「新しい元号は『令和(れいわ)』であります。
菅官房長官が、掲げた文字…令和。
(英語表記REIWA)
前回の元号「平成」が発表され、この文字を見た時は「平和なイメージ」がすんなり入ってきた記憶がある。
が、今回の「令和」の「令」が意味するものが浮かばず、戸惑ったというのが正直なところだ。
さて、その意味とは何だろう?
これまで、いろんな人が、いろんなところで、さらにはTVではAIまで使ってどんな元号になるのか予想していた。が、この元号を当てた人がいたとは今のところ聞こえてこない。
「令」はこれまでの元号には一度も使われていない漢字、当然と言えばとうぜんか。
決めた人たちは「してやったり!」と満足したに違いない。
「令」は万葉集の梅花歌三十二首の序文から
菅官房長官がちょっとたどたどしく詠んだ歌は「万葉集 第五巻 梅花の歌 三十二首の序文」ということだが…
氣淑風和
梅披鏡前之粉
蘭薫珮後之香
気(き)淑(よ)く風は和らぎ(氣淑風和)
梅は鏡前の粉を披(ひら)き
蘭は珮後(はいご)の香を薫らす
万葉集は詳しくないが、これを聞くと「なるほど、なかなかいい歌からとったもんだな」と感心する。
万葉集…
日本最古の和歌集
・8世紀に完成
・様々な身分の人が詠んでいる
・全20巻 4500首以上
「令」の意味
この歌にある「令月」は「素晴らしい月」の意味があるらしい。※日経新聞より
漢字ペディアによれば…
「令」には「よい」とか「立派な」「美しい」」と言う意味があるとのこと。
(他にも「言いつける、命じる」「おきて」」「長(おさ)」などがある)」
和がコレまで「例」は、今まで元号に使われたことはない。。
最初に聞いた時の違和感は「命令の令だよな」だったが、「よい」という意味もあるのか、とちょっとホッとした。
ちなみの「平成の成」「昭和の昭」もは元号として初めて使用された漢字だそうだ。
「和」は20回も使われていた
「和」は「和らぐなごむ」「穏やか」…という意味がある。
言うまでもなくいい印象だ。
「和」は過去の元号でも結構使われている。
なんと、今回で20回めだ。
「和」だけではなく「永」「元」など「長く良い時代になってほしい」という願いを込めるため、特定の漢字が繰り返し採用されているらしい。※永=29回、天・元=27回
平成の時はどうだった?
今回は6案以上の中から選ぶらしいが、平成の時はどうだったのだろうか。
という事でフジTVの特番で、紹介していたのはこの3案。
「平成」
出典
・「史記」…内平らかに外成る
・「書経」…地平らかに天成る
他の2候補案
「修文」
出典
・「書経」…乃ち武を偃(や)めて文を修む
「正化」
出典
・易経…重明以て正に麗けば、乃ち天下を化成す
で、平成が選ばれたわけだ。
ま、通常は天皇崩御によって執り行う事。
かなりあわただしかったにちがいない。
候補案は3案で十分だろう。
元号を書いた人
官房長官が見せてくれた額に入った新元号。
あの漢字は誰が書くんだろう?と思った人はいるだろうか。
今回の「令和」書いた人は内閣府辞令専門官の茂住修身氏。
大東文化大卒の書道家だという。
内閣府辞令専門官=政府内の看板・表彰状などを作成する人
額には(カメラのフラッシュなどが?)反射しないようにガラスをめ込んでいないらしい。※フジテレビ特番より
元号 ミニ知識
・元号の数…一番最初の元号「大化(645年)」から「令和(2019年)」1373年の間に「248」
・使われた漢字…73文字
・元号は中国発祥、アジアで普及今は日本のみ使用(中国は廃止している)
・これまでの247の元号の漢字は、全て中国の古典から選ばれていた
・今回初めて日本の古典から選ばれた
※これと似た漢文が中国の詩文集にあるらしい。大伴旅人たちは、漢文にも造詣が深く和歌を詠み合う中で参考にしたとも考えられる、とのこと。
まとめ
こうして、「令和」という文字に込められた意味を知り、改めてこの漢字を眺めると、だんだんなじんできた気がする。
文字通り「時代は、変わる」と実感した。