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神戸製鋼(国内第3位)の強度偽装部品はどんなものに使われているのか?

社会

神戸製鋼が出荷部品の強度を偽ってた
という事件が発覚した。

製品の一部を顧客の製品仕様に適合させるため
強度などの「検査証明書のデータを書き換え
出荷」していたという。

過去1年(昨年6年9月1日~今年の8月31日まで)出荷した製品を対象に自主点検して発覚した。改ざん部品約2万トンの納入先は約200社。これまで安全性に疑いを生じさせるような問題は確認されていない。

納入先は何れも大手

偽装強度部品を採用している所が少しずつ分かってきた。

トヨタ自動車の部品
国内の工場で組み立てられているボンネット、バックドアなどの周辺部に採用している。
トヨタの広報は「安全を最優先に考え、影響を早急に確認する」とコメントしている。

三菱重工のジェット機
開発中の国産初のジェット旅客機「MRJ」に採用。
※どこに使っているかは明らかにしていない
三菱重工の広報は「設計には余裕を持たせている、部品は安全性には問題のない範囲」とのこと。

JR東海の新幹線
東海道新幹線の車両の台車部分。
JR東海の広報は「安全走行には充分な強度を確認済み、部品は今後点検時交換していく」と言っているそうだ。

他には飲料用の缶にも使われているらしい。

不正な製品を出荷した工場は

アルミ・銅製品をつくる
・真岡製造所(栃木県真岡市)
・長府製造所(山口県下関市)
・大安工場(三重県いなべ市)

子会社コベルコマテリアル銅管
・秦野工場(神奈川県秦野市)
の全部で4工場がわかっている

不正部品の量
アルミ・銅製品約2万1500トン
アルミ部品約1万9400個

これは、年間のアルミ・銅出荷量の約4%(売上高約120億円)にあたるらしい。

不正の内容

出荷する前の自主検査時、客(顧客企業)との契約上の仕様が満たされていないことがわかると「検査証明書」のデータを改ざんしていた。さらに検査回数を少なくするという手抜きも発覚した。

不正をやっていたのは…

関与していたのは(実際に手を下した、黙認した、薄々知っていた、のは)管理職を含む数十人。
10年前から改ざんをしていたケースもあったらしい。社長は「組織ぐるみ」「常態化の可能性」を認めた。

記者会見で社長は…

「法律に違反はしてはいないが、顧客と約束した強度や寸法を製品の仕様に書き換えていた」と答えている。
※法律に違反していない=「法的規格」を書き換えたわけではない

このようなことが起こったた原因として

・現場が「納期」や「生産目標」のプレッシャーがある中でやってきたこと、
・環境が閉鎖的だったこと

などをあげている。

現場の管理職は知っていて是正しなければいけなと思いながらも一気にやると影響が非常に大きいため躊躇したらしい。
さらに「これぐらいなら何とかお客様が使いこなしてくれるのでは、問題ないのでは」と経験的に感じてやっていたらしい。

※朝日新聞記事参照

神戸製鋼は国内の鉄鋼メーカーとしては第3位の会社。

問題はこれほど「重要なもの(消費者が体を預ける乗り物など)」の部品を作る会社が「品質軽視」した結果であるということ、しかも「会社ぐるみ」だということ、だろう。

…体質と言ってしまえば簡単だが、これほど大きな会社でもこういうことをやっているんだなと、改めて思った。
今のところ安全性に問題はな差そうだが、あったら困るし、何れそうなる可能性もないわけではない(「安全性に問題はないか」という問いに対して「ありうる」と社長も言っている)。

車や新幹線など、問題が起きてからでは、遅いのだ。
くれぐれも、この体質を変えて欲しい、と願うまでだ。