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草津白根山噴火で拡散された「真偽の謎の美談」の真実は…

社会

草津白根山噴火…

当時この噴火で、亡くなったのは1人(自衛官)だと、ニュースで、報道された。

ネット上ではこの亡くなった自衛官について「自衛隊員8人が民間人を円陣を組んで守り、その後1人が死亡した」という情報が流れた。さらにマスコミがこの「美談」を報じない事への批判も出てきた。

だが、同時にメディアが報道しないという事は「この情報は、本当なのか?」と疑問視する声もあがっていた。

そんな中、やっと真実がわかった。

その自衛官は本当に「民間人を守って」亡くなったのか?

とあるネットの情報によって、草津白根山噴火時に「自衛隊員8人が民間人を円陣を組んで守り、その後1人が死亡した」という話が拡散。

その後、マスコミや、メディアがこの情報を報じない事への批判も出てきた。

それを知った元国会議員が、この行動をメディアが取り上げないことに「メディアは自衛隊員のこの勇気ある行動を当たり前だというのか?」とツィートし、賛同の声も結構あったという。

ただ、他のニュース記事によれば…

自衛隊の広報などに聞いたところ、拡散している情報と同じ状況は…

・現段階で把握していない
・否定も肯定もできない
・可能性としては極めて低い
(BuzzFeed Newsの記事より抜粋)
という事だったようだ。

部下守り、亡くなる!事実は拡散された情報よりも美談だった

そして20時ごろ出た読売ニュースで「遺族の了承を得た」として、自衛官の亡くなった時の様子が明らかになった。

亡くなったのは陸上自衛隊第12旅団第12ヘリコプター隊の伊沢隆行陸曹長49歳。

今のところ今回の噴火で亡くなった人は、1人と言われているから、この人の事で、間違いないだろう。

ニュースによれば…

・9時50分ごろ他の7人の隊員と山頂から降りてきた
・10分後、本白根山から噴石が降ってきた。
・コース脇の雑木林に避難した。
・林の中にも噴石が降ってきた。
・隊員らは次々と倒れていった。
・伊沢さんは、近くにいた部下を守るように覆いかぶさった
・その背中を噴石が直撃した。

・噴石がやんだので救助を要請
・井沢さんは麓に運ばれ救急車に乗せられたが車内で心肺停止
・病院で死亡が確認された

という内容だった。

この記事を読む限り、ここに民間人は出てこない。

この記事以前に拡散された情報は、亡くなった自衛官とは別の情報という可能性もある…かもしれないが。

これは私の憶測だが、間違った情報が出ているので遺族は仕方なく、名前まで公表せざるをえなかったに違いない。

ネットの情報の真偽に惑わされる怖さ

今回最初に拡散された情報の中に事実と異なる?「民間人を守って」「円陣を組んで」という言葉が入っている。

これは、最初の情報が拡散されていく中で、どこかで聞いた話を足したり、引いたりしながら出来上がった情報、という見方ができる。

それをマルっと信じてツィートしてしまった「元国会議員」さん。

しょうがないのかもしれないが、肩書きなどから、間違いとは思いがたく、信じてしまうことが、ある。

これは、これで、怖いことだ。

ただ救われることは、今回の場合、マスコミがネット批判に惑わされず、その情報を報道しなかったことだ。

マスコミまでが、調べれば、わかることを、ネット上の、情報をそのまま報道してしまったら、何を信じればいいのか分からなくなる。

そして…亡くなった自衛官さんの御冥福をお祈りします。