今、ある婚活イベントが大変な人気を呼んでいる。
それが「お寺婚活」だ。
臨済宗妙心寺派のお寺で行われている婚活イベント「吉縁会」は、年4~5回行なわれているが、毎回定員を遥かにオーバーする申し込みが殺到しているそうだ。
人気の秘密を探ってみた。
婚活イベント「吉縁会」とは
世の中には婚活ビジネスや結婚相談所が多数存在する。
しかし、どれも高額な費用がかかる。
入会金・1回の紹介ごとの紹介料・成婚料と、トータルすると莫大な金額となるものが殆どだという。
とある結婚相談所の場合…
【料金】
入会時:125,000円(税別)
月会費: 16,000円(税別)
成婚料: 50,000円(税別)とりあえずトータル20万弱だが、決まるまで月会費は毎月かかる。はやりそう安くはないようだ。
男女が出会って結婚するのにこんなに多額のお金がかかるのは不自然だ!と考えたのが静岡県にある龍雲寺の副住職・木宮行志氏。
木宮氏は自分達のお寺で費用のかからない縁結びは出来ないものかと考えた。
そこで、入会金・年会費・紹介料・成婚料全て無料の「吉縁会」が発足した。
勿論、手伝いをするお坊さんも無給。
だからこそこのリーズナブルな吉縁会が成り立っている。
吉縁会の人気の秘密
その1 リーズナブルな料金。
吉縁会では、1回当たりの参加料が3,000円、それ以外は一切かからない。
もちろん入会金・年会費も無い。
通常の婚活ビジネスは、もちろん営利事業である。
人件費もかかるし経費もかかる。
尚且つ、利益も出さなければならない。
ところが、吉縁会はお坊さんがスタッフとなるため人件費はかからない。
お寺で開催するため場所代もかからない。
なにより営利を目的として行っていない。
困った人がいれば助けるという「僧侶本来の行い」の一環としての婚活なのだ。
それ故、リーズナブルな料金での運営が可能で、婚活イベントの参加倍率が、最高10倍近い難関となるのだ。
その2 高い成約率
吉縁会のイベントでは、1回で平均6組が成婚する。
成婚の報告義務はないため、実際はもっと多くのカップルが成立しているかもしれない。
2010年に発足し、これまでに120組の成婚実績があるという。
この高い成婚率の理由の一つに、参加者の本気度があるようだ。
吉縁会の婚活イベントに参加する方法
吉縁会の婚活イベントに参加するには、まず会員登録が必要になる。
それも、メールやファクス、郵送などという手段ではなく、お寺で年2回開かれる登録会に、本人が出向かなくてはならない。
指定された日時にわざわざお寺まで出向くというハードルを設けるには、より本気で婚活したい人に登録してもらおうという理由がある。
最初の頃、は実質3,000円という安すぎる位の参加費の為、冷やかしで参加しようとする人や、親が子供を連れてきたりと、婚活の趣旨から外れた人達も多く見受けられたが、このルールを作ってからはそんなことはなくなったという。
より本気で婚活をしようとする人達のみのイベント故の成約率の高さと言えよう。
会員登録できるのは25歳~49歳までの男女だが、今では、静岡の本部の他・東京・名古屋・岐阜・大分の4つの支部併せて9,000人の会員数を誇る。
その3 独自の婚活イベント
吉縁会の婚活イベントは一風変わっている。
開会式の後、参加者全員でご本尊にお参り。
そしてお坊さんが良縁祈願をし、お守りを授与。
その後座禅体験、和菓子や水引き、数珠つくり等の仏教体験と続く。
談話時間
1人5分の自己紹介のあと、席を移動しながらすべての参加者と面談する。
一番の特徴は、最後に行われる「申請」と呼ばれるイベントだ。
参加者は全員、自分の封筒を用意し男女別の部屋の床に並べる。
そして男女それぞれ、気になる異性の封筒に自分の連絡先(メールアドレスとLINE IDのみ)を書いたカードを入れる。
意中の異性にアプローチ出来ることは勿論だが、本命とは縁がなくても、より多くの封筒に自身の連絡先を入れることにより、出会いの確率も深まるという訳だ。
まとめ
実際、吉縁会で成婚したカップルの半数は、最初は片思いから始まったというのだ。
お寺というのは、古より縁談のお世話をすることも多く、縁結びの場としての役割を果たしてきた場所だ。
檀家さんや地域の人々も「頑張れ」と応援してくれるという。
結婚相手をなかなか見つけられない人が多いと聞く。
「お寺婚活」ありだな。