有休休暇…サラリーマンにとっては、なんと素敵な響きだろう。
仕事を休んで、尚且つ正規の給料が貰える夢のような制度。しかし、この有給休暇、世界ではだいぶ差があることはご存知だろうか。
世界と日本の有給休暇事情
世界最大級の総合旅行サイト、エクスペディアの日本語サイト「エクスペディア・ジャパン」によると、世界の主要19ケ国の有給平均取得率は86%である。
中には、ブラジル・スペイン・ドイツ・シンガポールのように取得率100%の国もある。
取得率100%の国では取得日数も30日(ブラジル・スペイン・ドイツ)と、こちらも同率1位となっている。
・2008年~2013年最下位
・2014年~2015年下から2位
・2016年~2019年最下位
日本の有給休暇取得率は…
しかし、日本の有給休暇取得率は、約50%。
もちろん、この19ケ国の中ではダントツの最下位。また、取得日数も10日間で最下位となった。
つまり、有給休暇取得率100%の国は取得日数も世界一。
取得率最下位の国は取得日数も最下位という訳だ。
ちなみに…
休み不足と感じている日本人の割合は50%。
休まなくてもいいと思っているのか「有給は100%取れないもの」とあきらめているのか、わからないが、なんとも微妙な数字だ。
日本の低取得率の要因
日本での有給休暇取得率が低い要因のベスト3が
① 緊急時の為に取っておく
② 人手不足
③ 有休を取り難い職場の雰囲気
ということらしい。
消化しきれない有給は増えるが消える不思議
例えば、勤続6ヵ月で10日、その1年後ごと、毎年10日+勤続年数分の有給が付く。
その会社に6年6ヵ月務めると年20日の有給が付く。
その後は、毎年20日の有給が付くのだ。
たぶんほとんどの会社はこういうシステムだろう。
(※パートタイム労働者など所定労働日数が少ない労働者はこの限りではない)
だが、前出の「有給休暇取得率が低い要因」のために、それが消化しきれない。
その分有給が増えるのはわかるが、2年前に追加され使いきれなかった有給は消えてしまう。
しかも合計40日以上、ためておくことはできないのだ。
消化率は悪いのに、使い切れない有給…はなぜ付くのだろうか?
最低年5日間の有給休暇付与
日本では、2019年4月1日から、最低年5日間の有給休暇付与が企業に義務付けられた。
(「働き方改革関連法」=年次有給休暇の確実な取得)
少しでも有給休暇を取りやすい環境作りをとの政府の目論見だったが、実際の取得率はまだまだ低いようだ。
うちの会社の場合…
なるほど、自分の職場は全てこれらに当てはまっていた。
年5日の付与義務だが、実際の付与は2日間のみ。
超高齢化の職場の為、残り3日間は不慮の病気や通院の為にとっておくというのが会社の言い分だ。
(…これが嘘のようでマジな話し)
また、定員10名の職場だが、いつもスタッフは8~9名の万年人手不足。
有休を取ると白い目で見られる職場の雰囲気。
こんな状態では、有給の申請など出来る筈もない。
これがきっと中小零細企業の平均なんだろうな。
ちなみに…
10年以上前、妻が働いていた職場は当時から有給休暇100%取得できる会社だった。
シフトのシステム、従業員の協力がよくて、きちんと取れたらしい。
こういう会社も、もちろんある、のだ。
まとめ
平均好きの日本国民だが、こんなことで平均にはなりたくないなと思わされた調査結果だった。
だが、世界を見渡せば、有給休暇を100%取得できている国も結構あるのだ、と改めて知った。
日本人は「真面目」で「謙虚」。
良い言い方をすれば、こういうことになるのだろう。
だが、これが正しいわけではない…
年代別で見てみると18歳から34歳のヤング世代は「休み不足と感じている」人が約7割もいるという結果だった。さらに、有給取得率も50歳以上が50%だったのに対し、75%もあったそうだ。
有給休暇は「一定期間勤続した労働者に対して、心身の疲労を回復しゆとりある生活を保障するために付与される休暇」だ。
「有給休暇、みんなで取れば怖くない!」
若い人のためにも、年寄りはもっと有給取ろうよ!と先輩たちに言いたい…( ;∀;)