アフリカの、ルワンダ・サッカー協会が統括するプロサッカーリーグで、正式に魔法が禁止になった。
映画のハリーポッターの中の話ではない。
信じられないが現実の出来事なのだ。
ルワンダン・プレミアリーグ
ルワンダ共和国は、中部アフリカに位置する共和国で、26,000k㎡の国土に約1,100万人が暮らす、アフリカで最も人口密度が高い国。
ベルギーの植民地時代を経て1962年に独立。
今回の魔法禁止事件が起こったのは、ルワンダ・サッカー協会が統括するプロサッカーリーグの最上位ディビジョン、
「ルワンダン・プレミアリーグ(参加クラブ13チーム)」でのこと。
これが魔法?
事件が起きたのは12月16日のムクラVSレイヨン・スポーツの試合。
1点ビハインドのレイヨン・スポーツのカマラ選手のシュートが外れ、そのボールをGKが取りに行っている時にカマラがゴールポストの左端の部分の地面から何か取り出し、それを走って自陣のチームスタッフに手渡したように見える。
この行動にGKが激怒し、カマラを執拗に追い回す。
何故なら、この時にカマラが魔法を使ったと考えたのだ。
そして現に、その6分後にカマラ選手の同点ゴールが生まれる。
信じられない事に、ルワンダではこれまでにも魔法が使われたと考えられる試合が数多く存在する。
そして、これら一連の出来事を受けて、ルワンダサッカー協会が魔法を禁じる事を正式決定したというのだ。
今後は魔法を使ったとみなされた選手には10万ルワンダ・フラン(約14,300円)、また魔法を使ったクラブには290万ルワンダ・フラン(約414,000円)の罰金が課せられるそう。
何をもって魔法とする?
ここで問題となるのは、何を魔法の定義とするかだ。
先のカマラ選手のヘディングシュートにしても、見方によっては(というかどう見ても)見事なシュートに見える。
ルワンダ・サッカー協会は「協会の考えとして、厳密には魔法そのものに対する罰則は無い。何故なら、魔法が試合に影響を及ぼしたという具体的証拠は何一つ見つかっていないのだから。」とコメントしている。
また、「魔法をかけたとされる行為によって相手チームとの無用な諍いが起こるのを避ける為、罰則を設ける事にした。」とも述べている。
世界は広い!
そこには「くだらない!」の一言で済ましてはいけない複雑な理由があるのだろう。
現代においても、本気で魔法や呪いを信じている国や、人々がいるのだ。
この厳然たる事実の前に、改めて「世界は広い、いろいろな人がいるんだ」と思わせられるニュースだった。