ネット上の囲碁サイトに、
その名も「神の手」という棋士が
突然現れ、囲碁界を騒然とさせている。
まるで、アニメ「ヒカルの碁」の
佐為(Sai)が現実世界に現れたようだ。
その名は「God Moves(神の手)」
「神の手」が初めてネット上に登場したのは11月29日のこと。
世界中の囲碁愛好家が利用する囲碁サイト「KGS」に突如現れた。
そして囲碁AI(人工知能)の「Zen19L」に連勝、12月1日にも再戦し勝利した。
*Zen19Lとは、過去にプロ棋士の二十五世本因坊趙治勲名誉名人との三番勝負で1勝2敗と肉薄した「Deep Zen Go」と同じソフトを搭載した囲碁AI。
この「神の手」は、ほとんど持ち時間を使わず高速で打ち回すことから、新手の囲碁AIと見られている。
リアル「ヒカルの碁」を意識?
「ヒカルの碁」は主人公・進藤ヒカルが、平安時代の棋士「藤原佐為」の霊と共に囲碁を通じて成長してゆくという囲碁漫画。
作品の中で、佐為が「sai」というハンドルネームを使い、囲碁のネット対局に挑むいうシーンがあった。
今回の「God Moves」は、まさにこの「sai」を彷彿とさせる。
そして「神の一手」は「ヒカルの碁」の中でも度々登場するセリフだ。
このことをみても、「God Moves」が「ヒカルの碁」を意識しているのは間違いないだろうと思われる。
プロも驚きの打ち筋
基本的に陣地の広さを競う碁は、少ない碁石で如何に効率的に領土を広げられるかがポイントとなる。
従って、隅から打ち始めるのが常識だが、「神の手」は3局のうち2局で天元(碁盤の中心点)に打ち込んだ。
破天荒な布石で「Zen」を打ち破った「神の手」を「革命的プロ棋士も居る。
↑漫画「ヒカルの碁」に出てくる平安時代の棋士「藤原佐為」
未だ人の手が届かない、正に「神の一手」が「God Moves」に潜んでいるのかもしれない。