100人(現在は約90人が利用)
・要介護認定の高齢者が長期入所できる
・療養、リハビリ施設もある
まとめ 施設側の対応に違和感
県や市の立ち入り調査では、職員の体制に不備はなかったらしい。
が、なんとなく残る、この胡散臭さはなんだろう。
事故や病気と言いながら、意図的、人為的の可能性を認めるという理事長の記者会見に違和感を感じるのは私だけだろうか?
亡くなった方の遺族への謝罪がどう行われたのかはわからない。
が、施設側が「人為的可能性」というのは、暗に辞めた職員がやったかもしれない、と言っているようにも聞こえる。
施設側は、職員の起こした行動に責任は持てないとでも言うのだろうか?
だから問題発覚の前に辞めてもらったのだろうか?
施設側によれば、辞めた職員は「特別暴言を吐いたり、乱暴なことをするとか、目立った行為はありません」と話しているらしい。にも関わらず、報道で業務に支障が出るという理由だけで辞めさせるのはどうかと思うのだが…