昨今欧米では、お酒を飲まない人や、飲んでもたまに、それもごく少量でかなり気を配って飲む人が増えている。
そんな人々を「ソバーキュリアス」と呼ぶ。
ソバーキュキュリアスとは?
人類が最初にお酒を飲んだのは「紀元前4,000年頃のシュメール人」と言われている。
最初に飲んだアルコールはワインだったようだ。
それ以来、人々がこよなく愛してきた「お酒」。
旧約聖書には「酒は度を超さなければ、人にとってほとんど生命そのものに等しい」と記されている。
仏教の世界では、お酒は「般若湯(知恵を出す湯)」として飲まれてきた。
しかし最近欧米では、自分の人生においてアルコールが果たす役割を今一度見つめ直そうという人々が増えてきている。
その様な人達を「ソバーキュリアス(Sober Curious)」と呼ぶ。
「Sober」とは、シラフ・酔っていないという意味。
「Curious」とは好奇心旺盛なという意味。
直訳すれば「シラフでいる事・酔わない事に対して好奇心旺盛な」という意味になる。
ソバーキュリアスは禁酒ではない
直訳を見ると、禁酒主義の人の様に捉えられがちだが、決してそうではないらしい。
ソバーキュリアスに明確な定義は無く、考え方は人それぞれの様だ。
禁酒と考える人もいれば、長期的な休肝日と考える人、お酒を飲む理由を考え、アルコールと自分の関係性をよりポジティブに変化させようと考える人もいる。
要するに、アルコールと自分との関係性をより理解する為の行為そのものとすると理解しやすいかもしれない。
お酒が飲めるのに「あえて(アルコールを)飲まない」という新しい価値観こそが「ソバーキュリアス」の本質の様だ。
今はノンアル?微アル?いや「モクテル」!
アサヒビールの調査によると、日本人の20~60才台約8千万人のうちの半数は飲酒をしないとの結果が出ている。
特に20~30才代では「酒は飲めるけど飲まない」という人が大多数を占めるという。
「飲み会などでは、お酒を飲まなくても楽しめるし、なにより飲酒の必要性を感じない」との事だ。
この人たちもある意味ソバーキュリアスであろう。
では、本来酒を飲む場面で、彼らは何を飲むのだろうか?
モクテルとは
そんな風潮を受けてか、日本でも最近、酒造会社が「ノンアルコール飲料」や「微アルコール飲料」や「モクテル」に力を入れてきている。
「モクテル」とは、似せる・真似するという意味の「mock(モック)」と「cocktail(カクテル)」をあわせた造語で、ノンアルコールカクテルの新しい呼び名だ。(もちろん含有アルコール量は0%)。
以前は単にアルコール飲料の代替品の位置付けだったノンアル飲料だが、最近では本物と見まごうばかりのクオリティーの高さと相まって、ビールや日本酒、ワインやモクテルまで、多種多様の商品が出てきており、その出荷額は拡大傾向にある。
例えば、アサヒの代表的なモクテルと言えば…ゼロカクだろう。
ちなみに…
●「ノンアルコール飲料」…含有アルコール量1%未満の飲料(通常、清涼飲料水は含まず、外観や味・香りなどが酒類に似ているものを指す)
個人的には、アサヒのドライゼロを愛飲している。
サマーショットは期間限定、ぜひ飲んでみたい。
●「微アルコール飲料」…含有アルコール分量0.5%の飲料、微アルコール。※アサヒビールのHP参照
今話題の微アルコールと言えば「アサヒ ビアリー」だろう。
今後発売予定の微アルコール飲料
微アルコールと言えば今は「アサヒ ビアリー」。
だが、今後サッポロビールも0.7%のアルコールテイスト飲料を販売予定だ。
サッポロビール:2021年09月14日(火) 発売予定
「サッポロ The DRAFTY」アルコール度数0.7%
アサヒ:9月28日から全国で発売
ハイボール『アサヒ ハイボリー』アルコール分0.5%
まとめ
ソバーキュリアスとコロナ禍
ソバーキュリアスに拍車を掛けているのはやはり「コロナ禍」であろう。
テレワークが増え「会社帰りに軽く一杯やってくか?」というやり取りは激減。
肝心の飲み屋でさえ時短営業で開いている店を探すのが一苦労となれば、お酒を飲む機会はますます減る事だろう。
そんな中で「自分の人生にお酒は本当に必要な物なのか?」と考える
「ソバーキュリアス」といわれる人達が増えていくのは、「自明の理」なのかもしれない。
…ふと、思う。
モクテルと炭酸飲料やミックスジュースとの違いは?と聞かれたら何と答えればいいのだろう?
※「自明の理」…いうまでもなく