桜前線もようやく北海道に辿り着いたらしい。
北海道は、ゴールデンウィーク中に満開の場所が多いそうだ。
行楽シーズンは、いよいよ本番を迎える。
同時に、食中毒シーズンも本番を迎える。
行楽地で家族で食べるお弁当やおにぎりは、格別美味しいだろう。
でもちょっと待てよ?
そのおにぎりは、いつ作ってどれだけ持ち歩いたものだ?
たかがおにぎり1個と侮る事なかれ、その1個に食中毒の危険が潜んでいる。
食中毒とは
一口に食中毒といっても、微生物によるもの、化学物質によるもの、自然毒によるもの、寄生虫によるものと、その原因は多様だ。
たとえば、一時期流行った「O-157」は細菌が原因だ。
「ノロウィルス」はその名の通りウィルスが原因。
キツネで有名な「エキノコックス」は寄生虫だし、フグで有名な「テトロドトキシン」は動物性自然毒だ。
このように、一度は聞いた事があるような食中毒の名前でも原因は全て違うのだ。
そんな中でも、行楽に付き物の弁当やおにぎりで、特に気をつけなければいけないものを知っておこう。
黄色ブドウ球菌
手指・鼻・のど・耳・皮膚、特に傷口に多く生息。健康な人の20~30%が保菌しているといわれる。
主に、調理する人の手を介して食品が菌に汚染される事が多い。
特におにぎり・弁当・サンドイッチなど、素手で扱う食品の場合は要注意。
食中毒予防の大前提は加熱だが、黄色ブドウ球菌の毒素は100℃で30分加熱しても死滅しない為、とにかく調理段階で食品を汚染しないことが大事。
出来るだけラップや使い捨ての調理用手袋を使用し、直接食品に触れないようにするのがポイント。
食後2~6時間で発症し、激しい腹痛や下痢を伴う。
多くは1日で回復するが、稀に数日かかることもある。
サルモネラ菌
人や家畜の腸内に多く生息する。
サルモネラ菌に汚染されている牛・豚・鶏等の食肉や鶏卵から感染する。
少量の菌でも食中毒を発症する。
食後6~72時間という長い潜伏期間がある。
発症すると吐き気・腹痛・38℃前後の発熱を伴い重症化すると0.2%~0.5%の致死率の危険もある。
平均2~3日で回復する。
やはり、調理器具や手指を十分に洗浄する事が食中毒予防のポイント。
腸炎ビブリオ菌
海水程度の塩分(3%程度)を好む為、魚介類の刺身や寿司に多く生息する。
真水では生きられないため、水道水等で洗浄すると菌は減少する。また、熱にも弱い為加熱処理が効果的。
食後10~24時間で発症し、激しい腹痛・下痢・嘔吐・発熱を伴う。
平均2~3日で回復する。
魚介類は5℃以下で保存、調理の際は真水でよく洗い十分な加熱をすることがポイント。
食中毒予防の3原則は
食中毒菌を
・付けない
・増やさない
・やっつける
5~8月は食中毒が最も多くなる時期だ。
行楽やレジャーで楽しい思い出が、辛い1日とならないようくれぐれもご注意を。