オランダの養鶏場の卵から、毒性のある殺虫剤の成分が検出された。
養鶏場で使用された殺虫剤の中に毒性の強い「フィプロニル」とみられる成分が含まれていたらしい。
その殺虫剤は、オランダ以外の養鶏場でも使われていたらしい。殺虫剤で汚染された卵は、流通している国内から欧州へ、さらに、欧州以外の国(スイス、香港)でも見つかっているそうだ。
検出された殺虫剤とは
・ドイツのチックフレンドという会社のもの
・フィプロニルが含まれている
・ニワトリに寄生するシラミの駆除のため使用したらしい
フィプロニル
・大量に使用した場合の毒性は「中程度」
・軽度の意識障害をおこす
・腎臓、肝臓、甲状腺に悪影響をもたらす恐れがある…世界保健機関(WHO)
・日本では、家庭用ゴキブリ駆除剤に使われているものが多い。
オランダのNVWA(=オランダ食品消費者製品庁)によればこの「フィプロニル」とみられる成分が卵や、鶏肉から検出されたという。※本来、食用の鶏肉になるニワトリなどの家畜に殺虫剤の使用は禁じられている。
この影響でオランダにある180の家禽(鳥を繁殖・飼育)農場が休業に追い込まれているという。(8月2日)
その後、この殺虫剤を違法に使用したと確認された(ベルギー・オランダ・ドイツ・フランスの)養鶏場は閉鎖されたそうだ。※他の国々はこの4か国から卵を輸入(8月11日)。
汚染卵の被害はヨーロッパから諸外国へ拡大
各国の状況
この問題が発覚した7月20日後…
ベルギー、ドイツ、オランダのスーパーマーケット…多数の卵を売り場から回収
スウェーデン、スイスの小売業者…売り場から回収
今月1日以降、ヨーロッパのスーパーマーケットから数百万個の卵や卵製品が回収されているそうだ。
英仏両政府…汚染卵がアメリカやフランスにも流通しているおそれがあるらしいと発表(8月7日)。
欧州委員会…汚染卵は、ドイツ経由でフランスとイギリスに流入したことが確認された(8月7日)。
・イギリスでは、流通する卵は少ないので健康被害の可能性は低いと見ている
・フランスでは、加工工場2箇所でオランダから輸入した卵が汚染卵だった事が判明。
汚染卵の被害更に広がる
欧州委員会…汚染卵はEU加盟国15カ国と香港、スイスでも見つかったらしい(8月11日)。
農林水産省のデータによれば
日本で、ヨーロッパの鶏卵を輸入しているとは聞いたことはないが、あり得るのだろうか?
ダチョウの卵とか大丈夫かな?と思い「卵 輸入」で調べてみると、農林水産省がデータを公表していた。
国内で輸入されている鶏卵は、約12万トンで国内消費量の約5%。
それほど多くはなさそうだ。
輸入先 (2013年度のデータ)
輸入量の7割は練り物の原料(卵白粉など)…主に、オランダ(22%)・イタリア(21%)・インド
3割は、菓子・菓子パンの原料…主にアメリカ(20%)
※http://www.maff.go.jp/j/kanbo/tpp/pdf/151224_sankou_part4.pdf 参照
問題のオランダが入っていたのは気になるが(生の殻付き卵は輸入全体の1.9%)…日本の輸入時のチェック機能が優秀であることを信じたい。鶏肉のデータもあったが、今回は気にしないことにした。
近所のスーパーでは、毎週日曜日、時間限定で1パック(10個入り)100円以下で販売している。うちは、かなり重宝している。だから、今後(日本にも)影響が出るのか、気になるところではある。