前回ログサム(カンバル王)は、バルサに「カグロが本当に弟のジグロを殺したか?」と尋ねた。バルサがどう答えるのか…というところで前回は終わった。
おぁー、なんて答えるんだ?バルサぁ~
と、心の中で叫んだのが、ちょうど一週間前だった。
精霊の守り人~最終章 「ログサムの野望」のあらすじ
ログサム(カンバル王)はバルサ(主人公)に問う。「兄のカグロは弟のジグロを討った、それは事実か?」と。
バルサは、「はい、それは事実です。」と答えた。
(思った通りのいい子だ、バルサ)
この時バルサの心の中では、いろいろな思いがあったに違いない。カグロは、ジグロを殺していないし、王の槍の輪っかを盗んでいない。カグロの息子には、ジグロは一族の恥と言われた…それでもバルサはログサム王のいう事を否定しなかった。
その答えを聞き、バルサムはジグロに盗みのぬれぎぬを着せたと正直に?話すのだが、それでもバルサは答えを翻すことはなかった。
後に、捕らえられた牢の中で「なぜ、私をかばった?」と聞くカグロと交わした会話の中で、その理由らしきことが語られる。
ジグロの想いは、兄に王の槍の役目をしてもらう事でカンバル王国を守ってほしい、という事だったと、バルサもわかったのだ。
ジグロの兄カグロの悲しき最後
カグロは、バルサムから、陰謀の全てを聞いたうえで、弟のジグロを殺しに行った…でもバルサに「全部知っててジグロを殺すのは(殺しに行くのは)苦しかったろう」と言われた時は、カグロの中でたぶん誰にも言えなかった辛い想いが報われた瞬間だったのではないだろうか。
ジグロが兄に自分を殺させなかった。※カグロが目の前に現れた時、最初はジグロは兄に殺されるつもりで戦っているようにバルサには見えていた。槍舞を教えて、自分の代わりに兄のカグロが生きられるように、カンバル王国を守れるように、した。それを無駄にできない、とバルサが言った。これからも嘘をつき通す、それがジグロの願いだと。
たぶん、カグロも、その想いに気付いていたに違いない。バルサに会って、さらにその想いを強くしたはずだ。
ジグロに託された国を守る事を大優先と思うカグロだったが、またしてもバルサムの横暴な話から息子までがバルサと戦う羽目に…
そして、カグロは彼なりに、この国のためにできることに気付いていた。それは、ジグロがなぜ、バルサに槍を教えたのかというバルサムの問いの答えでもあった。
自分より強いバルサを「王の槍にすること」、弟の濡れ衣を晴らすことを彼は、自分の死をもって、役目を果たした。バルサには「貴方はこの国だけを守ってほしい」と言われたばっかりだったのに…。
渡辺いっけい インタビュー
カグロ役の渡辺いっけいさんもインタビューで「カグロは愛にあふれた人だと思います」語っていた。
「この一家はきっと愛情豊かな家系で、自分のためではなく人のために動くというDNAを持っている兄弟なのだなと感じます。」(同感!)
渡辺いっけいさんはさらに…
…そのDNAゆえか、カグロは氏族や家族を守るために、王の槍(やり)でありながら国王のログサムや家族にも言えない秘密を抱えています。それは「自分は本当はこういう人間だ」ということを押し込めて長いこと生きてきたともいえると思うんです。
それがバルサと出会うことで結果、秘密は露呈し、カグロは解放されるといいますか…その辺りの変化もおもしろいですよね。また、カグロはバルサの後ろに亡くなったジグロを見ていて、そのジグロを通してバルサと絆みたいなものを感じるところも、演じていて非常におもしろかったです。
渡辺いっけいさんは、ベテランの俳優だ。ドラマ、映画、舞台と結構いろいろ出ている。このドラマの中では、また一味違った雰囲気を醸し出している。ジグロが王の槍だったころのカグロは、とても明るい陽気な人物像だったが、ジグロを探しにきた時は、生きるか死ぬかの形相だった。そして、王の槍となった今は、落ち着いた雰囲気を漂わせていた。
さすが!いい演技してるぜ!
「ログサムの野望」のあらすじ 続き
南のタルシュ帝国では、ラウル王子の侵略のやり方に不満が起こっている。ラウル王子は自分が皇帝に疎んじられていると思っているという悩みも持っているようだ。そして、今度は自分が前線に立って戦うことになる。
チャグムの故国、新ヨゴ国は、帝についている聖道師が、ラルシュ帝国と通じていた。ラルシュ帝国は、もうすぐ新ヨゴ国に攻め入る予定だ。帝を殺せば、民やチャグムを救えると思っている聖道師は、弟子にその計画を打ち明けるのだが、結局殺すことはできなかった。
その頃、山にいるチャグムは、ラルールに「カンバル王がタルシュと通じた理由は、ルイシャが無くて隣のロタ王国に借りがある事だ」と聞かされる。だが、トトがジグロから聞いた話、カームの「他の王と闘う」という話から、カンバル王が山の王と戦さをするつもりではないかという事に気付く。チャグムはそのことをバルサに知らさなければ、とカンバルの城に向かう。
カンバル城では…
カグロが、ログサム王に「チャグムはロタ王国に逃げたのではないか」と言う。ロタと同盟を組むことでカンバルもラルシュ帝国の脅威から免れると進言するが「そんなことはどうでもよい。山の王を倒す」と言う。
ログサムは、バルサの武力を見極めるために、王の槍と闘い、バルサが勝てばバルサのいう事を聞く、という条件を突きつけた。バルサはジグロが過去に友人でもある「王の槍」たちを殺してきた辛さを見てきただけに「お許しください…殺しあう理由がない」というと「私の言いつけでは理由にならぬか」と言う。そして因縁の相手としてカグロの息子カームと闘えというのだった。
そこに、カグロが「儀式であれば私が勤める、王の槍である私にカンバルの誇りを示させて下さい」と申し出る。そして息子に「お前に私の槍を見せてやる。よく見ておくがいい。これが王の槍だ。」と言い、戦いは始まった。
(バルサとの戦いの中で、カグロはバルサにかなわない事を徐々に悟っていく?)
やがて、カグロの首もとにバルサの槍が、突き付けられる。カグロは「私の負けです。」と言う。
さらに…
弟ジグロは盗みなどしておらず王の槍として、その誇りにかけてこの娘を育てた。私は士族の誇りにかけ、私の後をこのバルサに託す…
そう言うと、バルサの槍に王の槍の証である金の輪をかけ…
そして、高い塔から飛び降りてしまった。バルサは、その金の輪をつかみ、怒りの形相で、ログサムに投げつけようとするが、王の槍に阻まれる。
そこに、ラルール(武田鉄矢)とチャグムが現れた。
そこでチャグムは王の槍の武人の中に傷だらけのバルサを見つける…。
次回は、いよいよ山の王との戦いが始まりそうだ。
そこに、死んだはずのジグロが?
予告では、ログサムの息子ラダールに槍を突き刺しても、死なない?、とか…
いよいよファンタジー感が増しましの回になりそうだ。