ドナルド・トランプ氏がアメリカの大統領に就任してから1週間余りが経とうとしている。
相変わらず話題に事欠かないトランプ氏だが、ここに来てまた一つ心配事が増えたようだ。
アメリカの科学雑誌「プレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」が、今年の世界終末時計の針を30秒進め、残り2分30秒にしたと発表した。
世界終末時計とは?
聞いた事のある方も多いと思うが、1947年にアメリカの科学誌「プレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ(原子力科学者会報)」によって作られたもの。
人類の絶滅(世界の終わり)を午前0時とし、その終末までの残り時間を「0時まであと何分」という表現で示したもの。
その「残り時間」は定期的に委員会を設けて修正を行ってきた。
即ち、人類滅亡の危険性が高まれば時間は進められ、危険性が下がれば時間は戻される。
1947年の作成時点では、主に核兵器の脅威が終末時計の時間を左右していたが、1989年からは気候変動による地球の環境破壊等も考慮して、分針の動きが決定されている。
過去の終末時計、様々な危機!
1947年の世界終末時計創設時は、午前0時7分前。
それ以来、最も時計が進んだのが1953年の2分前だった。
この時の主な出来事は、アメリカとソ連が相次いで水爆実験に成功した事だった。
反対に、最も時計が戻されたのが1991年で、午前0時17分前だった。
この時はソビエト連邦崩壊とユーゴスラビア社会主義連邦共和国の解体があった。
ちなみに、東日本大震災で福島第一原子力発電所のメルトダウン事件が起きた時には、終末時計は午前0時5分前となった。
トランプ政権誕生で2分30秒前に!
アメリカのドナルド・トランプ新大統領が誕生し1週間余りが経とうとしているが、早速様々な政策を展開しているようだ。
中でも「核兵器使用の可能性を排除しない事・地球温暖化への対策に消極的な姿勢を明確にした事」という考えを明らかにした点、さらには北朝鮮が核実験を繰り返している事などが、世界終末時計の針を進める大きな要因となったようだ。
これによって、2015年以来2年振りに世界終末時計の針は進み、午前0時まで2分30秒となった。
これで1953年の最大危機の残り2分前以来、2番目の危機となった。
果たして人類はこの危機を乗り越えられるのだろうか?