高速道路の標識のフォント名が「公団ゴシック」と知っている人は、何人いるだろう。
さらにこの文字が「ヒラギノW5角ゴシック体」に、段々変わっているという事を知っているのは、多分もっと少ないだろう…
「公団ゴシック」から「ヒラギノW5角ゴシック体」へ
「公団ゴシック」というフォントが使用終了になるそうだ。
そこで、この2つのフォントにどんな違いがあるのか、調べてみた。
ちなみに上の写真は「公団ゴシック」だ。
公団ゴシックとは?
これまで高速道路の標識にはオリジナルフォントである「公団(標準)文字」または「公団ゴシック」と呼ばれているコンピュータ用の無償のフォントが使われていたそうだ。※フォント=統一感があるデザインでひとそろいの文字のこと。
この文字の特徴は
・(基準枠一杯に文字を配置するために)字の画を直線的に造形していること
・すべての画を等幅の直線で描くために細かい画やハネを独自判断で省略していること
高速道路の標識は、個人的には、行き先がわかればいい、としか思って見ていないから「角」や「ハネ」が省略されているなんて、ほぼ気にしていなかった。
これはユーチューブで見つけた動画だが…
よく見れば…確かに、ハネなど見当たらない。
「公団ゴシック」が使用終了になる理由
長年にわたり全国で使われたことから
・文字ごとにばらつきがある
・フォントとしての統一感に欠けている
・字画を省略しすぎて、正字かどうか疑わしい字があちこちで見られた
そこでNEXCO3社は、標識用の新フォントとして平成22年に
和文は「ヒラギノW5角ゴシック体」
アルファベットは「ビアログミディアム」
数字に「フルティガー65ボールド」
を採用した。
NEXCOとは
高速道路会社(ネクスコ、Nippon EXpressway COmpany Limited)
日本道路公団の民営化後の愛称
3社とは
・NEXCO東日本
・NEXCO中日本
・NEXCO西日本 の事。
ヒラギノW5角ゴシック体との違い
例えば「出口」の 口。
公団ゴシックの場合「ただの4角」なのだが、ヒラギノW5角ゴシック体は、「第1角と第2角の下が第3角より出ている」。
□ と 口
の違いだ。
例えば「山」。
公団ゴシックは写真のようになっている。
が、ヒラギノW5角ゴシック体の場合、下が突き出ている 「山」 こんな感じだ。
※公益財団法人国際交通安全学会が出しているPDFを見たほうが早い。
http://www.iatss.or.jp/common/pdf/publication/iatss-review/40-3-06.pdf
「ヒラギノW5角ゴシック体」について…
くせのないやや広めのフトコロと、画線両端のアクセントにより、読みやすさと存在感を両立しています。明るくつぶれにくく、業界屈指の多彩なウエイト(太さ)バリエーションで、極小サイズのキャプションから特大サイズの見出しまで、幅広く対応します。『ヒラギノフォント総合情報サイトscreen』より抜粋
正直いって、私には違いがよくわからなかったが、こうやってみると今まで省略されていたハネもあり、読みやすい印象がある。
「W5」(※W0~W8まで、またはW1からW9まで)は、字の大きさと文字の太さの割合の単位らしいがW5が一番見やすいので採用した、ということなのだろう。
近々高速に乗る機会があるので、少し注目してみたいと思う。
ちなみに…
「高速道路ゴシック」を自分のパソコンで使いたい時は「窓の杜ライブラリ」でダウンロードできる。
もちろんフリーだ。