福島第一原発事故の自主避難者への国からの支援が3月末に打ち切りになる。
それによって避難者が、路頭に迷う可能性をジャーナリストが示唆した。
それに対して大臣は「裁判でもすればいい」と答えた。
“国が出した決定に文句があるのなら、裁判でも起こせばいいだろう”という意味だろう。
裁判をしたくてもその費用を出せる避難者は何人いるのだろう…。
この言葉からは、思いやりや優しさは全く伝わってこない。
自主避難は自己責任?
ジャーナリスト「…帰れない人はどうするんでしょうか?」
大臣「どうするって、それは本人の責任でしょう。本人の判断でしょう。」
「自己責任ですか?自己責任とお考えですか?。」
「(自分は?基本は?ちょっと聞こえなかった)そうだと思いますよ。」
今村大臣の名?言「自主避難は自己責任」はここから生まれた…
この言葉に波紋が広がっている…
ジャーナリストの誘導に乗ったのか?
動画から、大臣の言葉の前後も聞いてみる…
※本人の判断でしょう…は、5分23秒あたり。
会話だけを聞いているとジャーナリストが「自己責任ですか」といい「そうだと思いますよ」と答えている。
ネット上では、これを「大臣が誘導された」という見方をしている人もいる。
あるいは、動画自体がジャーナリストの都合のいいところばかり取ってつなげている、という人もいる。
いずれもマスコミの報道を信用していない人の意見のようだが…。
発端は「自主避難者」への住宅の無償提供打ち切り
そもそもこれは国が「自主避難者」への住宅の無償提供を今年3月末で打ちきると決定したことが発端だ。
「県内での除染の進捗や食品の安全性の確保など、生活環境が整いつつある」(福島県生活拠点課)という理由らしい。※「整いつつある」であって「整った」ではない
ところが、自主避難者にとっては、これ(無償提供)が事実上、唯一の支援策保証だというのだ。
これが打ち切りになれば、今住んでいる住宅から立ち退きを求められたり、新たに多額の家賃が発生することになる。
福島の県内外の自主避難者は約1万2000世帯、約3万2000人いるそうだ。
言葉の中から感じる「国や大臣の本音」
国は結局「支援を打ち切るから、福島(家)に戻りなさい」と、言いたいのだ。
「国の役人が、福島県の事情もその人達の事情もわからない国の役人が、やったってしょうがない」
「とにかく国からは、もう支援のお金は出しません。文句があるなら裁判でもして下さい」と言っているのだ。
これが、国の本音なのだろう。
でも、人も少ない、仕事もない、そんなところにハイそうですか、と、簡単に帰れるわけでもないだろう。
ジャーナリストが言う、多くの署名や嘆願書が、そのキツさを訴えているのだ。
自主避難者は、好きで自主避難したわけではない。
誰のせいでこんな事になったと思っているんだ、と言いたいに違いない。
「なぜ帰れないのか、とかの実情を大臣自身がご存知ない」
そう言われたあたりから、大臣の言葉の雲行きが怪しくなってきた。
自主避難は自己責任と思っている。
自分の言うことが通じないから「出て行け!」とか「うるさい」という。
こんな人が日本の復興大臣なのだ…情けない。
被災者は誰に希望を託せばいいのだろう。
まとめ
最後に「現代ビジネス」に
「この国は「復興」を諦めたのか? 帰還政策が奪った「福島の未来」 原発避難指示大幅解除を前に」
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170329-00051232-gendaibiz-soci&p=1
というタイトルの読み物がある。
ここで、山下さんという人が、なかなか深いことを書いている。
「避難指示解除と賠償支払い解除がセットになっている」というのだ。
その理由や誰がその支持をしたのか、とか、その背景など、わかりやすく書いている。
興味のある方は読んでみるといいだろう。