PR

人気温泉利用後に肺炎で死亡!身近にいるレジオネラ菌の怖さとは?

社会

先日、広島県の温泉施設「みはらし温泉」で入浴した30代~80代の客14人が発熱や肺炎などの症状を訴えた。
病院からの通報で市が施設への立ち居入り検査をしたところ、浴槽のお湯からレジオネラ菌が検出された。

そして、25日、入院していた男性が肺炎で死亡したらしい。

「レジオネラ菌」とはどんな菌なのか、肺炎、温泉との関係などちょっと調べてみた。


今月初旬から中旬にかけて広島県の温泉施設「みはらし温泉」で入浴した30代~80代の客14人が発熱や肺炎などの症状を訴えた。

その後、患者は40人ほど確認され、現在37人が入院中らしい。

死亡した男性の場合…

3月上旬この施設を利用。
その後高熱の症状が出て、21日から入院していた。
25日、レジオネラ菌が原因の肺炎で死亡した。

さらに現在、重い症状の患者が2人いるらしい。

みはらし温泉は21日から営業を自粛している。

もしこの施設を利用したあと席や高熱などの症状が出た人は速やかに病院へ行くように、と呼びかけているそうだ。

温泉とレジオネラ菌と肺炎の関係

レジオネラ菌とは

・もともと土壌、河川、湖、沼などに生息する菌
空調の冷却水、循環式浴槽水のろ過器、給湯器に生息するバイオフィルム(アメーバや原生動物の細胞)に寄生し増殖する。
・人から人への感染はしない

なぜ温泉にレジオネラ菌がいるのか

・大量の水を溜めて利用する場所で繁殖する。
・39℃前後で繁殖しやすい。

肺炎になる感染経路

・この菌を含んだシャワーや湯気を吸い込み、呼吸器から肺に感染する

※この菌がある水を飲んでも感染しない。
※この菌がいるお風呂に入っただけでも感染しない。

レジオネラ感染症…2つの病名と症状

レジオネラ肺炎
・2~10日の潜伏期間
・高熱、咳、頭痛、筋肉痛、悪感等の症状
死亡率は15~30%

ポンティアック熱
・1~2日潜伏期間
・全身の倦怠感、頭痛、咳
・多くは数日で回復

高齢者、糖尿病患者、アルコール中毒症患者、喫煙者は病状が急速に悪化しやすい

予防

・温泉施設は塩素消毒と定期清掃をすること
・「温泉付きマンション」や「温泉付き別荘」「温泉付きデイケア施設」など、衛生管理が徹底されていることが重要。

何れにしても、発症してから死亡するまでの期間が短いこともなど、かなり怖い菌だと言うことがわかる。

この施設の管理はどうだったのだろう?
ちゃんとやっていたのだろうか?

みはらし温泉とは

広島県にあるこの「みはらし温泉」は、旅行サイトにも載っている結構有名な温泉のようだ。
瀬戸内海を望む温泉スパリゾートで、高濃度温泉成分が入っているという温泉が売り。
日帰りはもちろん、宿泊施設もある。

“飲んでも浸かってもまさに奇跡の天然温泉”とHPに書いてあった。
今となっては、ただ虚しい言葉になってしまったが…。

お知らせを見ると今回の件についてのお詫びの他に、本館2階にある食事処や3階でやるイベント、宿泊施設は営業中と書いてあった。

意外と強気だなと感じるが、市は営業停止や行政処分を考えているという。
死者が出てしまっては、やむをえまい。

今回のことで、温泉には怖い菌がいる、ということはよく分かった。

国立感染症研究所によれば、温泉や入浴施設のレジオネラ症感染の死亡は、
・平成12年3月に静岡県の温泉で2例
・平静12年6月に茨城県の入浴施設で3例
・平成14年7月に宮崎県の温泉で7例
が確認されているそうだ。

温泉の数に比べれば、圧倒的に少ないと言っていいだろう。
それは、殆どの施設はちゃんと衛生管理を行っているからだろうと思うのだが…

何れにしても、今後こういうことはないように気をつけてほしいものである